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無邪気な少年たちによる純粋培養のネオアコ

2014-10-24 15:07:26 | 音盤ノート
The Deddingtons "The Deddingtons" Cloudberry, 2012.

  ロック。ネオアコ/ギタポのカテゴリの真ん中に収まる音である。ボーカルは非常に柔和で、男臭さは感じさせない。かといって女性的というわけでもなく、「少年」的と形容するほかない。ギターもエフェクトをかけずに、綺麗にコードストロークやアルペジオを聴かせる。攻撃性はゼロ。またスミスのような屈折感がなく、C86の連中のようにヘロヘロしていない。汚れを知らない真っ直ぐなギターポップで、異性を知る前の無邪気な少年たちの姿が思い浮かぶ。聴き手の郷愁を誘う好演である。

  20年前の宅録インディーズ作品ということになるが、音質にはまったく問題が無い。録音はDATで8トラック使って行われたらしく、ギターとボーカルがオーバーダブされ、曲によってはリコーダーやチェロも加えられている。一曲だけキュアーのような曲(track.4)があるが、それだけ異色。他の曲の感触はスミスの"William, It Was Really Nothing"(参考)に近い。歌いまわしもモリッシーみたいになることがしばしば。冒頭の'Who I Want to Be'(メンバーのインタビューでは曲名が'Naively'とされている1))の下敷きも、キュアー('Just Like Heaven')であることは明らかだが、きちんとスミス風に処理されている。

  バンドのプロフィールは明らかでなく、謎だらけである。1990年代前半に英国ノッティンガムで短期間活動してすぐ解散したとのことだが、収録曲の録音年の記述がまったく無し。シングルすら発表された形跡が無く、最初にこのバンドを発掘してきた"The Sound of Leamington Spa Vol. 3"のコンパイラーはいったいどうやって音源を入手したのか。また録音状態が良すぎるし、楽曲の完成度も素人にしては高い。録音年を明記しなかったのは後から手を加えたからではないか?そもそもバンドが本当に存在したのか?YoutubeのPVで見られる少年たちはダミーだろ?といろいろ勘ぐってしまうほどのクオリティである。廃盤状態なのがもったいない。

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1) The Deddingtons Interview With Chris Morgan and Chris King / Tending The Pale Bloom
  http://palebloomsandbeyond.wordpress.com/2011/04/04/the-deddingtons-interview-with-chris-morgan-and-chris-king/
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