Terry Riley "In C" Columbia, 1968.
現代音楽。作曲は1964年。ミニマル・ミュージックというジャンルにおける初期の代表作である。数人から数十人のアンサンブルを組み、奏者毎に、53の断片的旋律を順番通り、かつ好きな回数だけ繰り返しつつ進めてゆくという曲。説明だけ聞くと小難しい印象を受けるが、曲は親しみやすく受け容れやすいものである、当時の「現代音楽」と比べれば、の話だが。ちなみに、2009年にリマスター盤が発表されている。
現在まで30ほどある録音(wikipedia: In C参照)のうち、この録音はその最初のものである。ライリー自身をリーダーとして、他はニューヨーク州バッファロー市にある団体の演奏家(学生なのか?)のようで、トランペットにはJon Hassell(参考)の名もある。楽器はヴィブラフォン、マリンバ、ピアノといった旋律打楽器とバスーン、トロンボーン、サックス、クラリネット、オーボエ、フルート等の管楽器、あとヴィオラが使われている。1960年代のヒッピー的な脳天気さで始まり、途中船酔いをを起こすようなゆらぎがあるものの、脳内で星が明滅するようなドラッグ的感覚は一貫している。演奏時間は42分と長めだが、カオス感は適度である──いくつかの録音はこれを欠如させていたり、あるいは過剰だったりする。
ちなみにこの曲の日本初演は1970年8月の大阪万博である。鉄鋼館における企画として、Lukas Fossを指揮者として、武満徹と高橋アキを含めた何名かで演奏が行われたようだ。当時ライリーがフォスのもとで師事していたこともあって採りあげられたのだろう。録音は残ってないのだろうか。
同じ年にこのColumbia盤も日本盤が発行されている。作曲家・松平頼暁のエッセイ 『音楽=振動する建築』によれば“大変な人気で、伝手を求めて寄贈盤をえようとする人が多かったという。もっとも市場で売れた枚数が、寄贈盤として出て行った枚数とほぼ同じ程度だった、という噂もあったそうだが、真偽は明らかではない”。つまり金を払って買う者はいなかったということか。
現代音楽。作曲は1964年。ミニマル・ミュージックというジャンルにおける初期の代表作である。数人から数十人のアンサンブルを組み、奏者毎に、53の断片的旋律を順番通り、かつ好きな回数だけ繰り返しつつ進めてゆくという曲。説明だけ聞くと小難しい印象を受けるが、曲は親しみやすく受け容れやすいものである、当時の「現代音楽」と比べれば、の話だが。ちなみに、2009年にリマスター盤が発表されている。
現在まで30ほどある録音(wikipedia: In C参照)のうち、この録音はその最初のものである。ライリー自身をリーダーとして、他はニューヨーク州バッファロー市にある団体の演奏家(学生なのか?)のようで、トランペットにはJon Hassell(参考)の名もある。楽器はヴィブラフォン、マリンバ、ピアノといった旋律打楽器とバスーン、トロンボーン、サックス、クラリネット、オーボエ、フルート等の管楽器、あとヴィオラが使われている。1960年代のヒッピー的な脳天気さで始まり、途中船酔いをを起こすようなゆらぎがあるものの、脳内で星が明滅するようなドラッグ的感覚は一貫している。演奏時間は42分と長めだが、カオス感は適度である──いくつかの録音はこれを欠如させていたり、あるいは過剰だったりする。
ちなみにこの曲の日本初演は1970年8月の大阪万博である。鉄鋼館における企画として、Lukas Fossを指揮者として、武満徹と高橋アキを含めた何名かで演奏が行われたようだ。当時ライリーがフォスのもとで師事していたこともあって採りあげられたのだろう。録音は残ってないのだろうか。
同じ年にこのColumbia盤も日本盤が発行されている。作曲家・松平頼暁のエッセイ 『音楽=振動する建築』によれば“大変な人気で、伝手を求めて寄贈盤をえようとする人が多かったという。もっとも市場で売れた枚数が、寄贈盤として出て行った枚数とほぼ同じ程度だった、という噂もあったそうだが、真偽は明らかではない”。つまり金を払って買う者はいなかったということか。