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芸術の秋冬コンサート通いは一服ついてますので、また、昔のコンサートから。
1983-1984シーズン聴いたコンサート、観たオペラより
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1984年2月14日(火)7:30pm
エイヴリー・フィッシャー・ホール
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第10,454回
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ハイドン/交響曲第104番ロンドン
ベルク/3つのオーケストラのための小品
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ハイドン/トランペット協奏曲
トランペット、フィリップ・スミス
シュトラウス/
ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
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ズービン・メータ指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
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いかにもルーチンワーク的なプログラムであるが、このシーズン、メータの意向もあり、ソリストにメンバートップをたてた定期がぽつぽつとあった。
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前半のプログラムは、この前の2月9日(木)のものと同じである。特にハイドンについては、印象も同じである。
ベルクの作品は金管が非常に強烈な作品であり、本当に気がふれたかと思われるようなものすごさである。
ただ、弦の表情が柔らかくなるときは、ふとマーラーの歌を思い出してしまうほどの情緒がある。いわゆるクラシックな音楽ではないかもしれないが、つい姿勢を正しくして聴きたくなるような説得力をもった作品だと思う。
このところウェーベルンやベルクをたて続けに聴けるということはラッキー。今は2月、定期シーズン真っただ中にいるせいか、いろいろと感慨深いものがある。
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後半もプログラム・ビルディングからいけばいかにもちぐはぐな感は否めないが、これはハイドンのトランペット協奏曲のトランペット奏者がニューヨーク・フィルハーモニックのトップであるということに意義があるのである。
ホルンのトップによるシュトラウスのホルン協奏曲、コンマスによるブラームスのヴァイオリン協奏曲、そして今日と、ニューヨーク・フィルハーモニック・トップによる顔見世が続いたと思えば良い。
今日のトランペットはいつもマーラーやブルックナーで演奏する素晴らしい金管の張りのある音楽とはちょっと異なる為、質素な感じがしたが、音色といい、オーケストラに対するバランスといい、彼がシカゴ響から移ってきたなんて信じられない。
おわり
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