河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1479- ピエタリ・インキネン、日フィル、シベリウス、3番6番7番2013.4.27

2013-05-01 16:53:00 | インポート

2012-2013シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから。
2012-2013シーズン
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2013年4月27日(土)2:00pm
サントリーホール

シベリウス 交響曲第3番
シベリウス 交響曲第6番
シベリウス 交響曲第7番

ピエタリ・インキネン 指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
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この指揮者はお初で聴きます。この演奏会の何日か前に6番と7番を連続演奏するということがわかり、一つの公演で両曲を演奏する場合のプログラムビルディングとしては、ありかなと思いました。双方長さ的にはどちらかというと中途半端、でもあまりにも内容が濃いので、たしかにどう配置して奏すればいいのか迷うようなところもあり、一つの回答としてインキネンの結合演奏も試みとしていいものだと思う。
結果、
全く違和感がないというか、むしろ緊張の持続と高まり、そして雪と冷たい空気がきらりと光るような素晴らしいシベリウスサウンドとともに満足した一夜となりました。
ドリアの6番は第1,2楽章を繋げ、その第2楽章を終えたところできっちりいっぷく。
第3,4楽章は一呼吸置いただけで連続。そして第4楽章から7番へのつなぎも一呼吸しつながっていく。
No6(1mvt+2mvt)、No6(3mvt),No6(4mvt),No7
こんな感じのモード。
一番緊張感を味わったのは7番へのティンパニの入り。殊の外、巨大に感じた6番を終え、7番は全て冒頭のこのティンパニの小さな音から派生しているのではないかとあらためて実感させる素晴らしいつながりと緊張感を味わえました。
7番はこれ以上ないぐらい音楽が凝縮していて、息つく暇が無く緊張感がとけない。
緊張感を自ら作り出し、自力で解決したのはムラヴィンスキーの演奏をおいてほかになく、どうしてもあの演奏と比べてしまう。異形(いぎょう)なものと比べるのはどうかと思ってはいるのですが、あの演奏はあまりにもユニークでインパクトが強すぎる。
ということで、それはなるべく横に置いてインキネンの表現は昨今流行りのディテールにこだわるために停滞するような本末転倒のような演奏とは異なり、深く、流れる。表題的でないものからなにか寂寥感のようなものを導き出している。主題は慎重にかみしめられており、この慎重さの積み重ねのようなものが、むしろ自然発生的に無垢の流れを導き出している。つまりそこにある譜面にみな没頭すればいいのです。
無意識の音の連なりと徐々に高まるヒート感。融けることの無い氷かもしれないが、だからこそその美しさが氷柱のように最後の局面でそそり立つ。素晴らしい曲。そして指揮者の表現とオーケストラサウンド。美しい。
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第6番はこの日、なんだかかなり巨大な曲のように聴こえました。インキネンの棒は明確にモザイクとその統合を意識しており、解決を見るというよりいろんなものが並び立っていてそれぞれのモチーフが全て印象的に残像となる。明確な区分けです。ユニークな交響曲と言える。
それら一つ一つのモチーフがかなりダイナミックで幅広なサウンド、結構鳴らしきっている。第1,2楽章の印象は濃厚。第3楽章は個人的には裏で「モナリザのほほえみ」の響きを感じるのですが、そんなもの打ち消して忘れさせてくれる迫力。終楽章で尻つぼみになるので7番へのブリッジは試みとしてはいい具合。
巨大な6番を聴かさせてもらいました。
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前半の3番。
この曲はごつごつメロディーと終楽章の流れが好きなのですが、6番7番を聴いた後、思い出すと、およばない。と感じました。
ただ、第3楽章の流れるメロディーの前部分についてはインキネンの解釈が濃いというのがよくわかる個所がありました。モチーフの強調が主副を感じさせないでパラレルに膨らみます。丁寧でわかり易い解釈で曲の魅力を引き出しておりました。
おわり


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