じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

太宰治「桜桃」

2018-05-01 18:26:05 | Weblog
☆ 太宰治「桜桃」(現代日本文学館「太宰治」文春文庫)を読んだ。

☆ 外面は道化を演じて場を盛り上げながら、内面は常に欲求不満を抱えている。そしてそんな自分に嫌気がしている。主人公の「太宰」という作家はそういう人物だ。

☆ 妻と3人の幼子がいる。食事時はまさに戦場。男は育児も家事もできず、いや、やろうとはせず、都合が悪くなると酒や女に逃げ場を求める。どうしようもない人間だ。妻はその間も「涙の谷」に汗をかいている。

☆ 自嘲ともとれるが、作品に救いを求めてるようにも思う。文章に殴りかかっているようなそんな荒々しい息遣いを感じる。

☆ 不味そうに桜桃を食べては種を吐く男。自分自身に自信を持てない男。大人になり切れない男。そして感受性が強く、正直な男。この男を救うには破滅しかなかったのだろうか。
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野暮と粋

2018-05-01 16:25:20 | Weblog
☆ ふと「粋」って何だろうと思い、「山本一力が語る池波正太郎」(角川文庫)を読んだ。

☆ かつてNHK教育テレビ「私のこだわり人物伝」で放送されたものに加筆されたものだ。

☆ 池波正太郎の人物伝を語りながら、山本一力さんの生い立ちも垣間見える。池波正太郎との出会い、池波作品の面白さ、そして「野暮と粋」の違いについて書かれていた。

☆ 「鬼平犯科帳」「剣客商売」などの小説、「食卓の情景」「男の作法」などのエッセイ。池波作品は多くを数えるが読んでみたくなった。白だ黒だと割り切らない「融通」の中に人情が花開いた時代を覗いてみたくなった。粋な男に会いたくなった。
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「精霊の守り人」

2018-05-01 15:01:33 | Weblog
☆ 生徒に勧められてアニメ「精霊の守り人」(原作は上橋菜穂子さん)の第1話を観た。壮大なファンタジーだという。

☆ 中国の西域を思わせるような王国が舞台。今は用心棒稼業をしているバルサという女性が川に落ちた皇子を救ったことから物語が始まる。お礼ということで宮中に招かれたバルサ、深夜、妃と皇子が人目を忍んで訪れる。皇子を宮中から連れ出し、彼の命を守ってくれというのだ。

☆ なぜ皇子は命を狙われるのか。そこには目に見える世界と目には見えない世界との大きなドラマが待っているようだ。全部で26話。コツコツ見ていこうと思う。
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