まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

奇跡の「熊ヶ峰」標識、復活す。

2021-04-18 22:47:33 | 日常

令和3年4月17日から18日
山頂標識について
熊ヶ峰はわが山岳会にとってとても大切な山です。
今から102年前、1919年(大正8年)2月、第1回目の熊ヶ峰登山を行った山であり、毎年この日を草創記念として登山、先輩の偉業を讃え偲んでおります。
今年、2月23日の草創記念登山の時、「熊ヶ峰」標識が山頂に放置されていました。
我会の大切な大切な山の標識がこんな粗末な扱いでは先輩に申し訳ないと思い、後日標識を引き取りに行き、持ち帰って修復しました。
標識は銘木の様な一枚板で生地のままの状態でしたが長年の風雨による経年劣化により木地も傷んでいましたから防腐剤を4回も塗りこみ、ペンキも2回塗り防水処理を施しました。柱は建築業の仲間が防腐剤を浸透した柱材で作成してくれましたからあと10年は十分に持つでしょう。
それら部材の準備が完了したので4月18日に工事することを決め、仲間に参加呼びかけをしたところ,16人もの予想外の申し込みがありました。
またこのことに関し思いがけない事実が明らかになりました。それについては次のような内容であると話してくれました。
「3年前の100周年草創記念登山の下見の時に、展望台と一緒に重機で片付けられた瓦礫の中から「きっとあるはず・・」と仲間が探し出し見つけたときはホットしました。その時は泥だらけで、洗ってあげる水も無く、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にしましたが、後日、水と掃除用具と工具を持って行き錆びたボルトを外し、おれた支柱を取り除ききれいに洗ったものの・・・字も薄れ、朽ちて行くばかりの標識を、熊ヶ峰に行くたびに不憫に思っていました。」
という内容でした。
もちろんこの会員もこの度の作業に参加され大変喜んでくれました。
展望台が朽ちて危険になったため市当局が取り壊しすぐに持ち帰り処分していれば標識は存在しなかった。それに撤去作業において大した損傷もなく存在したとは奇跡としか言いようがありません。
このことは会員にも長く語り継がれ大切に見守ってゆきたいと思います。

作業内容について
4月17日
広島市内は天気予報通り朝から雨、何があろうと予定通り行うのみ。
必要な道具、食料、寝袋、参加者に配る利尻昆布ラーメン、もみじ饅頭、お茶、紙コップを積み込み福山に向かう。途中、軍手を追加購入する。福山では簑島町の資材置き場に保管している枕木を8本積み込む。夕食を済ませ「熊ヶ峰ひろば」に向かう。雨もあがった。明日は大丈夫かな。

(これが私の道具と日本鋼管の枕木です。)
枕木の側面に「この枕木は日本鋼管の構内鉄道に使用されてに使用されていた。」と記した銘板を取り付ける。ついでに他の枕木にも「ごみ持ち帰り」「山を大切に」の標語を白ペンキで記す。最後に枕木の設置場所を再確認。『段取り八分」やるべきことはすべて完了、明日は大丈夫だ。21時過ぎ就寝。
4月18日
午前3時30分、目覚める。習慣とはいえ6時間寝ると目覚める。しかし外はまだ暗い。窓を少し開け冷気を取り込む。日の出前30分になると鳥たちの声がする。この頃の朝の静寂が一番好きだ。6時過ぎ朝食を済ませ今日の準備に取り掛かる。

(大変な道具類、これがなければできませんでした。さすがプロです。)
集合予定は9時であったが8時前建築業の会員がトラックに運搬車を載せて到着。他にも掘削機、発電機等難工事を予測し準備は万全である。さすがプロで抜かりはない。早速第1便でそれらの道具を頂上に運び上げる。
午前9時前には19名と多くの会員とその友人が集まってくれました。予定外の飛び入りに2名に加え会長も参加された。久しぶりに会う懐かしい面々も、とにかくよく来ていただきました。再会を喜び合う。開会式では山頂標識の歴史、経過を説明各自の分担を決め、ラジオ体操で体をほぐし、安全第一に作業に取り掛かる。枕木等すべての資材を頂上に運び上げる。

(女性陣も軽々と元気いっぱい引張りました。すご-い力持ちばかり)
運搬機ですべての機材を運び上げることは可能であったが、枕木2本(約100㌔)は二輪車に乗せ女性陣にロープで引っ張っての荷揚げを体験してもらいました。

(一番の難作業、専門の道具がなければ掘れません。)
一番の難作業は標柱の穴掘りでした。笹が根を張り掘りにくい。根を取り除けば岩だらけで固くて掘れない。標柱は50㎝の間隔で70㎝の深さが必要、大穴を掘らねばと思っていたがさすがプロ。電柱の穴を掘る要領で30センチくらいの穴を2か所掘る。電動の掘削機で柔らかくして、2枚葉のスコップで土を掘り出す。皆が交代でこの作業の繰り返す。

((写真は標柱に『ゴミは持ち帰りましょう』の標語を書く会員です)
その間、標柱に「ごみ持ち帰り」等の標語記入。

(この枕木私たちが設置しました。バンザイ。標語がいいですね。よくわかります。)
その作業の後、4から5名に分れ、「熊ヶ峰ひろば」から「山頂」間300mの登山道に土砂流失防止して登山道を守るため日本鋼管(現JFEスチール)で頂いた枕木8本を設置してゆきます。斜面をツルハシで削り取り水平にして枕木を設置、鉄筋を打ち込み完了。「仕事は大人数」の言葉の通り人数がいると早いです。
最後の仕上げは頂上に「熊ヶ峰」標識を立てること。全員が見守る中、水準器で位置を確認し土砂を埋め戻して高さ190㎝の立派な山頂標識の設置が完了。みんな盛大な拍手で讃え、全員で記念写真を撮りました。
草創記念登山でここに来るたびに今日のこの日のことを思い出してくれることでしょう。
当初の計画では久しぶりに顔を合わすので女性陣が食事を準備し小宴会を催す予定でしたが新型コロナウイルス感染拡大もあり中止。お土産に「利尻昆布ラーメン」、「もみじ饅頭」を食べていただき散会しました。

(最後に親友と記念写真をパチリ。この後、右側の私が喜びを表そうとジャンプした瞬間、標識で頭を痛打しました。この決定的な写真が何と動画で取られており、親友が集合写真と共にみんなに配布、笑いを誘いました。「あのまじめな福原さんにこんなおちゃめなところがあるなんて」と男を上げました。す、す、すごい「おまけ」でした。)

その後、3人で食事をしていると再び雨となり、風も出て気温が急速に低下、寒くて食事どころではなくなり早々に打ち上げました。先ほどの作業中でなくて本当によかった。これも観音様のご加護の賜物でしょう。ありがとうございます。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 我家の庭は雑草だらけ花だらけ | トップ | [聖地」と呼ばれる極上のサウ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (木村眞由美)
2021-04-19 01:52:25
新しい標識が設置され、もう二度と蘇る事は無いと思っていた標識が、こんなに立派に復活して 嬉しかったです。ありがとうございました。

コメントを投稿

日常」カテゴリの最新記事