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一曲目だけが猛烈に恰好良いが、後が続かない

2011-08-01 09:34:39 | 音盤ノート
David Liebman "Sweet Hands" Horizon, 1975.

  ジャズ。リーブマンをリーダーとする"Lookout Farm"四重奏団+ギター+打楽器隊による三作目(参考:一作目/二作目)。ただし参加している打楽器奏者は、曲毎に2-3人であり、以前と比べて大幅に減っている。二曲でCharlie Haden (bass)も参加している。レコードはA&M傘下のHorizonという当時の新興レーベルから発表されているが、このアルバムも含めてリーブマンがそこで録音した三作品はいずれもCD化されていない。

  収録曲は全7曲。サックスと蓮と仏像の写真で構成されたアルバムジャケットや、シタールまたはタブラを使った曲が四曲、そのうち一曲はインドにかぶれていた頃のジョージ・ハリソンによるビートルズの"Within you Without You"(B2)であり、トータルでサイケデリック・ロック色を打ち出そうとしていることがわかる。だが、瞑想感を持たせようとしたせいなのか、リーブマンの演奏は慎重すぎる印象で、あまり盛り上がらない。

  一方で、テンポの速い次の二曲だけは素晴らしい。B4のオリジナル"Napanoch"はLookout FarmカルテットにDon Aliasがコンガで加わる曲だが、リーブマンが気持ちよくテナーを吹いている。だが、最も良いのはB1のオリジナル"Dr.Faustus"。カルテットに、John Abercrombie (guitar) とDon Alias (percussion) を加えた編成。速い/遅いを繰り返すファンク的な伴奏の上を、ソプラノサックス、エレクトリック・ピアノ(Beirach)、エレクトリック・ギターが次々と鋭角的なソロを披露とするもの。演奏のキレは素晴らしく、この一曲だけも聴く価値があるだろう。
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