まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

例会山行「高見山(1248m・音羽山(851m)・長谷寺」

2024-04-09 21:21:22 | 日常
(又兵衛桜)
令和6年4月6日から7日
このコースの山行は2000年にも実施しました。
当時のNHK大河ドラマ「葵三代」のタイトルバックに又兵衛桜の雄姿が採用され評判になりました。
あれから24年、年齢・体力の衰えとともに登山のありようを考えるようになりました。年配の仲間から「山に登れなくなったが福原さんから万葉集を教わったお陰で日本の各地の歌枕を旅して楽しんでおります。」といわれました。
植物や花鑑賞と同様に万葉集も山を楽しむレパートリーになると考えました、
〈旧伊勢南街道の石畳)
今回のぼる高見山には麓を通る旧伊勢南街道があり、私の好きな大伯皇女と大津皇子の物語に登場する場所です。
この山道は大津皇子が死を目前にして伊勢にいる姉に会いに行くため秘かに越えた山道である。
「二人行けど行きすぎがたき秋山をいかでか君が一人越ゆらむ」(巻2-106)

(アセビの花言葉は「清純な心」「献身」漢字では「馬酔木」と書き、馬が葉を食べると足が痺れて酔ったようにふらつくことからきています。皇女にふさわしいお花です。)
弟が処刑され、大伯皇女も伊勢神宮斎主を解任され、都に帰る時この峠まで来ると多くの馬酔木が咲いていた。それを見て詠う。
「磯の上に生うる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りといわなくに」(巻2-166)
こうなるとこの山道は何もない普通の山道ではありませんね。心揺さぶる熱き道です。ありがたき山道です。

(2日目は雨の予報で低体温症の予防策をメールしました。直前の予報であり疑いませんでした。雨の準備し覚悟していました)

もうひとつ。初めの天気予報では2日目は雨でした。
雨の時には長谷寺行は中止、冷えた体を温めるため風呂に入って帰れるよう予定変更も考慮していました。
このような訳で4月3日、参加者には雨で低体温症にならぬよう衣類に注意するようメールを発しました。
ところが当日は良い登山日和でした。すべてが順調でした。
観音様が見守ってくださったのでしょう。天気でした。
いつも一緒に行く仲間は観音様のお陰と感じられていることでしょう。
知らない人は単に「ラッキー」と捉えられてことでしょうが・・・

第1日目
参加者16名(男女各8名)午前5時30分福山出発。「2024年問題」で運送関係は労働時間が制約され運転時間も規制されています。
吉備、三木、かつらぎで休憩、渋滞も加わり30分余り遅延し高見山登山口着。
高見山は「和製マッターホルン」呼ばれている秀峰で冬の霧氷が有名です。
登山口から標高差約800mありましたが皆足調をそろえて、4時間20分余りで往復しました。時折残る石畳に往時をしのび歩きました。旧伊勢南街道の小峠では万葉和歌を朗詠しました。

(阿騎野の朝の壁画鑑賞)
中央公民館には渋滞の為到着が遅れ、職員の方は残業になるにもかかわらず、時間を延長して『阿騎野の朝」の壁画を鑑賞させていただきました。
本当にありがとうございました。
それから旅館の風呂が小さい為時間を要するので大宇陀温泉「あきのの湯」に入浴して汗を流し今夜の宿「今阪屋旅館」に入りました。18時15分でした。予定通りすべて順調でした。
ちいさな宿ですから今日は我会の貸切です。
今夜の夕食は薬草御膳のフルコースです。
この宇陀は薬草で有名な土地なのです。
不老不死の妙薬と信じられている水銀の産出地であり狩猟、薬狩りの地として薬の町の伝統を今に引き継いでいます。

(料理のお品書きです。)
(焼肴  さわら香草焼・バジル・チャービル・青じそ・せり・ディル
胃腸改善効果・リラックス効果ありとのこと)
吉野葛など体に良いものがふんだんに調理されています。
見た眼もきれいでおしゃれでした。
天ぷらも当帰・ヨモギ・エゴマは当然としてユキノシタやドクダミもありました。
フルーツほうずきや豆粒のようなトマトも珍しい。
昨年好評の鴨鍋も追加しました。
皆さん大満足の様でした。
食後は恒例の二次会で和気あいあいに自分の考えを述べ、夢を語り、楽しい時を過ごし、親睦を深めました。

第2日目
今日のコース、これを見るため参加したという方があり、3者3様の格別な思いがありました。「又兵衛桜をもう一度見たい。」「音羽山のワンちゃんに会いたい。」「単独行動でも長谷寺に立ち寄る。」という期待のコースです。

6時30分食事、7時出発。
最初の向かったところは「かぎろいの丘」、昨日公民館でみたとおりの風景が今ここにあります。

「ひむがしの野にかぎろいの立つ見えて、返りみすれば月傾きぬ」(巻1-48)

厳寒期の早朝、今から狩が始まるという緊張感、情景を思い出し、その場所に今立っていると思えば心が高ぶる。実地体験の緊張感である。
毎年末、この地で同じ光景の見える日にちに大焚火を焚いて同様の風景を見る「かぎろいを見る会」が開催されています。
里道を15分余り歩くと桜の風景が前面に広がる。多くの人が向かっている。早朝なのにすでに駐車場がいっぱいです。すごい人気ですね。見物の協賛金一人100円を支払う。桜並木の中央に堂々とした枝垂れ桜の又兵衛桜がそびえたつ。しばしたたずみ写真を撮る。
ひとまずは前面にそびえる経ヶ塚山を目指す。谷川沿いの山道を歩き尾根道に移る地点が竜王神社です。ここからよく手入れされた杉林の尾根道だ。心地よく歩きやすい道だ。
(滑り易い坂道に安全ロープを設置する)
頂上近くの巻き道の分岐地に着く。下見の時、直接頂上に直登する道が急で滑りやすいので安全のため、50mばかりロープを設置するよう準備してきました。
登りはまだしも下りでは大いに役立つことでしょう。
経ヶ塚山、音羽山は尾根の道、有名な山なのでしょうか多くの登山者にも出会いました。
(テレビで有名な音羽山観音寺、大勢の方が登ってこられました。)
念願の音羽山観音寺に到着しました。元気な声で犬のオサム君に出迎えてもらいました。テレビで見たとおりの庭先のたたずまいでした。
大きなイチョウもありました。
この参拝道、舗装してありますが急すぎて転びそうですお手伝いの方は毎日この急坂を上り下りされるのですね。ご苦労様です。
下居(おりい)にてバスに乗車。長谷寺に向かいました。お寺の近くの駐車場がありすぐに参拝できました。

(国宝の本堂にある舞台造、よい眺めでした。)
長谷寺は真言宗豊山派総本山の寺院。天武天皇の勅願により686年に創建された古いお寺ですが国宝の本堂を始め荘厳な13寺社によりなる寺院です。お花のお寺としても有名ですが京都の清水寺のような舞台造の展望台もあり、見どころも多くとにかく立派な奈良を代表する寺院でした。
入口の仁王門から本堂まで399段の登廊がありました。段差がなく広くてとても登りやすい石段でした。女性に人気のあるお寺の配慮が感じられました。
1時間30分ゆっくりと見物しました。



15時30分に出発、19時には全員無事に福山に帰りました。
天候にも恵まれ、事故もなく、予定したことはすべてやり遂げました。
CL,SL,会計係、記録係の皆さん本当にお世話になりました。
次回をお楽しみに、また会いましょう。
今回の山行で万葉集が好きになっていただければこれに勝る喜びはありません。
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