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牧歌的な装いの裏に狂気を秘めつつ、かすかな叙情もある

2012-03-28 13:30:00 | 音盤ノート
Gary Peacock / Bill Frisell "Just So Happens" Postcards, 1994.

  ジャズ。ベースとギターのデュオ。収録は、2人の共作が5曲、ピーコック作2曲、‘峠の我が家’‘赤い河の谷間’などトラディショナル3曲、‘Good Morning Heartache’のスタンダード一曲という内容。徳間からジャケットを変えた日本盤(邦題『峠の我が家』)も発売されていた。

  ピーコックのベースは深い音色でさまざまなことを試み、肝心なところではメロディラインのツボを突いてくる。フリゼルのギターは、カントリー音楽的穏やかで緊張感は無いのだが、隙間の多い演奏でどこか壊れている。通常のフリゼルよりずっと実験的である。それでいて、全体としてかすかな叙情を漂わており、親しみやすさがある。

  インパクトのある作品ではない。しかし、牧歌的なようでありながら奇妙にねじれた世界が魅力的で、ごくたまに聴きかえしたくなる作品である。
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