2015年1月15日(木)7:00pm 東京文化会館
川島素晴 室内管弦楽のためのエチュード
(New complete ver. , world premiere)
Pre-Bridge 5′
Cool!(KTR-Hocket) 3′
Spring 6′
River 5′
Vivace 4′
U-Zoo Potpourri 5′
Int
シュネーベル シューベルト・ファンタジー (japan premiere) 24′
カーゲル ブロークン・コード (japan premiere) 24′
下野竜也 指揮 東京都交響楽団
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川島のエチュードは、それぞれ副題があり、内容もわかりやすい説明のあるピースの陳列。引用の山でわかりやすい。
ちょっと技が先行しているような気がしましたがエチュードという話を素直に受け取れば相応な面白さ。
この発想ならどこまでも作っていけそうな気がします。ただ、ピース数を増やすとそれぞれの連関が薄くなり、陳列が羅列になってしまうかもしれませんのでこの辺で折り合いをつけるのもよいかと思います。
場所に因んでしまうようなところがあるので、どこで演奏すればいいのか迷うところもあるかと思いますが、これからいろいろなところで取り上げられてもよいような気がします。全部まとめてですよ。企画がものをいうでしょう。
約30分、冗長になることなく楽しめました。
後半のシュネーベル、これも引用ピース。冊子の解説では、歴史批判としての作品、みたいな書き具合ですが、引用と編曲のスタンスの違いを、何が良くなくて、何が批判の対象か、といったあたり文章としては、掘り下げた内容が欲しいと思います。
音楽は、例えばコリリアーノの引用音楽などよりももっとストレート。シューベルトの幻想の通りですが、雰囲気はツェンダー編曲の冬の旅とか、モーツァルトのフリーメーソンの葬送音楽のような感じあります。
音色旋律風味で進行、密度が濃い音楽と思いました。
カーゲルは、ちょっとタイトルに引きずられているかな、よくわからなかった。
以上3曲、現代ものにしてはそれぞれのピースが比較的長いけれども、興味深く聴くことが出来ました。
ありがとうございました。