ダークフォース続き(仮)新規 Twitterは@14ayakosan です

ダークフォースDFと続きに仮セカンド。Twitterは @14ayakosan 新規とDF追加再編です

ダークフォース 第三章 中編 Ⅴ

2010年08月09日 20時33分59秒 | ダークフォース 第三章 中編(仮)
    Ⅴ

 ヤマモトは、ウィルローゼと名乗る女性が着ている、
 その赤いドレスに見覚えがあった。

 それは、レトレアの薔薇姫と謳われたバルマードの妃、
レイラ王妃の物である。

 彼女、ウィルローゼの姿を見て、さすがのヤマモトも困惑した。
 確かにウィルハルトと同一の人物なのだろうが、
 その姿はまったくの別人である。

 顔立ちも、髪も、瞳の色も、そして背格好もまるで違う。

 彼女が『ウィルハルト』の名前を出さなかったら、
 本当に区別がつかなかったろう。

 そのウィルローゼは、玉座の上から二人の侵入者の様子を伺っている。
 まるで品定めでもするような、尊大でいやらしい目付きだ。

 ヤマモトは、問う。

「ほ、本当にウィルちゃんなのか?」

 ウィルローゼは軽く頷くと、
 ちょっと考えるような仕草を見せて、ヤマモトにこう答えた。

「そう言えば、確かに私も『ウィル』ちゃんで間違いないわね。
 但し、私はウィルハルトを厄介に思っているから、
 そう呼ばれるのは、あまり好まないわ。

 どうして、お父様は私に別の名前をつけてくれなかったのかしら。
 『ローゼ』は良いのだけれど、
 『ウィル』まではいらない気がするわ。」

 ウィルローゼはそう言うと、玉座の腕木に頬杖を付いた。

 今度はウィルローゼが質問する。

「ところで、あなたたちはここに何をしに来たの?
 どうせ、ウィルハルトの知り合いか何かなのでしょうけど。

 とりあえず、聞いてみてるだけだから、
 まあ、答えなくても別に構わないわ。」

 エストは彼女が、
 あのウィルハルトであることが信じられなかった。
 だが、状況から見て、そうである事は間違いなさそうだ。

 エストは、彼女に向かって言った。

「わ、私は、エストです。
 別に、やましい気持ちでここに来たわけではありません。
 そこのオッサンは、やましいですが!!

 ・・・まさか『女の子』の日って、
 本当に女の子になってるだなんて。

 あ、いえ、何でもないです!!」

「ウフフ・・・、
 正直で良さそうな娘だこと。
 なるほど、ではそちらの黒メガネのおじさんが、
 やましい人、というわけね。」

「やましくなんかあるかーーーーッ!!」

 ヤマモトは絶叫して、エストの頭をバシッっと叩いた!!

 エストもヤマモトを叩き返してやろうとするが、
 ヤマモトはそれを素早くかわす。

 ウィルローゼは、クスクスと笑いながら二人にこう言った。

「大体、経緯はわかったわ。
 ウフフ、・・・女の子の、日ね。

 つまり、あなたたちは、私の前で漫才をやりに来たわけね。
 エストさんと、やましい人。」

「ワシの名は、ヤマモトじゃい!!
 やましい人とか言われると、微妙に傷付く年頃じゃからの、
 せめて、名前で呼んでおくれ。」

 そこは譲れないといった感じのヤマモトであった。
 この時、ヤマモトは、
 玉座の上で女王を気取るウィルローゼの、
 その力を冷静に分析していた。

 エストは気付いてもいないが、
 そのプラチナの髪を持つ絶世の美姫は、
 このヤマモトにすら気取られる事無く、
 そこに姿を現したのだ。

 多少、ヤマモトが油断をしていたからといって、
 まんまと部屋に閉じ込められ、
 ここまで後れを取るとはまずあり得ない。

 ヤマモトが強くそれを意識したことは、彼女にも伝わったようで、
 ウィルローゼの次の言葉に、ヤマモトは愕然とする。

「あら、怖い。
 そんなに身構えなくても、よろしいのに。」

 その一言で、ヤマモトは激しくそれを理解する。

 目の前に居るのは、ただ華やかに咲く花などではない。
 身震いするほど底知れぬ実力を持つ、真の王者なのだと。

 彼女は、強い。

 ヤマモトがそれを計りきれない程に!!

 丸腰のヤマモトが今、
 彼女、ウィルローゼに本気になられたら、
 まず、勝ち目は無い。

 ヤマモトは、何故、バルマードが彼女ウィルローゼを封じ込め、
 ウィルハルトとしての人生を選ばせようとしたのか、ようやく理解した。

 制御し得ない力は、暴走しているのと同じである。

 彼女、ウィルローゼはその生まれ持った力を、
 おそらく御しえていない。

 故に、月に一度程度しかその姿を顕現出来ないのだ。

 これを常時、維持出来るように彼女が成長すれば、
 その神の如き美貌と強さを併せ持つ存在になれるであろう。

 ヤマモトは、正直、そこにはそそられた。

 しかし、今の状態では、
 彼女の暴走はヤマモトでも止められない。
 彼は、二本の伝家の宝刀を持ち合わせてはいないのだ。

(オメガと第六天魔王があれば、というのは言い訳じゃな。
 『守りの壁』の発動を感じる・・・。
 転送したくとも、
 これではまず阻止されるからのう。)

 ヤマモトはその美しき、
 『天使』とも呼べる彼女に対する興味を一層強めたが、

 触らぬ神に祟りなしの方向で、
 長いものには巻かれる戦法を決め込んだ。

 ウィルローゼは、
 そのヤマモトを見て、残念そうにこう言った。

「とぉーーーっても強い戦士、
 ヤマモトさんと戦ってみたいと思っていたけれど、

 それじゃ、エストさんが可愛そうだからやめておくわ。
 エストさんじゃ、ここにいるだけで消えてしまいそうだから。」

「え、消えるって!?」

 エストには、ウィルローゼの言葉の意味が理解できなかった。

 ヤマモトは苦笑いをしながら、エストの頭を撫でると、
 知らないほうがいい事もあると教えた。

 確かにそれを知るには、エストは実力不足だ。

「しかし、ウィルローゼよ。
 それだけの力があれば、外の閂など意味はないじゃろうし、
 何故、ここでおとなしくなっておるのかのぅ?」

 そう問うヤマモトに、
 ウィルローゼは口元を少しだけ緩ませてこう答えた。

「それは、ひとえに、
 お父様への愛の成せることですわ。」

「何やら、えらくバルマードの事を、
 高く買っとるよーな口ぶりじゃの。」

 話がバルマードの事に及ぶと
、ウィルローゼは何やら楽しげな素振りだ。

 高飛車だった態度も、少しだけ柔らかくなった感じに見て取れる。

「それはもう、世界の何よりも
 お父様を愛しております。

 私の力が及ばぬばかりに、
 長く、ウィルローゼであることが叶わず、

 ヘラヘラとお父様の側にいるウィルハルトなど、
 いっそ消し去ってやりたいのですが、

 お父様の愛は深いのです。
 お父様を悲しませる事になるのなら、
 ウィルハルトの存在を認める事など、大した痛みではありませんわ。」

「そ、そんなに、バルマードが良いの、かの?」

 熱く語り始めたウィルローゼに、
 ヤマモトもやや押され気味だ。

「将来の夢という言葉があるのは、ご存知?
 私にとってのそれは、

 お父様の『お嫁さん』になることなのです。

 一言で言えば、后ですが、
 別に、正室であることにこだわりなどありません。

 お父様の愛を得られるのならば、順位など無意味です。」

 その言葉には、
 ヤマモトだけでなく、エストも困惑する。

 神々しいまでに美しい人(実の娘)が、堂々とそれを言う。
 さらには、エストに向かってこうも言った。

「あなたもそれを望むなら、私と共に尽くしましょう。」、と。

 エストは、
 早くウィルハルト王子に戻ってくださいと言ってやりたかったが、
 ヤマモトはエストの口を手で塞いで、その言葉を止めた。

 ウィルローゼは、
 娘を持つ父親が聞いたら泣いて喜びそうな(?)事を口にしているが、
 怒ると怖い人でもあるので、ヤマモトもそこは気を遣った。

 ヤマモトの彼女を見つめる視線は、
 いずれは『俺の嫁!!』であったが。

 そうこうしている内に、話はこの部屋の事にまで及んだ。

 ウィルローゼは、言った。
 ここは、確かに以前から存在していた通路であったが、
 それをバルマードが手を加え、美しく改修したのだという。

 母である王妃レイラを追っ手から逃がす目的で、
 現在の部屋が作られたのだが、
 そのレイラが、水の道しるべを必要としないでいいように、
 バルマードは、彼女をよくこの部屋へと連れて来ていた。

 そのレイラ自身は、
 この場所が王族用の逃げ道と知らずに部屋を訪れていたのだが、
 それは、バルマードなりの気遣いであった。

 バルマードは、その言い訳に、

「この部屋は、私の秘密の作戦会議の場所でね、
 だから、謁見の間を模して作らせたんだよ。」、と言うのだ。

 バルマードの言うように、
 確かに、この部屋には時折、
 屈強な戦士たちが出入りをしていたが、
 彼等は、その王妃を守る為に選ばれた、精鋭の戦士たちであった。

 だが、母の王妃レイラが他界した時から、
 この部屋はその意味をなくしたという。

 その追っ手こそ、
 主神『セバリオス』であり、
 バルマードは、全てをかけて王妃レイラを守り抜く覚悟であった。


 だからこそ、
 この部屋には父王バルマードの愛が注がれており、

 気に入っているのだと、
 ウィルローゼは言った。
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ダークフォース 第三章 中編 Ⅵ

2010年08月09日 20時33分28秒 | ダークフォース 第三章 中編(仮)
  Ⅵ

 豪華な飾りのほとんどは、
 後にウィルローゼによって施されたもので、
 部屋中が、贅沢に使われた金銀で煌めいている。

 その中にあって、玉座の主を気取るウィルローゼは、
 まさに、この部屋の太陽とも呼べるほどに、
 神々しいオーラと輝きを放っている。

 少し眩しいくらい煌めいているので、
 グラサン越しに見るのがちょうど良いくらいだ。

 エストは、目をパチパチと瞬きさせながら、
 ウィルローゼの姿に見惚れている。

 この時、ヤマモトは変化に気が付いた。

 部屋に入って初めて見た時よりも、
 彼女、ウィルローゼのその姿がより眩しいことに。

 察しの良いヤマモトに、ウィルローゼは微笑んで見せると、
 徐に、その玉座から立ち上がった。

 ボサッとその場に立っているエストに向かって、ヤマモトはこう放つ!

「やばいぞ、エスト嬢ちゃん!
 出せる全力で、己が身を守るのじゃ!!」

 エストは、ヤマモトの言葉の意味が分からなかったが、
 珍しく動揺する仕草を見せた彼のその姿に、
 さすがのエストも我に返ると、ヤマモトの指示に従った。

 その直後、エストはその意味を理解する。

 ウィルローゼは、言う。

「エストさんは、良い師をお持ちなようね。
 私は、その師匠さんが何者かは知らないのだけれど、
 とても強い人だとはわかっちゃうの。

 もしかしたら、お父様よりも強いのかしら、ね。」

 刹那、
 ウィルローゼの背後に二本の光の柱が、交差するように伸びた。

 光の柱は一瞬で消えたが、
 直後、ウィルローゼ自体が、神秘の光で包まれていく。

 それはエストが、かつて感じたこともないような、強大で圧倒的な力。

 ウィルローゼの表情は、
 次第に緩やかに、優しい表情へと変化していく。

「どうも、レイラお母様の話をしていたら、
 感傷的な気分になってしまったわ。

 そうね、お父様は、お母様のことが忘れられるわけ、ないわよね。

 このドレスを着ていたら、
 お父様が喜んでくれるとばかり、思っていたのだけれど、

 もしかすると、お母様の事を思い出させて、
 辛い思いをさせてしまっていたのかも知れない。

 だとしたら、私はとてもいけない子だわ。」

 ウィルローゼは、笑顔だ。慈愛に満ちた美しい顔をしている。

 しかし、その表情と反するように、彼女から黒いオーラが滲み出して来る。

 エストは、ウィルローゼから発せられる絶対的な圧力の前に、
 今にも潰されてしまいそうだった。

 戦士としての実力も高いエストが、
 床に膝を折ってしまうくらいの強力な圧力がかかっているにも関わらず、

 部屋の中の壁や、床、あらゆる調度品は、
 微かに揺れる事も無く、その場に平然と存在している。

 本来ならば、それらが木っ端微塵に吹き飛んでしまう程の、
 凄まじい力が室内には満ち満ちているというのに。

 ヤマモトは横目でエストの様子を見ると、
 ウィルローゼに向かってこう言った。

「なあ、ウィルローゼよ。
 ワシは、構わんのだが、エスト嬢ちゃんも、
 その守りの壁の中に入れてやってはくれんかのぅ。」

 ウィルローゼは、少しハッとした表情を見せると、
 天使のような微笑みを浮かべながら、ヤマモトにこう答えた。

「あら、私としたことが、
 エストさんを死なせてしまうところでしたわ。

 別に、それでも構わないような気もしますけど、
 それが、お父様を困らせることだとしたら、
 気をつけなくてはいけないことだわ。」

 次の瞬間、エストはその圧倒的な圧力から開放される。

 ガハ、ガハッ、と咳き込んで、エストは石畳の床に手を付いた。

 エストに、ダメージはない。

 それどころか、体中に活力さえみなぎって来る感じだ。

 エストはすぐに立ち上がった。
 あまりに心地の良い空気に我が身が包まれてゆくのを、
 エストは不思議な感覚で味わっていた。

 ウィルローゼが、一段高い場所にある玉座から、
 赤い絨毯の上を降りてくる。

 ウィルローゼの身長は、
 ウィルハルトより握り拳一つ分くらい低い。

 エストと、そこまでは変わらないくらいの背丈だ。

 ゆったりとある赤いドレスを着ている為、その体形は分かりにくいが、
 身体の線は細そうだ。
 胸元は窮屈そうな感じがする。

 立ち姿を見ると、
 まさにウィルハルトとは別人であることがハッキリとわかる。

 ヤマモトは、何食わぬ顔をしてウィルローゼと対峙しているが、
 視線を逸らすゆとりまでないというのが本音だった。

「バルマードが、お前さんを、
 とはいっても『ウィルハルト』の方じゃが、
 鍛えようともせん理由がわかったわい。

 まさか、これ程の力を秘めておるとはのぅ。
 使いこなせているかどうかは、別としてじゃが。」

「そうね、使った事はあまりないから、
 私も良くはわからないの。
 せっかくお父様から頂いた力ですもの。
 上手く使いこなせるとよいのだけれど。」

 ウィルローゼは、そう言ってヤマモトに微笑み返した。

 みえみえの愛想笑いだが、それは余裕の現れでもあると、
 ヤマモトは素直にそう感じた。

(手元に、得物が無いのはさすがに辛いのぅ。
 超が付くほど攻撃に特化したワシやバルマードが、
 いかに丸腰では非力ということかの現れじゃの。
 守るのは、苦手じゃからして・・・困ったものじゃわい。)

 ヤマモトが困っているのは、ウィルローゼにはわかっていた。
 人を困らせるのを楽しむ性格を、彼女がしているからだ。

 ウィルローゼのその金色に輝く瞳は飾りではない。
 ヤマモトのその実力と性質を見極めた上で、そのやり取りを楽しんでいる。

 簡単に言えば、ヤマモトが困るのが分かったから、戦いたくなった。
 おそらく、自分の予想を超える何かを見せてくれるであろうヤマモトに、
 ウィルローゼは、少しだけ背中がゾクゾクとしたのだ。

「前言撤回で、ごめんなさいね。
 私は、ヤマモトさんと少し遊んでみたくなったの。

 でも、これではとても公平とは言えないわね。
 木の枝さえ鋼の刃へと変えることが出来るヤマモトさんでも、

 今は、それすら持ちえてはいないのですから。」

 そう言うウィルローゼに、少し苦い顔をさせられるヤマモト。

 ウィルローゼは、オブジェとして立っている騎士の甲冑が手にする剣を見て、
 ヤマモトにこう言った。

「ウフフフフ・・・、
 ヤマモトさんに、こんな安物の剣を使えというのは失礼な気がしますわ。

 私だって、そんなヤマモトさんと一手交えても、
 つまらないと思いますし。

 では、これでどうでしょう?」

 ヤマモトは、次の瞬間、唖然とさせられる。

 ウィルローゼはその手に、長さの違う二本の剣を取り出したのだ。

「ヤマモトさんが欲しいのは、この立派な太刀かしら。
 それとも、お父様の剣にそっくりな、こちらの剣かしら?」

 それは、ヤマモトの剣、
 『斬刀・第六天魔王』と、『剣皇剣・オメガ』であった。

 さすがにこれには、ヤマモトも驚きを隠せなかった。
 自分しか持ち出せないハズの剣を、その手に差し出されたのだ。

 瞬間、ヤマモトは悟る。
 気を読まれ、その転送法則さえ容易に知られてしまったのだと。

 あり得ないことだが、事実としてそれを突きつけられては、
 もはや納得せざるを得ない。

 ウィルローゼは、楽しげに言った。

「それとも、両方かしら?」、と。

 やられっぱなしでは面白くないヤマモトは、
 堂々とこう放つ!!

「どうせ、お前さん、
 ワシに両方渡して、自分はその安物の剣を使うつもりじゃろう!

 ならば、一本貸してやるから、好きな方を選ぶといいぞぃ。」

 ウィルローゼは、
 ヤマモトに向かって、太刀の第六天魔王の方を放ると、
 彼女はウットリとした様子で、オメガの方を抜いた。

 ヤマモトは、第六天魔王を鞘から抜くと、
 左手に鞘を持ち、右手で第六天魔王を構える。

 ここは、ヤマモトの読み通りだ。

 父バルマードが持つその剣と瓜二つであるオメガを、
 ウィルローゼが選ぶ確立は高い。

 ヤマモトとしては、自分の戦闘スタイルをより生かす為には、
 攻撃的な太刀、第六天魔王の方が扱い易い。

 双方の剣を手にした方が、
 二刀流の達人であるヤマモトには当然有利だが、
 それは、ヤマモトの意地が許さない。

 ヤマモトとウィルローゼの間の距離は、およそ五メートル。

 リーチの長いヤマモトにとっては、この間合いはベストと言えた。

 ヤマモトは、居合いも得意としているが、
 剣への錬気を読まれぬよう、あえて刀身はさらけ出した。

「さて、ではやってみるかの。」

 抜刀直後に、一撃必殺の威力の剣気の錬成を終えたヤマモトは、
 ウィルローゼを挑発するように、
 鞘を持つ左手を真っ直ぐに突き出すと、
 背中の影になるように、太刀の剣先を後ろに構えた。

 ヤマモトは、超が付くほど攻撃的な戦士であるが、
 『ライトフォース』の名で呼ばれる、
 剣へと気を練るその術に、恐ろしく長けている。

 彼の、目にも留まらぬ高速攻撃は、
 その錬気の速さを無くしては成立しない。

 ヤマモトは、突き出したその鞘の長さで一撃の間合いを計っている。
 鞘と太刀の長さの差は、握りの部分の差程度だ。

 後ろに向かって太刀の切っ先を構えるのは、
 その僅かなリーチの差を知られない為である。

 両手持ちに適した太刀・第六天魔王は、握りの部分が長めに取ってある。
 ヤマモトは、その握りの最も下の部分を強く握り締めている。

 ウィルローゼは、只々、流れるように美しい刀身を持つオメガに、
 惚れ惚れとしている様子だ。

 角度によっては、白金にもクリスタルのようにも見える片刃のその芸術品に、
 ウィルローゼは、目を奪われている。

 その様子は、とても戦う姿勢には見えないし、隙だらけだ。

 そんなウィルローゼは、その金色の瞳にオメガの銀光の波紋を映しながら、
 ヤマモトにこう言った。

「まだ、打ち込んでこないのかしら?
 見ていて飽きない剣だから、
 私は別に構わないのだけど。
 ギャラリーのエストさんは、退屈かも知れなくてよ。」

 そう言われて、動かぬわけにはいかないヤマモト。
 次の瞬間、エストの視界からヤマモトが消える!!

 音もなく現れたその刹那、

 大きく太刀を振り下ろしたヤマモトと、
 その太刀・第六天魔王をオメガで軽く受け止める、
 ウィルローゼの姿があった。

 その間、光に迫る速さでヤマモトは、必殺剣と呼ぶべき、

「剣皇剣・覇、第五の太刀『常闇』」

 を繰り出していたのだが、
 打ち込んだその姿勢のまま、二人の姿は制止している。

 ヤマモトは、戦士の最高格である
 『マスタークラス』にこそ、名を連ねてはいないが、

 それは、彼の正体である『剣皇・トレイメアス』が、
 失踪しているという理由に過ぎない。

 ヤマモトの攻撃力は、そのマスタークラスの中、最強である。

 彼の攻撃力を数字に置き換えるなら、その威力は『1000』相当。

 『神剣・ラグナロク』を持つセバリオスですら、
 それが『550』であることから、
 もはや、その破壊力は人智を超えた数字だと言っていい。

 通常、この数字は、
 『1』以上を出せた時点で、
 『戦士』としての称号を得る事の出来るものだ。

 (『1』攻撃力単位は、十万ライトフォースに相当する。
  その破壊力は、百トン程度の岩石なら一撃で粉砕する。)

 ヤマモトは単に中空で止まっているようにも見えるが、
 さらに同じ威力の攻撃を、
 ウィルローゼに向かって放っている!!!

 ヤマモトを中心にノイズが発生し、
 僅かにその姿が歪んで見える。

 これはヤマモトの錬成した力、
 ライトフォースが安定できずに波打っているせいであった。

 その高威力の斬撃は、ウィルローゼのオメガの前に止められている。

 ヤマモトの第二撃のせいで、ウィルローゼのオメガを握る右手に、
 赤い一筋の線が流れる。

 ウィルローゼの肉体にダメージを与えているのは、間違いない。
 しかし、その赤いドレスの袖には傷一つ入っていない。

 これが何を意味するのかを理解したヤマモトは、
 その体勢のまま、先ほどと同じ距離まで飛び退くと、
 今度は鞘を捨て、太刀の切っ先を突き出すようにして両手持ちに構え直す。

 ウィルローゼは、右手に流れる鮮血をペロリと舐めると、
 嬉しそうに微笑んで、
 そのプラチナの長く煌めく髪を左手で掻き揚げた。

「思ったより、ずっと素晴らしい攻撃でしたわ。
 別に、ヤマモトさんのことを軽んじていたわけでは、ありませんのよ。

 ついつい、この剣の出来の素晴らしさに、
 心を奪われていただけで、
 先ほどは、いたずら心で、軽く挑発して差し上げただけです。

 これでも、すでに私が本気を出していたのをご理解していただいているなら、
 面白い駆け引きが出来そうですわ、ね。」

 そう言って、ウィルローゼはオメガを構える。
 その姿は、まるで戦い方を知らないお姫様が、
 無理矢理、剣を取って構えたような滑稽な様だが、

 彼女が誰からも剣術の指南を受けていないであろうことを考えれば、
 彼女なりに真面目に戦おうという姿勢なのは伝わった。

 ヤマモトはこの時、手加減無用の凄まじい剣気を、
 太刀・第六天魔王に送り込んでいた。

 ヤマモトは久しく全力で、その力・ライトフォースの純度を磨き上げている。
 ヤマモトは、苦虫を噛み潰したような顔をして、
 ウィルローゼの姿を見つめていた。

 もう、目を離すゆとりすら無い。

 ヤマモトは思う。

(・・・暴発する所か、
 完全にその力を制御しておるではないか。

 衣に傷が残らんというのは、
 それさえ完璧に守り抜いておるということじゃ。

 というのに、自らにはその強大な盾ともいえる『守りの壁』を纏わせてはおらん。

 その理由は分からぬが、
 つまりは実力でワシの斬撃を受け止めたということじゃ。

 このウィルローゼは間違いなく『天使能力』を持っておる。
 それも相当に完成された、
 ・・・身震いするほどの、『力』をのぅ。)

 ヤマモトの戦闘経験は、現在のエグラートの戦士の中、最高と呼べる。
 そのヤマモトをして、これ程、その戦士の血を騒がせる相手が、
 このエグラートの歴史に存在したであろうか。

 かつてヤマモトを、そこまで本気にさせた相手など、
 その手にある第六天魔王の持ち主でもあった、
 異界の神々、『六極神』くらいなものであろう。

 伝説の六極神に比べれは、ウィルローゼの力など、
 その最下位に在る『破王・ザーベル』にも遠く及ばないが、

 ヤマモトとて、単独の力では、
 そのザーベルにさえ敵わないのは同じであった。

 しかし、それとはまた、異質の強さを持つウィルローゼを相手に、
 太刀・第六天魔王を握るヤマモトの両の手にも力がこもる。

 ヤマモトは、バルマードのさえ見せたことのない、
 超絶なる練気を行う最中で、
 ふと、ある事を思い出していた。

(・・・なるほどのぅ。
 何故、あれ程の遺産を兄者がこの世界に残したのか、
 理由がわかる気がするのぅ。

 こんな、『女帝(エンプレス)』とも呼べる、
 化け物がこの世に生まれ来るとはな。

 ワシとて立場が同じじゃったら、
 そんな気にもなったかも知れんな。)



(覇王の遺産、
    ・・・『最強のルフィア』、か。)
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夜のログイン 8・6

2010年08月06日 00時34分02秒 | 日記
こんばんは、井上です。


ゆうりさんへ、コメントどもです。^^


えっと、そうですね、

レミルは、DF1と2のエストのイメージです~。

今のエストは、
本来の姿に戻ったときのギャップの差を出す為に、
アホな子として、頑張ってます。

その経験は、エストレミルに受け継がれるので、

かつてのエストレミルが、
神々しかったのに対し、

未来のエストレミルは、その上で柔軟さと
親しみやすさを持った感じに、
成長しているのではないかなぁって、
思います。

思いつきで話を考えてるので、
そうなるといいなって、思っています。


レミル(メビウス)自身は、
覚醒しなくても、十分強いので、
必ずしも、
覇王姫エストレミルとしての復活を
望んでいるわけではありません。

ただ、レミルは、
底浅い弟のレオクスより、

素晴らしい才能と、
カリスマに溢れたバルマードにこそ、

剣皇として君臨し、
 覇王の道を歩んで欲しいと願っています。

バルマードが稀代の剣王である為に、
彼の元に身を寄せたレミル。

実力は本物でしたが、
彼には野心があまりありません。

ただ、他の四天王がそうであるように、
彼には、才気溢れるものを呼び寄せる
魅力のようなものがあるようです。

剣王国四天王は、全員がマスタークラスです。

世界の全てを敵にして、
覇者となるべき戦力を備えています。

レミルの実力は、かなり上位で、
現段階で、

戦士LV96(100) です。

そして、
覇王サードラルと同じ剣技を、
彼から直接、学んでいます。

覇王流の達人です。

伝説の剣である、
『覇王剣 カストラ』を
その手に握る事の出来る、
数少ない戦士の一人でもあります。
(彼女以外で、
 転送コードを知っているのは、
 『最強のルフィア』のみです。)


ヤマモト(剣皇トレイメアス)

ルフィア(元、六極神最高位)

レミル (最強の姫将軍エストレミル)

の隠れ三人が、
運命さえ捻じ曲げる
実力者の予定です。


暑い日が続いていますね。

熱中症など、気を付けたいと思います。

皆様も、お気をつけ下さい~。


ではでは、

おやすみなさい~~~。^^

またです~~。
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剣王国も、真夏日。

2010年08月05日 21時09分16秒 | 番外編(かなり番外地です。)
バルマード「こんばんは、
 ヒゲパパこと、
 剣王国のバルマードです。」

バルマード「暑い日が続いていますね。
 私のいる、ティヴァーテという国も、

 今年は猛暑が二十日ばかり、
 続いております。」

エスト「げ、
 ヒゲパパ・・・!?」

バルマード「・・・。
 ちゃんと聞こえてるよ。」

エスト「コホン、
 これは、剣王陛下。

 こんな場所でお会いになるなんて、
 一体、どうなさったのです?」

バルマード「あの、
 無理に敬語使わなくていいよ。

 本編と直接関係ないから、
 私の好感度が上下することは、
 ないと思うから。」

エスト「それもそう、ね。

 で、なんで今日は私より先に、
 だべってるワケです?」

バルマード「いや、
 ただの暑中の挨拶みたいなものだから。」

エスト「ヒゲオヤジが来ても、
 場は涼みません。

 夏といえば、ギャル。
 ギャルを出しなさい。

 私も一応、
 ピチピチしてるとは思うけど、
 私一人では、間が持たないですわ。」

よく見るとエストは、
白いワンピースの水着を着ている。

無難に、似合っていないこともない。

エスト「無難で悪かったわね!!」

バルマード「可愛いと思うよ、うん。」

エスト「ヒゲパパ目線の可愛いは、
 動物とかそっち系の可愛さでしょ!?

 決して、セクシーとかプリティとか、
 キューティとか、
 夏の女を褒める言葉ではないわ。」

バルマード「そうだねぇ。」

エスト「少しは褒めなさいよ!!」

バルマード「今日も、熱帯夜だね。」

エスト「話が飛んだーー!!

 ええまあ、確かに暑いですよ。

 ですから、ギャルを出して、
 ヒゲパパは、ヤマモトのおっさんとでも、
 スナックとか行ってください。」

バルマード「それもそうだね。
 暑いし、スナックにでもいって、
 ハイボールとか、飲んじゃおうかな。
 カラオケ、歌っちゃおうかな。」

エスト「行く前に、
 ちゃんとギャルか、
 王子様を置いていくこと。

 あと、ドンペリでも頼んで、
 お店、儲からせて、
 王様らしく振舞いなさいな。

 消費は雇用を生み、
 経済を成長させるのよ!!」

バルマード「そうだね、
 それじゃ、代わりに誰か呼ぶから。」

バルマードは、楽々ケータイを取り出し、
誰かに電話した。

プルルルル・・・。

バルマード「うんとね、
 水着きて、ここに来て。」

バルマード「よろしくー。」

バルマードは、
ポケットに、楽々ケータイをしまった。

凛花「お、お待たせしましたーーー!!!」

エスト「はやッ!!」

駆けつけたのは、
スクール水着を着た、
黒髪の美少女、凛花であった。

バルマード「それじゃ、
 後、よろしくー。」

凛花「え!?
 どっか、行っちゃうのですか!!

 ・・・あの、もう少しだけ、
 居てくれませんか?」

バルマード「はい、
 それじゃ、残ります。」

エスト「どっか、行けーーー!!」

凛花は、少し嬉しそうだ。
彼女のイメージは、一言でいうなら、
学園の華、
アイドルと行っても過言ではない。

身体のメリハリは、
エスト同様に控えめだが、

それを補って余りある、
清楚さと可憐さがある。

エスト「私には、ないんかい!」

ありません。

エスト「・・・。
 まあ、いいわ。

 でも、なんでスク水?
 少し、卑怯な気がするわっ。

 ヒゲパパの趣味?」

凛花「あ、あの、
 えっと・・・。

 私、初期では学生という設定で、
 今も、
 『私立 マクスミルザー学院』の
 中等部に通っている三年生です。」

エストは、手元の資料を見た。

エスト「なになに、
 生徒会長で、理事長の親戚で、
 学園トップの成績ですか。

 中等部の女子たちから、
 『お姉様』扱いされていると。」

凛花「いえいえ、
 そんな・・・。」

エスト「それで、
 男子諸君の憧れの君である、
 凛花さんは、

 来年は、高等部に進んでらっしゃるのですか?」

凛花「えっ・・・。」

エスト「まさか、永遠の十五歳で、
 毎年、生徒会長の中等部の三年生?」

凛花「そこは、その、
 大人の事情というものがありまして。」

エスト「留年、決定!!!」

凛花「えーーーーっ!?」

凛花は、倒れた。

バルマード「駄目だよ、エストちゃん。
 折角、来てもらったのに、
 倒しちゃったりしたら。」

と、バルマードは、
凛花を抱き起こした。

凛花「・・・。」

凛花は、
倒れているフリを続けることにした。

エスト「どんだけ、このおっさんが好きやねん!!」

バルマード「え、そうなの?」

凛花は、赤面しながら、
スクッと立ち上がる。

エスト「ヒゲパパさん。

 旗から見たら、
 水着の美少女抱える変質者ですよ。」

バルマード「それもそうだね。」

凛花「バルマード様は、
 変質者なんかではありません!!」

エスト「・・・。
 純情乙女ですなぁ。

 私も、もう少し若かったら、
 そんな風に言えたかも知れませんね。」

バルマード「そうだね。

 エストちゃん、おっさん寄りだよね。」

エスト「思考は、おっさんでも、

 現実的には、お姫様でありたいと、
 そう願ってはいますが、ね。」

凛花「・・・。」

エスト「いいわね、
 凛花ちゃんは、ちゃんとお姫様で。

 私なんか、『姫』の上に
 『アホ』が付くからね。」

エスト「この際、
 ヒゲパパさんに聞いておきたいんだけど。」

バルマード「ほいほい、
 何でしょ?」

エスト「あの、『ウィルローゼ様』っての、
 何!?

 私的には、王子様の方だけいてくれれば、
 いいんだけれど。

 あの超ファザコン姫様は、何とかならないの。」

そこは、凛花も興味があるようだ。

バルマード「うーん、
 双子みたいなものだからねぇ。

 ウィルハルトも、ローゼも、
 我が子だから、愛しておりますよっ。」

エスト「やっぱり、二重人格とかじゃなくて、
 別人なの?」

バルマード「別人だねぇ。
 同じ時間を、一つの身体で生きている、
 って言ってもわかりにくいよね。

 双子として生まれるはずだった。
 だけど、生まれたのは、
 一人だった。

 かみさんが、身体が弱くってね。
 ローゼが、命の器を
 弟のウィルハルトに譲って、

 二人を助けたんだよ。」

エスト「・・・重い話なんですけど。」

凛花「ローゼ姫様・・・。」

バルマード「でも、
 ローゼはたくましいね。

 きっと、本能がそうさせたのだろうけど、
 一つの命の器に、
 自分の領域を僅かばかり構成して、

 その存在を成立させた、というか。

 彼女の魂は、
 消えるには大き過ぎたのだろうねぇ。

 だから、二人とも生きているのがわかって、
 かみさんは、喜んでくれたよ。

 形は、どうであれ、
 生まれてくる事が大切なんだ、ねっ。」

ローゼ「そこまで、
 お父様に絶賛されたのでは、

 出てこないわけには
 参りませんわよね。」

エスト「・・・げっ、出たっ!!」

と、いきなり現れたウィルローゼは、
凛花と同じ、スク水を着用している。

しかし、
ウィルローゼのゴージャスバディに、
スク水は、早くも破れそうなくらい窮屈だ。

凛花は、あまりの凹凸の差に、
気恥ずかしそうにしている。

エストは、完敗だ。

エスト「完敗、言うな!!」

バルマード「おや、ローゼ。
 ローゼも、水着なんだね。」

ローゼ「そうですわ、お父様。

 凛花さんと同じ物でないと、
 勝敗は付きませんもの。

 やや、胸周りが窮屈ですが、
 それもお父様の趣味なら、
 些細な事です。」

エスト「私は、無視かーー!?」

ローゼ「あら、エストさん。

 それを、私の口から仰れと?」

エスト「・・・。
 何でもないです。」

バルマード「ローゼは、いつも元気だね。」

ローゼ「はい、
 お父様と会うときは、
 いつも、笑顔でなくては、
 損な気がいたしますもの。」

バルマード「水着、サイズ合ってないね。」

ローゼ「間に合いませんでしたので、
 凛花さんのモノをお借りしております。」

凛花「えーーーーっ!?」

ローゼ「都合が悪かったかしら?」

凛花「姫様、水着が伸びて、
 もう着れないですよ・・・。」

ローゼ「では、今度、
 プラチナ糸と金糸で編んだ、
 同じ物を届けさせましょう。」

凛花「そ、そんな、気を使わないでください。
 (恥ずかしくて着れないです。)」

バルマード「そうだよ、ローゼ。
 色違いは、校則違反だからね。」

ローゼ「これは、私としたことが。

 ところで、水着など着て、
 これからプールにでも行かれるのですか?」

バルマード「いや、
 最近、暑い日が多いでしょ。

 なんとか涼しくならないかなって。
 今、一工夫中、なんだよ。」

ローゼ「なるほど、
 水着対決というわけでは、ないのですね。

 涼しく、ですか。
 エアコンを使えばよろしいのでは?」

バルマード「ボタン一つというのも、
 どうなんだろうね。」

エスト「私は、エアコン持ってません!!」

ローゼ「では、
 私が、『凍結剣・絶対零度』を放って、
 涼をとるというのは、いかがでしょう?」

凛花「それでは、世界が大寒波ですよ。
 冬物は、まだしまってありますので。
 正直、マイナス273℃はこたえます。」

エスト「常識の範囲で、お願いします。」

ローゼ「水でっぽうで、遊びます?」

凛花「頭に、紙風船とか、
 付けるのですか?」

エスト「本気でやるんかい!!」

ローゼ「注文が細かいですわね、

 では、
 うなぎでも食べます?」

凛花「スタミナは付きそうですね。」

エスト「う・・・うなぎ。
 ゴクリ・・・。

 それでいいの?
 誘惑に負けてしまっていいの?

 考えるのよ、私!!」

バルマード「うなぎは、毎日は贅沢でしょ。
 日々、継続できるものでないと。」

エスト「スナック通いも、
 日々、継続出来たら、
 さぞ財布の重たいことでしょうね。」

バルマード「それは、夢のようだね。」

ローゼ「お父様が、喜んでくれるなら、
 幾らでもご用意させて頂きます。」

バルマード「あ、いや、
 お小遣いは、月三万円って、
 決めてあるからね。」

ローゼ「さすがは、お父様。
 大国の王でありながら、
 何という謙虚な姿勢。」

エスト「私にエアコン、買って下さい。」

バルマード「月、三万だからね・・・。」

エスト「六畳用で、OKです!!」

バルマード「風鈴なら、買ってあげるよ。」

ローゼ「私、とても欲しいです!!

 100均の物でも、一生の宝に出来ますわ。

 お祭りの出店辺りだと、風情もありますわね。」

凛花「わ、私も、風鈴欲しい、です。」

エスト「私は、断固、エアコンです!!
 風鈴は、後回しでOKです。」

バルマード「エストちゃん、
 エアコンは、譲れないよね?」

エスト「夢のようです。」

バルマード「・・・。
 今度、特売のチラシ見ておくね。」

エスト「信じてますから!!」

バルマード「風鈴は、
 今度の縁日にでも買ってくるね。

 都合が付いたら、一緒に買いに行こう。」

凛花+ローゼ「はいっ!!」


バルマード「・・・。

 ということで、今日は炭酸を買って、
 自室でハイボールを飲もうと思います。

 薄めに作って、
 長く、瓶が持つように頑張ります。

 贅沢気分な時に、
 ワンフィンガーで作ります。」

バルマード「これから、
 暑い日々が続きそうなので、

 皆様も、
 お体にはお気をつけて。

 では、
 またです~~~~~。」
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剣王国四天王 威厳候『メビウス』 (日記 8・2より)

2010年08月02日 10時08分30秒 | 登場人物紹介
こんにちは、井上です。

暑い日々が続いていますね。

今年は暑さが長く続くみたいなので、

熱中症対策とか、気をつけています。

ブドウ糖のお菓子とか、食べたりしてますです。

カリカリ梅とか、良さそうですネ。


えっと、
一応、画像はレミルさんです。
(剣王国四天王 威厳候 メビウス将軍。)


本物のエストさんに、なります。

えすと「・・・偽者ネタは、やめて下さい。

 夢は、
 華やかな人生を生きることです。」

レミル「そんな、偽者だなんて、
 私はあなたの事を、
 そんな風に思ったことはありません。」

えすと「うわっ・・・、
 なんかパラメーターで全部負けてる気がする。

 甲冑の向こうのナイスバディに比べたら、
 私なんて、ただの丸太だわ。」

レミル「エストさん、
 共に、この世界をより良く導く為に、
 頑張りましょう。

 そうですね、
 私はあなたを『ライバル』のように、
 思っているかも知れません。

 共に何かを競える相手がいるのは、
 幸せな事だと思いますので。」

えすと「ライバル発言、来たーーーーっ!!」

えすと「いいわ、受けてたとうじゃない。
 だから、名前を『エスト』戻してくれない?」

エスト「フフッ、
 例え色々あれこれ劣ろうとも、
 私は、あなたに勝ってみせるわ!!

 私に奇跡の力が眠っているのなら、
 その眠りを叩いてでも起こして、
 栄光を、握りつぶすくらいの勢いで、
 手に入れまくってみせるだけよ!!」

レミル「・・・。
 エストさん、あの。」

エスト「何!?
 先制攻撃なら、許さないわよ!!」

レミル「あ、いえ・・・。
 共に励みましょうという感じで
 申し上げた言葉なのですが、

 誤解されてる気がします。」

エスト「生まれながらにして、
 そんだけ、立派なモノ持って生まれてるから、
 そんな余裕、こけるのよ!!

 私なんか、あちこち失って、
 それでも必至に王宮で生き残っているのよ!!

 王宮で生き残るってのは、
 とーっても大変なことなの。

 いわば、『戦場』よッ!!」

レミル「・・・何だか、
 たくましい事になっていますね・・・。

 私たちは、そう、
 双子のようなものですから、
 仲良くやりましょう。
 ねっ?」

エスト「双子なら、せめて同じ容姿にして!!

 あなたの方が、明らかに成分を持っていっているわ。」

レミル「え、あ、
 その・・・。」

エスト「そりゃ、あなたなら、
 仮面取って、ドレス着たら、
 モテまくりの、ときめきライフが待ってるでしょうけど!

 私の場合は、王子様から選んでもらう側の、
 数多いる女どもの、その中の一人なの。」

レミル「えっと、
 そういうのは、私は苦手かもしれないです。

 私って、地味ですし、
 その、おしゃれとか、わからないので。
 その、ごめんなさい。」

エスト「何じゃーー!!

 その野郎どもが喜びそうな、
 清純派娘的発言はっ。

 あなたみたいのが、
 隠れヒロインとして、
 横から、油揚げを掻っ攫って行くのよ!!

 あげの乗ってないキツネうどんの気持ちが、
 あなたには、わかると言うの!?」

レミル「・・・。
 あの、正直わからないです。

 でも、ほら。
 みんなが心から笑顔になれるって、
 素敵なことじゃないですか。

 私が何処まで出来るかなんて、
 わかりませんが、
 エストさんも一緒に、
 この美しい世界を守る為に、
 頑張りましょう、ネ?」

エスト「見知らぬ誰かの笑顔より、
 私が愉快に高笑っているほうが、
 よっぽど大事だわ。

 レミルさんは、世間を知らな過ぎなんじゃない?
 世の中、平和になってしまったら、
 勇者様なんて要らないの!!

 努力無くして、真の勝利は掴めないの!!
 困った人がいたら、
 職業安定所を教えてあげるか、
 仕事を探してあげる。

 そうして得たお金は、
 何よりも尊い、自分へのご褒美なの。
 そして、うまいものを食う!!

 生きてるって感じが満ち満ちるのよ!」

レミル「・・・。
 すいません、勉強になります。」

エスト「・・・。
 素直に返されると、ちょっとやりにくいわ。

 もっと、噛み付いて来てもらはないとね。」

レミル「・・・エストさんは、
 お強いですね。

 なるほど・・・、
 という事は私も少し欲を出して、
 王子様を狙うくらいの気概が必要なのですね。」

エスト(ん、それはいかん!!)

エスト「んん、
 個性は大事とおもうわ。

 あなたは、もっとあなたの個性を
 大事にすることよ。

 清楚系のあなたが、
 ガツガツしては、駄目。」

レミル「ほっ・・・。
 そうですよね、
 無理はいけませんよね。

 どう、男の人に声をかけていいかわからず、
 困ってしまうところでした。」

エスト(この人には、
 しばらく仮面のままでいてもらう必要があるわ。

 こんな娘をポップさせようものならば、
 王子もろとも、男を持っていかれかねない。

 ライバルには、
 出来るだけ潜伏状態で、
 そのまま潜伏していて欲しいから。)

エスト「無理はしない、以上。
 いい?」

レミル「そうですね、
 自然体でいることも、大事なことですよね。」

エスト「全然、無理しなくていいからね、
 無理は、身体によくないからね。」

レミル「お気遣い、心入ります。」

エスト「そ、それじゃね!!」

レミル「はい。
 では、また。」



それでは、

  またです~~~。^^
コメント (1)
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