じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

映画「凍える牙」

2020-04-29 14:29:02 | Weblog
★ 映画「凍える牙」(2012年)を観た。

★ 連続殺人事件。どうやら狼犬が凶器として使われているらしい。出世欲の強いベテラン刑事(ソン・ガンホ)と新人の女性刑事(イ・ナヨン)が対立しながらも事件の真相に迫っていく。

★ 原作は乃南アサさん。原作はまだ読んでいないがさっそく読んでみたい。

★ まずは、狼犬(「疾風」という名前)の名演技。道路を駆ける姿はドラマ「家なき子」を思い出す。ソン・ガンホさんはいつもながらに存在感を発揮、それにイ・ナヨンさんの美しさだ。魅力的な目。夏目雅子さんを思い出す。
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半村良「愚者の街」

2020-04-26 18:50:50 | Weblog
★ 半村良さんの「雨やどり」(集英社文庫)から「愚者の街」を読んだ。

★ 夜の新宿、作者は駒井という人物に会った。高校時代の同級生で20余年ぶりの再会だった。思いがけない旧知との出会い、二人はあるバーへ。そして語られてゆく駒井の20年の物語。

★ 夜の飲み屋街で生きる人々の悲しくもあり、それでいてささやかな喜びを味わう術をもった人々の自負を感じさせる話。

★ 読者もついつい彼らの会話に参加させられてしまう。ビールでも水割りでも、ちょっとほろ酔い気分で読むのに良い作品だった。

★ 今は自粛して休業の街。酔いたい人々はどこを彷徨っているのやら。
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映画「国家が破産する日」

2020-04-26 16:17:47 | Weblog
★ 韓国映画「国家が破産する日」(2018年)を観た。見ごたえのある映画だった。

★ 1997年、経済成長を遂げ世界第11位の経済大国となった韓国、しかし通貨危機が迫っていた。

★ 国家の破産を予見した韓国銀行(韓国の中央銀行)の通貨政策チーム長はその危機を訴えるが、政権はむしろその危機を隠蔽しようとする。そうこうしている内に、連鎖する倒産、外国資本の引き上げ、格付け機関による格下げ、韓国経済は急激に悪化する。

★ 切羽詰まった韓国政府は国際通貨基金(IMF)の支援を求める。しかし、IMFが提示した条件は、韓国経済の自主性を大きく制約するものだった。そしてIMFの背後には市場開放を求めるアメリカ資本の影が・・・。

★ この危機は韓国にとって「黒船」だったのかもしれない。旧来の経営慣行が破綻し、構造改革が進む。この混乱の中で、うまく生き延びあるいは富を手にしたものと、没落してゆくもの。中流階層の崩壊があった。

★ 危機を迎えた韓国の姿はバブル後の日本経済にもあてはまりそうだ。少数の富めるものと多数の貧しい者。格差社会の広がりだ。

★ 財政再建が遠のく一方の日本。デフォルト、債務不履行、国家破産は決して他人ごとではない。
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三島由紀夫「真夏の死」

2020-04-25 18:25:07 | Weblog
★ NHKオンデマンド「BS1スペシャル」で「三島由紀夫×川端康成 運命の物語」(2019年)を観た。師弟ともいえるこの二人の天才、川端のノーベル賞受賞を機に疎遠になっていったという。小説に命を懸けたが故の嫉妬、悩み、そして二人はそれぞれの自決へと向かう。

★ このドキュメンタリーに刺激されて、三島由紀夫の「真夏の死」(新潮文庫)から表題作を読んだ。伊豆に海水浴に来た家族。母親の朝子とその3人の子ども。そして朝子の兄の妹。朝子より年上ながら、義理の妹になる。朝子は3人の子どもをその義妹に託し、束の間の昼寝をしていた。

★ 義妹は子どもたちを海岸で遊ばせていたが、その時悲劇が起こる。2人の幼子が波にさらわれ、それを助けようとした義妹は心臓マヒで倒れてしまう。一度に3人の家族を失った朝子とその家族。その後は、朝子の心情が綴られていく。

★ 以前に小此木啓吾さんの「対象喪失」(中公新書)を読んだことがある。その中で「悲哀の仕事」について述べられていた。「対象喪失は、どんなに人間があがいても、その対象を再生することができない」(196頁)「悲哀の仕事」は、「この対象とのかかわりを一つ一つ再現し、解決していく作業である」(156頁)という。

★ 私たちは日々、偶然性や不条理に直面している。仏教は四苦八苦を説くが、要を得ている。喪失からいかに再生するか。「真夏の死」もそのドラマなのかも知れない。

★ 何はともあれ、三島由紀夫の作品は、文章として美しい。早歩きではなく、じっくり味わって読みたい作家だ。
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下村敦史「算段」

2020-04-23 19:43:41 | Weblog
★ 神戸、横浜の次は京都の物語。下村敦史さんの「告白の余白」(幻冬舎文庫)から「算段」を読んだ。

★ 京都祇園で590年続いている老舗和菓子屋「京福堂」、そこの娘が和服姿で店を手伝うようになった。祖母、母から京女の心意気を指南されながら、目指すは葵祭の斎王代だという。

★ この「京福堂」で新作の盗作騒ぎが持ち上がった。店に出した和菓子と同じものが名前だけ変えて別の和菓子屋の店先で売られているという。その店の女将に釈明してもらおうと意気上がる店の人々。そのとき、新作を発案した職人が自分がアイデアを横流ししたと告白する。

★ 裏にはちょっとした事情があるのだが、それはさておき、この作品は京都弁を味わいたい。そして柔らかい言い回しの後ろにある「いけず」な想いを。

★ 京都の人間以外にはこの腹の読み合いを辛気臭く感じるのではなかろうか。長い間、日本の都として権力の趨勢を経験した町。今日の覇者も明日はどうなっているのやら。こうした歴史が町人の気質を育んだのかも知れない。


★ ところで京都の三大祭り、葵祭も祇園祭の山鉾巡行も今年は中止になった。五山の送り火や時代祭はどうなることやら。
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島田荘司「里美上京」

2020-04-22 19:32:07 | Weblog
★ 島田荘司さんの「最期のディナー」(文春文庫)から「里美上京」を読んだ。

★ 宮本輝さんの「夜桜」が神戸の街をイメージさせるなら、「里美上京」は横浜めぐりと言ったところだ。私は横浜を訪れたことがないので、「馬車通十番館」「山手十番館」などとても興味深く読んだ。

★ 島田さんと言えば御手洗シリーズが有名だという。私は読んだことがないので、これからチャレンジしてみたい。

★ 「里美上京」に事件らしきものは出てこない。謎と言えば里美という女子大生だ。話し手の石岡先生とはかつての「龍臥亭事件」で出会ったという。当時高校生だった彼女が広島の大学に進学の後、横浜の大学に編入してきたという設定になっている。(著者自身のあとがき参照)

★ 20歳以上も年下の女性とのデートはうらやましい限りだ。石岡先生もまんざらでもなさそうだ。石岡は彼女と20年前に同じ道を歩いた「良子」という女性をダブらせる。「あとがき」によると、彼女のことも別作品を読めばわかりそうだ。

★ そういう感じで、この作品は島田作品に誘っていく。

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宮本輝「夜桜」

2020-04-22 16:44:56 | Weblog
★ しばらく小説から遠ざかっていたが、また読み始めようと思った。いきなり長編はきついので、当分は短い作品を中心に。

★ 宮本輝さんの「幻の光」(新潮文庫)から、「夜桜」を読んだ。神戸近郊の山の手に住む50歳代の女性が主人公。

★ 神戸近郊の山の手というとリッチな感じがする。確かに南を向けば海、北を向けば六甲の山並みが見える。それに彼女の住む家の庭には見事な桜が咲き、隣家の灯りが良いライトアップになっているという。

★ そんな屋敷に住む彼女だが、家族には恵まれなかったようだ。夫の浮気が原因で、20年前に離婚。幼い子どもを育て上げたが、その子が事故で急死してしまう。

★ そんな彼女の屋敷を一人の青年が訪れる。一夜で良いから下宿させてほしいというのだ。

★ そのあといろいろあって、彼女は新たな歩みを始める決心がついたようだ。

★ 彼女が桜を見上げてもらした一言。「ああ、これなのか」。それが何なのかを考えながら、桜花の艶めかしさを想像してみた。
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映画「暗殺」

2020-04-22 16:02:55 | Weblog
★ 映画「暗殺」(2015年)を観た。

★ 1930年代、日本統治下の韓国が舞台。韓国の独立を目指す人々が、総督府の要人や日本に追従する親日派を暗殺するという話。韓国映画だけあって、日本政府(日本軍)は悪者扱いだが、それはさておいて、アクション映画として面白かった。

★ 独立軍の狙撃手役はチョン・ジヒョンさん。「猟奇的な彼女」のヒロインだ。

★ カネで暗殺を請け負う「ハワイ・ピストル」という男。彼を「若旦那」と呼ぶ「爺や」役が個性的で面白い。

★ 独立軍に与する「速射砲」という男、「爆弾職人」という男。この二人のコミカルなやり取りも良い感じだ。

★ シリアスな内容だが、暗くないところが良い。韓国の俳優が日本人役を演じているので、彼らの日本語がちょっと気になるが、仕方のないことか。後半ちょっと出てきた電話交換手の日本語はきれいだった。日本の役者の声だろうか。

★ 裏切りあり策略あり、フィクションならではのドンパチありで楽しめた。
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ドラマ「美食探偵 明智五郎」

2020-04-20 16:36:17 | Weblog
★ ドラマ「美食探偵 明智五郎」(2020年)を観た。

★ 昨日、第2話が放映されたようだが、まずはhuluの見逃し配信で第1話を観た。御馳走が登場するので、この番組を見ながら昼食を食べると、スーパーの弁当もちょっぴり豪華な気がした。

★ 私立探偵、明智五郎が手作りお弁当屋の小林苺と事件を解決していく展開。明智五郎役に中村倫也さん、小林苺役には小芝風花さん。どちらも良い感じが出ている。それに声が良い。私は個人的には桃子役の富田望生さんが好きだ。ポッチャリ系が好み。

★ 小池栄子さんが演じる「マグダラのマリア」が作品の柱になっていきそうだが、推理と料理という組み合わせが「悪くない」仕上がりになっている。
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ドラマ「ふたりっ子」

2020-04-19 20:32:24 | Weblog
★ NHKの朝ドラ(連続テレビ小説)から「ふたりっ子」(1996年~97年)総集編の第1話を観た。

★ 大阪下町の豆腐屋に生まれ育った双子の姉妹の成長物語。何と言っても小学生時代を演じた三倉佳奈さん、茉奈さんが可愛い。ピンクレディやキャンディーズを歌って踊るところなど最高。小坂明子さんの「あなた」もなつかしい。

★ 性格が全く違う姉の麗子と妹の香子。麗子はお嬢様にあこがれ(母親は芦屋の出身)、香子は男の子のようで、賭け将棋を生業とする「銀じい」と親しくなり棋士をめざす。

★ 二人の行く末には様々な困難が待ち受けているのだが、第一話は明るく描かれていた。

★ 香子を対局で破った森山棋士は内野聖陽さんではないか。こうした発見にも感動した。

★ 一時期低迷していた朝ドラもこの作品あたりから復活の兆し。国民的ドラマ「おしん」(視聴率は60%を超えていたとか)ぐらいは知っているが、今放映中の「エール」で102作だという。小学生の時に聴いた「おはなはん」(第6作目)のテーマソングも懐かしい。

★ 「ふたりっ子」のテーマソング、NOKKOさんの「ナチュラル」も好きだ。

★ 「stay home」の時代、他の作品も観てみよう。
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