伊東家のデスク

オタクの備忘録など

太陽の牙ダグラム

2022-05-04 19:09:04 | 感想文
 81~83年。
 植民地惑星における独立戦争をテーマとしたロボットアニメである。
 全75話という長丁場ながらも、中々テンポよく見れる作劇は見ていて安心感さえあって、意外とすんなり見れる。
 ゲリラ「太陽の牙」の面々をはじめ、それぞれが確かな信念をもって突き進んでいく物語は、苦みの強いビターエンド、いやもっと言えばバッドエンドであっても満足感はしっかり得られる。
 とはいえ、その中にあって信のなかったラコックが単に自分の蒔いた種で死んでしまうのは、もう少し頑張れたのではないかと思う。このあたり、最後の最後でサマリン博士(と、ドナン・カシム)に長々と大人の責務を果たさせてしまったのを見ても、スタッフ側で我慢しきれなかったのだろうという風に映ってしまい、その自負自体はまぁ置いておくとして、もう少しエンタメとしての『ダグラム』を見せても悪くはなかったのではないか。
 ロボットアクションとしての『ダグラム』は少々、いやかなり弱い。ところどころいいな、と思える瞬間はあるのだが、最終的にはなんだかなぁで終わってしまう。歩兵が強すぎるのはいい。そのあたりは問題ではない。全体的に真面目にロボットアクション作るんだ、という気概をあまり感じられないのだ。これは大きな弱点である。コンバットアーマーの描き方自体は悪くないのだが。強敵24部隊の倒し方など、他にいくらでも方法があっただろうに。Xネブラ対応高性能コンバットアーマーダグラムならではの作戦と泥臭くも迫力のあるロボットアクションが、私は見たかった。
 全体的には充分良作の部類だと思うので、長いのはちょっと…と思わずに見てみることをおすすめする。