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哀愁味ある曲を激しく演奏し冷たく録音した

2010-05-27 17:24:50 | 音盤ノート
Kenny Wheeler "Double, Double You" ECM, 1983.

  モード系のジャズで、トランペットまたはフリューゲルホーン(Wheeler)、テナーサックス(Michael Brecker)、 ピアノ(John Taylor), ベース(Dave Holland)、ドラム(Jack DeJohnette)のクインテット編成。Wheelerのアルバムは演奏もさることながら、“オリジナル曲を聴く”という楽しみ方もある。彼の作る独特の哀愁感を湛えるメロディーは美しい。しかしながら、DejohnetteとBreckerという名手を揃えたこのアルバムは、ソロを聴くべきオーソドックスなジャズアルバムとなっている。

  BreckerとDeJohnetteはいつも通り冴えており、Hollandも巧いが何が魅力的なのか僕にはわからないのがいつもどおり。ただ、John Taylorはこのメンツの中では十分活きていないような気がする。四曲目でやっと彼らしいソロを聴かせるが、他の曲では品の良いピアノを聴かせるだけに終わっている。その点は不満だが、御大Wheelerに関しては曲・ソロともに素晴らしく、全体としてはかなり優れた作品である。

  繰り返すようにWheelerの作品の中ではオーソドックスなジャズ・アルバムであり、彼を初めて聴く人には良いのではないだろうか。
  
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