河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

2166- シルクレット、トロンボーン協奏曲、中川英二郎、東響、2016.8.11

2016-08-11 22:20:51 | コンサート

2016年8月11日(木) 3:00pm シンフォニーホール、ミューザ川崎

バーンスタイン キャンディード序曲 4′

シルクレット トロンボーン協奏曲  12′7′4′
  トロンボーン、中川英二郎

Int

ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調  11′8′9+7′

(encore)
ベートーヴェン フィデリオ第1幕第2場 マーチ 2′

秋山和慶 指揮 東京交響楽団


フェスタサマーミューザKAWASAKI2016 千秋楽

レアな作品を聴くことができました。シルクレットの作品は一応クラシカルなコンチェルト風テンポ設定がなされている。
第1楽章モデラート・マエストーソ
第2楽章アンダンテ・ピウ・モッソ(ブルース)
第3楽章アレグロ(ブギ・ウギ)

第2楽章のモードはブルース、終楽章はブギ・ウギ。第1楽章が長い割に続く楽章が急激に尻つぼみになるあたり、昔の協奏曲的なところもある。ジャズっぽい解説が多いのですけれども曲はジャジーというより、ビッグバンドを従えたサロン・ミュージック風なソロ曲。ソリストの惜しげもないヴィヴラートが強烈。線は比較的細く、バックバンドが戦前戦中のスモーキーな雰囲気を醸し出していたならもっと心地よいノリになっていただろうなとは思う。
第1楽章後半は一旦終わったような感じになりそのあとガラッと雰囲気がのってくる。緩徐楽章の滑らかな静かさはここでスローなジャズ風味、ラウンド・ミッドナイト風な世界に浸る。この横殴りな世界と終楽章のブギ・ウギの縦刻みな世界との対比が秀逸。プレイのほうもだんだんとヒートしてきた。こういう曲はどっかで一度演奏しておいて続けざまに演奏したほうがのってくる気がする。ヴィレッジのセカンド・ステージあたりみたいな雰囲気がベスト。


Pic1


Pic2


Pic3



ニューヨーク・フィルの1908年11月13日、14日の演奏会プログラムです。
サファノフの棒、クラリネットの2番手は、Schildkraut, N.です。ナサニエル・シルクレットNathaniel Schildkraut(Nat Shilkret)ですね。
生まれた時の名前は、Naftule Schüldkrautです。
1889年生まれですからこのとき19歳。

6歳(1895年)までにクラリネットとピアノを習得。
1896年(7才頃)ニューヨーク・ボーイズ交響楽団メンバー。
1905年(16才頃)までに、ロシア交響楽団メンバー。
1907年(18才)、ニューヨーク・フィル・メンバー。約十年にわたりNYPで活躍。ほかのオケでも活躍。

サフォノフのNYPイヤーは1906-1909シーズン。
マーラーのNYPイヤーは1909-1911シーズンですので、彼のもとでも吹いている。
タイムマシンがあれば是非ともこの時代に行って聴いてみたいですね。

シルクレットの紹介ページはアメリカサイトではたくさんあります。2,3あげておきます。

Wiki(英語)

IMDb Biography

Collateral Worksのライナーノート
(このサイトでは生年を1899と間違えていますが、文章を読めば1889年が正しいとすぐわかります)

ちなみに日本語のwikiサイトはボロボロです。(2016.8.11時点)
ナサニエル・シルクレット
短い紹介文の中で生年を2種類書いていて両方とも間違っている。またNYP他の活躍年次を1910年代から1920年代はじめ、としているのも誤り。10才代から20才中盤(18才から25才あたりまで)なのですが、10、20の記載に引きずられてしまって誤訳されていると思われます。


KAWASAKI2016のプログラム解説では生年が1895となっています。この日の演奏会の前日までに当日プログラムのコピーが入り口前にあったので、スタッフにお話ししておきましたが、たぶん、無視。

おわり


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