今年もまたフレディ・マーキュリーの命日が巡ってきた。あれから15年。その間、予想に反して(笑)、クイーンそしてフレディのファンは減るどころか日を追うごとに増え続け、その評価も高まるばかり。CDは現役バンドの如く売れ続け(イギリス国内で最も売れたアルバムとしてクイーンの『グレイテスト・ヒッツ』が認定されたそうな。ビートルズを抑えての偉業である)、クイーン(フレディ)を題材にしたミュージカルやバレエが上演され、各地で開催される追悼イベントやファンの集いには多くの人がつめかけ、コピーバンドやソックリさんが多数登場し、元メンバーのブライアンとロジャーは休む間もなくクイーンとしての活動を続けている。多くのファンに愛され、多数の若手ミュージシャンたちからトリビュートとリスペクトを受け、クイーンの名前と音楽は、時代を超えたエバーグリーンとなった。本当に予想もしなかったことだ(笑) 何故、クイーンがこれだけ多くの人を魅了し、影響を与えているのだろうか。正直言って分からん。30年ファンをやっている僕だって分からない(爆) 言えるのは、“クイーンが好きだ”ただそれだけ。きっと、皆も同じだろう。
という訳で(?)、すっかりお馴染みとなった、京都のライブスポットRAGで開催される「A Night At RAG Queen & Freddie Mercury Tribute Live」の季節が、またやってきたのである。今年で5年連続5回目。毎回たくさんの人が足を運んでくれて、本当に有り難い事だ。そして、クイーンの根強い人気を実感する。それぞれに趣向を凝らしたトリビュート・バンドたちの熱演も、毎回楽しみだ。今年は、どんなバンドが登場して、どんなパフォーマンスを見せてくれるのだろう。
僕も2002年の第一回に観客として参加し、2回から4回つまり去年まで3年連続で出演させて貰っていたが、今回は出演を辞退し、観客として参加する予定だった。辞退した理由は色々とあるが、それはどうでもいいことなのであって(笑)、とにかく客席でビール飲みながら、皆さんの熱演を楽しむだけのつもりだったのだ。けど、2週間程前に急遽一曲だけ、ドラムを叩く事が決まった。なので、今年は観客でありながら、ちょこっと舞台にも上がる、というやや複雑な立場となったのである(笑)
てな訳で、ライブ当日の11月25日、おそらく紅葉狩りに行くのだと思われる人ですし詰め状態の京阪電車に揺られて、僕は京都へ向かった。昼過ぎにはRAGに到着。一曲だけでもリハは必要だ。で、リハが終わると、一旦外へ出て当日精算券で入場すると、まんまとステージ正面のテーブル席をゲットし、開演を待っていたのであった。
ま、詳細については、出演者の皆さん他のブログで見る事が出来るという思うので(笑)、この先は、個人的に感じた事をうだうだと書き連ねていくことにする。
今回のプログラムは、4バンド(六合 with Jazz、DQ2、RATTLESNAKE SHAKE、Brenda and Her Majesty)のライブ+選抜メンバーによる『オペラ座の夜』全曲演奏+様々な人が入り乱れてのファイナル・セクション、となっていて、若手注目株No.1ギタリストの安達久美氏をゲストに迎えたコーナーもあり、見る前から非常に楽しみだった。なるべく事前情報は耳に入れないように、と関係者のブログやイベント公式サイト等は覗かないようにしていたくらいだ(笑) もちろん、始まってみれば全てが期待通り。ゲストの安達久美氏はテクニックもさることながら、実に迫力あるプレイが凄かった。来年メジャーデビューするそうなので、皆さん是非チェックとしといて下さいよ(笑)
目玉である『オペラ座の夜』全曲演奏は、実に見事だった。個人的には、曲を再現するのはもちろん、アルバムとしての流れを断ち切らないように進行していたのが素晴らしいと思う。
僕が参加したのは、最後のファイナル・セクションなので、出番までの約3時間、ずっと客席で見ていた訳だが、去年までのように出演者として見ている時とは、やはり違う。なんというか、ちょっと冷静だったのだ(笑) そういえば、やはり客として見ていた第一回の時もそうだったかもしれない。出演者の場合だと、自分らの出番以外は盛り上げ役だ、という意識もあったし、何よりも本番前という事でミョーにハイになっていたりして(笑)、ライブが始まると、ホールの後ろの方で歌ったり踊ったり(爆)と、端からテンション高かったけど、見る立場になると、じっくりと演奏を聴こう、という気になってしまう。もちろん、冷静に聴いてはいても、皆さん熱演だし、唸らされる選曲もあったりして、少し経つとのめり込んでしまって、終わる頃には我を忘れてたりしたんだけど(笑)。でも、ファンの為のイベントであり、盛り上がるのは間違いないとはいえ、出演する以上は、一夜限りのバンドであっても、しっかりとしたコンセプトのもとに入念にリハを行い、その演奏や選曲・構成などできっちりと個性を打ち出していかなければ、という至極当たり前の事を改めて強く感じた(決して、我々が去年までいい加減だったとは思わないが、聴いてる方はそう感じたかもしれない、という自戒を込めて)。断るまでもないけど、この日出演した4バンドは、皆そこいらはクリアしていた。これは、あくまでも去年までの自分たちを振り返っての感想なので、決してダメ出しをするつもりはない、というかその必要のない演奏だったので、どうかお気になさらずに(笑)
あと、気になったのは演目である。このイベントも前述したように今年で5回目、毎回同じ事ばかりやってる訳にはいかないから、徐々に選曲がマニアックになる傾向がある。ラストで必ず演奏される(というか、演奏しない訳にはいかない)「We Will Rock You」「We Are The Champions」を除くと、有名なヒット曲だけど一度も演奏されず、今回初お目見えとなったのは「Killer Queen」「Bicycle Race」くらいではなかろうか。シングルではないがファンにはお馴染みの曲としては「Brighton Rock」「In The Lap Of The Gods(これはお初ではない)」があったけど、その他ははっきり言って、かなりマニアックというかシブめの選曲が目立った。『オペラ座の夜』の曲は別として。確かに、そういうのも悪くはないし、コアなファンにとっては楽しみでもある訳で(正直言うと、僕が演奏する側だとしても、マニアックな曲を選ぶだろう)、いい事ではあるけれど、反面観客が合唱できるタイプの曲は少なかったと思うし、それを不満に思う人もいるかもしれない。もっとも、マニアな曲でも一緒に口ずさんでしまうファンも多いイベントであるので、気にしなくてもいいのと思うが(笑) 王道と裏名曲とのバランスをどうとるか、オーソドックスにいくかアバンギャルドに迫るか、完全再現を目指すのか独自の解釈を加えていくのか、来年以降も関係者の頭を悩ますことになりそうだ。
と、ああだこうだ言ってるけど、ずっと見ていて、やはり自分も演奏したい、という気持になってしまったのは事実だ。その点では、最後近くに一曲とはいえ演奏出来てよかった(笑) 声をかけてくれた、今回のプロデューサーであるsinくんに深く感謝するものである。ま、なんだかんだ言っても美味しい所だけ持っていったなぁ、とJ○nさんややっ○んには言われたけど(爆)
という訳で(??)、今年のA Night At RAGも大盛況のうちに幕を閉じた。関係者の皆さん、お疲れさまでした。今や、日本中にその名を知られるイベントだけに、来年以降も手を変え品を変えて続いていってくれる事を願ってやまない。
個人的には、色々な人に会えたおかげで、イベントとは全く関係ないバンドやライブ、セッションなどの打ち合わせも出来て、とても有意義な夜だった(爆)
最後に、初の試み。
ドラムセットの位置からRAGの客席を撮ってみたんだけど、何が何だか分からんな、これじゃ(爆)