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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

放送禁止歌

2009-01-24 20:38:11 | 好きな本
2003年 知恵の森文庫版 森達也
(こないだ帰省したときに探したけどなかった。また誰かに(以前から持ってたのも文庫版)貸しちゃったのかも。そんなわけで、古本屋で見かけたので買ってしまった。)
これ、おもしろいです。
おもしろいっていうのは、エンターテイメントとして大笑いしちゃうとかぢゃなく。
知的好奇心を刺激、っていうのとも、ちょっと違うか。
えーと、自分の知っていそうでホントは知らなかったことを、違う角度から鮮やかに見せられて、興奮させられたのち、かなり考えさせられてしまう、といった感じか。そーゆー場合、読んでよかった!って感想が残りますね。
そもそもは、タイトルと、パラパラとめくったときに書いてあった歌の曲名なんかに興味をもっただけで、買いました。忌野清志郎のファンなんで、発売禁止とか、けっこう関心あるんですよね。あと当時、自分より少し上の世代の人と音楽の話なんかしてて、高田渡とか、それこそ竹田の子守唄の話をしてたこともあったんで。
で、この本は、放送禁止の歌詞を並べることで、面白おかしがるとか、そういう企画ぢゃありません。
どーして放送禁止なのか、誰がどこでダメっていったのかとかを、キチンと調べていく(この本の執筆ぢゃなくて、ドキュメンタリー番組の作成が、本来の仕事)と、実は放送禁止歌って、リストになって決まってるものとかぢゃないってことがわかってくるとこが書かれている。
簡単に言っちゃうと、これ流したら抗議とかきてヤバイかもしれないからヤメとこ、ってメディアが勝手に思い込んで仕舞い込んぢゃうのが、放送禁止。(簡単に言い過ぎか)
で、誰かがちょっとそういうこと言うと、ほかのひとも深く考えずに、なんとなくそういう流れに追随してっちゃう。
そんな放送に関する実態、自主規制っていえばカッコイイかもしれないけど、実は思考停止ってことを暴いていくのが、なんともスリリングでおもしろいんです、この本。
ちなみに、そのドキュメンタリー番組(観たかったなー)では、そんな共同幻想により放送禁止といわれている曲を当然のことながらオンエアしちゃいます。で、どこからも抗議なんか来なかったと。

偶然この本を手にとったのが、作者を知った最初だったんだけど、その後も一貫して“みんな自分の頭や言葉で考えて、自分で判断しようよ”ってメッセージを送ってくる著書がけっこうあるんで、ときどき読んでます。


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