2016年8月23日(火) 7:00pm サントリー
<オール・シュトラウス・プログラム>
ティル 15′
4つの最後の歌 3′8′6′8′
ソプラノ、エルザ・ファン・デン・ヘーヴァー
Int
家庭交響曲 41′
セバスティアン・ヴァイグレ 指揮 読売日本交響楽団
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この日は歌が入るのでスペシャルシートで。
4つの最後の歌は美しさを極めた驚異的な曲集。
河童ライブラリーは2009年時点で43個だけです。
1472- 4つの最後の歌 河童ライブラリー
ヘーヴァーはオペラティックな歌、高音は少しきつそうな感じでドラマチックではあるが少し無理に前に押しだすようなところがあった。ヴァイグレの几帳面なサポート棒が無かったら厳しかったかもしれない。明らかなオペラ歌いでエンジンのかかりもスロースターターのように思える。なんだか喉が温まっていない感じで、この日は2度歌うべきだったのかもしれない。2度目の方が絶対に良かっただろうなぁと、モロに感じました。ヘーヴァーにはリヴェンジ来日をお願いします。
伴奏のほうは、3曲目「床につくまえに」のヴァイオリンソロが美しく歌っていた。几帳面な棒のヴァイグレに対し揺れ動くような艶やかな鳴りが美しかったですね。コンマスの自由度を少し大きめに許容しているヴァイグレというところか。
2曲目「9月」のホルンソロはヴァイグレ自身ならこう吹いていたといったところかもしれないが、でも彼自身がプリンシパル時代にあっても速度設定などは指揮者が決めるところであって、そういう意味では今もう片側のしたいことをしているという話になる。
ジョージ・セル並みとまではいかないが非常にスローなテンポ設定。ホルンサウンドは線が細くホールを包み込むような鳴りではなく、今一つコク不足。
全体像をフォーカスしていく大柄なヴァイグレは、棒立ちならぬ棒振り(変か?)になるところがあり部分的に板についていない指揮が少し目につく。彼の全容は見えない。
家庭交響曲も几帳面さが前面に出る。アンサンブルやインストゥルメントの束ごとのコントラストを強調することなくハーモニーのバランスとザッツへの潔癖症というのは言い過ぎかもしれないが丁寧過ぎる縁取り感覚はともすると全体像が見えづらくなったりする。頭がピアニシモでパシッと揃ってクレシェンドで広がりをみせていくさまは曲線的な幾何学模様が非常に美しいものではありますが。
一曲目合わせ、副題表題系の音楽らしさとは少し異質なものであった。
余
長いスイトナー時代のベルリン国立歌劇場、その後半、プリンシパル・ホルニストは、ベートーヴェン・シンフォニー全集を彼が吹いている時代と重なるものがあるので、録音で聴けるのは一部、彼の音かもしれない。
自分が初めて買ったCDというのが、DENONレーベルのスイトナー、ベルリン国立歌劇場管弦楽団のエロイカ。日本仕様のまま店頭に並べてあったもので3800円のもの。円安の時代15ドル99セントで購入。お昼休みウオールストリートからブロードウエイをシティホールの方に少し歩いたところにあったJ&Rでの買い物。このエロイカは1980年の録音なのでヴァイグレがプリンシパルになる前のものですね。
ちなみにTEACのリールデッキX2000Rもここで買いました。
おわり