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未聴にかこつけたRVG盤への愚痴

2009-03-02 13:20:19 | 音盤ノート
Wayne Shorter "The Soothsayer" blue note, rec.1965.

  Shorterのブルーノート時代のリーダー作で、3管とピアノ+ドラム+ベースの6人編成。昨年こっそりと(?)リマスタリングされた盤が発売されていたようだが、そちらは未聴。僕の持っている盤は1990年発行の輸入盤CDである。

  曲のクオリティにはかなりばらつきがある。最初の"Lost"は呪いをかけるような旋律が印象的な名曲で、後のWeather Reportでも演奏されている。僕が初めてこのアルバムを入手したときは、"Lost"の魅力が強烈すぎてこの曲ばかりリピートして聴いていた。加えて、ミディアムテンポの"The Big Push"のソロも聴かせる。この二曲と最後のシベリウスの曲を除けば、あとの三曲はShorterにしては平凡かもしれない。

  個人的に、ブルーノートのリマスタリング盤(いわゆる"RVG edition")は何枚か持っているが、それ以前の盤と聴き比べても魅力を感じないことが多い。世評では「低音がクリアになった」との評価がある。僕は、Miles Davisのコロンビア盤のリマスタリングでRon Carterの創るラインがはっきり聴こえたことに感動を覚えたクチだが、RVG盤ではそんな経験をしたことがない。ブルーノートは管楽器をクリアに録ることに命をかけているようなレーベルなので、もともとの録音段階で低音が弱くて音量が小さいのだ。そういうわけで、リマスタリングでも管楽器がうるさすぎるという印象は変わらない。ECMのような録音バランスに慣れた耳には、率直に言って古臭い音であり、リマスタリングしてもどうにも改善されなかったという感想の方が強い。

  それでも将来このアルバムのRVG盤を入手することになるんだろう。それが音楽ファンというものだ。そして後悔することになるんだろうな。
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