2013-2014シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
2013-2014シーズン
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2013年12月18日(水)7:00pm サントリー
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ベートーヴェン 交響曲第9番
15′14′15′25′
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ソプラノ、木下美穂子
メッゾ、林美智子
テナー、高橋淳
バリトン、与那城敬
新国立劇場合唱団
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コンマス、ダニエル・ゲーデ
デニス・ラッセル・デイヴィス 指揮
読売日本交響楽団
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このカリスマ指揮者をこの年になって観られるというのは僥倖以外のなにものでもありません。読響さんには感謝です。これで、フィリップ・グラスでもやってくれれば最高なのですが、第九でもなんでも、とにかく来てくれてよかった。
カリスマといってもその名は一部でしか知られていないというのが実際のところだと思います。ブルックナー、ハイドン等々の全集をだしていますが、個人的にはそれらは副業のようなものだと思っています。やはりデイヴィス自身の時代をともにしているコンポーザーとは切っても切れないものがある。特にグラスではトランスレーターみたいなものかもしれない。
トランスレーター的な印象があるので演奏の解釈などといったものは、そもそもよくわからない。CDでならハイドンの交響曲全集は全部まとめて聴きましたし、ブルックナーも同じく聴いた。そんなところにいきなり第九ですから。
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この日は第九、DRD&読響、6公演の初日。演奏は非常に引き締まっており、叩きつけるようなティンパニの強調が耳につきます。
そして全インストゥルメントにわたり鋭いアクセントと彫り、主旋律、対旋律の明確な区分け、そして印象に残った第3楽章の美しいシームレスなウィンドのロング・ハーモニー。これなどはまさにグラス風味満載。終楽章は単なる一つの個体、きつく引き締まったオーケストラと合唱の響きが心地よい。全楽章にわたりメリハリのきいた演奏。
初日のためか、縦の線がふゎっと揃わなくなるところがありましたけれど、ソリッド・スタイルのサウンドは強烈で快感。
特に第2楽章の入念さが光ります。スケルツォの強打、5個目を弱く叩く微妙なニュアンス、弦5部の分解、明瞭な響き。読響の腰が重くならず機動性を発揮しつつ前進していく。素晴らしい演奏でした。ありがとうございました。
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色紙とCDにサインをいただきました。
「このCD覚えてる?」
「オオォッ」
「お互いふけたなぁ」
「オオォッ」
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デイヴィスさんは革ジャンにペットボトル突っ込んだナップサックをしょって帰りました。昔のままです。
おわり
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