まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

天候に関する勉強会(第2回)

2014-06-28 22:43:33 | 日常
平成26年6月28日(土)
今日も夕方5時から山岳会主催の天候に関する勉強会(第2回)を福山で開催しました。
その前に午前中に蔵王岩場に階段を設置しコンクリートで2段ほど工事(?)しました。午後から北方稜線組の岩登り訓練をしました。雨が降っても訓練を行う予定でしたが熱意が天に通じたのか終わるまで幸い曇り空で十分トレーニングできました。
終わってすぐに今日の会場である福山駅裏の社会福祉センターに直行しました。
本来は6時30分からですが折角の機会ですからオプションで天気図の作成を加えました。前回来た人にしかこの天気図講座は伝わっていませんでしたが5名の参加がありました。16時放送の昨日と今日の正午の天気図を書いてもらいました。はじめてであり苦労していましたが要領がわかるにつれ何とか書けるようになりました。何度も録音したテープを巻き戻し「漁業気象」の低気圧、高気圧、前線の位置は正確に書いてもらいました。それさえキチット書いてあればあらかたの気象判断はできるからです。
今日は雨の予報でしたが降らない理由も天気図を見て理解できました。それは高気圧が大陸から張り出してきたため梅雨前線が下がりU字型になり晴れの地域が広がったためです。皆納得してもらいました。今日の天気を書くのですから臨場感があり、よい教材になりました。あとでタブレットの実況天気図通りに書かれており、当然のことなのですが感動しました。書いたことにより天気がよく理解できました。
午後6時30分からの本番の天気講座には8名が新たに受講され計13名の参加となりました。天気という地味な教材ですがやっていれば必ず役に立ちます。1時間30分の短時間ですから基本的なことを説明しました。
低気圧や前線の構造。それ関連して雲の形、風向きの変化、雨の降り方。雨の降る理由。季節や緯度による気温の変化。今回の勉強会により天気に興味を持ってくれればこれにすぎるものはありません。
観天望気で説明したことですが巻雲にも晴れと雨の場合があること。その見分け方も説明しました。傘雲の悪天候になる確率も説明しました。朝焼けで悪天候になる確率は・・・「東風吹かば・・・」の東風が東シナ海に低気圧が発生した時に吹く風でありその前兆であることも興味深く感じたことでしょう。アナウンサーの「明日は晴れ」という情報をうのみにするのではなく、天気図等によりなぜ晴れるのかその理由を知って判断することも教えました。元の基本的な資料から判断することの大切さわかってくれたでしょうか。今度山行の時実地に観天望気をやればよく理解できることでしょうね。
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天候に関する勉強会(第1回)

2014-06-22 12:03:40 | 日常
平成26年6月21日(土)
今日、福山で天候に関する我会の勉強会が開催され講師を務めさせていただきました。
参加者は17名でした。
初めに6月6日横尾尾根で遭難された名越実氏をしのび黙祷いたしました。我会と名越さんとのご縁、このたびの捜索の状況を説明しました。いくらベテランであっても自然の猛威にはかなわない。ミスすれば遭難し死に至ることも付け加えました。

講義の内容は気象遭難という内容です。
悪天候が遭難の原因と思われる事故について検証し、その防止策について説明しました。
1)雨 トムラウシ山遭難事故をとりあげ夏でも低体温症になること。低体温症の症状とその対策、体感気温について説明しました。
    増水による沢の事故もあります。
2)強風  我会の天狗沢遭難事故については寒冷前線が発生しており強風は予測できたことを説明、天気図を見ることの大切さを学習。同様な強風による転落事故が多発している富士山の風についても説明しました。
3)雷 西穂高岳・独標における松本深志高校のの事故。雷の対処法、予知について学習。
4)雪、雪崩では昨年、正月の小窓尾根雪崩遭難事故、道迷いでは愛知大学の薬師岳遭難事故、地元に慣れたベテランでも吹雪になれば、方位を見誤り、磁石と地図がなければ迷うことを教えました。

    平成18年 田上ガイドの白馬岳遭難事故、同じとき我々は北穂高に登っていたが多くの会は冬山装備を持参していなくて遭難騒ぎになつたこと説明し天候判断の大切さとその困難な気象条件を克服すればそのご褒美として翌日は素晴らしい碧空に輝く峰々と紅葉の輝く景色を見ることが出来たことを説明しました。
    秋山では冬と同居していることを説明。
    昭和42年正月、私の豪雪による十方山の遭難騒ぎについて説明し、初心者は無知、未経験による遭難事故が多いことを体験を交えて説明しました。

遭難の原因はいろいろありますが「なぜ悪天候にもかかわらず行ったのか」につきます。
社会人であるがゆえの原因もあります。「明日は会社に行かねばならないので強行した」「せっかくお金と時間をかけてきたのだから・・行った」「いつもは短時間で帰れたのに、深雪、雨のため時間がかかった」「何となく行った。リーダーシップを発揮できなかった」
安全を考え小屋にとどまった方はみな無事に救出されています。
リーダーは安全を第一に優先して行動すること。行動する場合は危険を予知しその対策が取られていることを確認して行動することをお願いしました。
勉強会が始まる頃より雨になりました。熱心な態度で予定時間も超過するほどでしたがいつかことあるときにはきっと役立つことでしょう。
  今日は予報では朝から雨でしたが梅雨前線の北上が遅れ夕方まで雨は降りませんでした。お蔭で蔵王岩場での北方稜線組のトレーニングもしっかりできました。神様ありがとうございました。前線の移動は予想が困難であることも身をもって体験していただきました。いかなる天候になろうともその対策はしっかり準備しておくということでしょう。
 次回は6月28日、天気図の書き方、気象の基礎知識を勉強してもらう予定です。
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「気象通報」は時代遅れの産物か

2014-06-19 11:28:31 | 日常
平成26年6月18日
今度わが会の天候に関する研修会で天気図をかいてもらう予定です。
そのため「気象通報」を録音してそれを聞きながら書いてもらうのでNHKの番組を録音するつもりで準備して待機していても語学番組がつづき、なかなか気象通報の番組にならない。
如何したことかと番組表を見てみると「気象通報」の番組がないのです。いったいどうしたことか。登山を始めて50年ずーと聞き続けてきた番組なのに何故ないのだ。
調べて分かりました。今年3月の番組編成から、1日3回の放送が1回だけ、NHK第2放送、16時の放送だけに削減されたのです。「なんてひどいことをするのだ」
1回の放送時間が20分ですから1日では1時間。あまり役に立たないというので間引きされたのです。情報量が膨大な今日、効率を考えてあまり利用価値がないとして削減されたのでしょう。
「漁業気象という項目があることからも漁業者、船舶関係者に気象情報として伝達するため設けられたのでしょうが、・・・確かにこの情報を読み取るためには熟練が入ります。時間もかかります。今の時代ではパソコンから最新の気象情報、天気図も入手できます。書く手間もいりませんし、雨雲の分布状況も携帯電話でもすぐに入手できます。
情報伝達の多様化によりカットされたのですね。アナログ世代の私もあきらめざるを得ないんですかね。地図読みの時代からGPSの時代への転換と同様ですね。
人間の頭脳を駆使して自然に挑戦する楽しみが奪われるようでさみしい限りです。
ただすべての地域、山に電波が届くまで普及していなうのでしばらく時間がかかるでしょう。天気図をかいてその仕組みがわからなければ正確な知識、利用はできません。ただ入手した情報から判断するのはその現場にいる人間ですから、しばらくは活躍できそうです。今の気象庁のシステムでは地上天気図、高層天気図、断面図、さらに先の予想天気図、近隣のアジアの気象情報までも入手できます。時代は変わりつつあります。新しいことも勉強しなさいとお尻をたたかれているようです。学ぶべきことはたくさんありますね。その努力が出来ないのなら山に行くのはやめなさいと言われているようでつらいですね。仕方ないね。やりますか。
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北方稜線訓練山行

2014-06-17 23:18:04 | 日常
平成26年6月15日
今日はワールドカップの日本の初戦日でテレビ中継もあるが北方稜線訓練山行のため天応烏帽子岩山に出かけました。
9時前に墓場横の駐車場に集合、訓練の目的、内容を説明、危険予知も学習していざ出発。「なめら」の下の岩場で登山靴でのクライミングと前向きでの下降や懸垂下降の練習をする。クライミングシューズとの違いを知るのが目的である。昼からは烏帽子岩までを登ったり下りたりを繰り返す。北方稜線では浮石が多いので確認して摑む。確認して足を乗せることを学んでもらう。決してドスンといきなり足を乗せないように、お尻をついて手を下して足を下ろすことを確実にするように指導した。とにかく安全を第一に、事故のないことが一番の早道であることをしつこく伝える。折角、天応の岩場に来たのだから登山靴でも上れる第一フェースのクラックを登り岩登りの楽しさ、快適さを堪能してもらい、併せて懸垂下降の危険性も理解していただきました。いざというとき、平素やらないことを急場になってさせようとしても出来ません。無理なのはわかっているので、すべきことは全てやってもらいました。足場の悪い岩場でのツェルトの張り方。安全を確保するためにやるべきこと。ツェルトの底を結えるとはみ出さないので快適な生活ができることも伝えました。パートナの責務として、いざというとき相手を助けることが出来ることが大切です。お互いを背負って降りることも実習していただきました。荷物を背負う担架力が試されます。炎天下の6時間余りの訓練ですが熱意あふれる態度で充実した訓練であったと思います。目標が真近かにあると真剣で実践に即したものになると実感しました。各人の疲労度の違いは水分の取り方によると感じました。口をつけて引水するとがぶ飲みになりがちですチュチュで吸い込むとあまり量を飲まず頻繁にとるので終わってからの疲れが違うように思いました。今日はチンネを一緒に登ったOさんたちも訓練に来ておられました。みんな高みを目指し訓練されているのですね。頼もしい限りです。次回はボッカ訓練ですがそれまでにもトレーニングプランを立てて自主的に訓練してくれるようですから無事に完遂して、全員そろって目標を達成したいものです。今日は暑い中、本当にご苦労様でした。夜は娘達家族と父の日のお祝いに焼肉屋に行き、久しぶりにおいしいビールをいただきました。いい1日でした。
(写真は岩場を前向きで降りる訓練の様子、確実に、丁寧に足場を確認しておりましょう)
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名越さんの捜索活動の報告

2014-06-12 09:03:22 | 日常
平成26年6月11日
名越さんの発見場所について広島山岳会現地本部長の亀井且博さんより次のようなメールを頂きました。
「6月6日、午前10時23分に横尾尾根槍沢側斜面で名越実氏を発見いたしました。場所は槍沢ロッジの南西方向直線距離で約450mの標高1991mの地点で槍沢ロッジのほぼ正面で少し見上げるところでした。彼の残した装備、食料の消費量、メモ等から推測すると、昨年12月30日早朝、横尾尾根に末端から取りつき、尾根を登り、尾根上でテントにて一泊したのち、31日の午前中の早い時間帯に登行あるいは下降中に雪庇を踏むか、あるいはスリップするかして転落したものと思われます。尾根上の地点はP4とP5の間で、そんなに悪い場所ではないため、雪庇を踏み抜いた可能性が高いと推測しています.」という内容でした。

なんとこの場所は私たちが捜索した隣のエリアでしたので驚きました。我々は槍沢ロッジから下流が捜索範囲で岩稜地帯のすぐ下の標高1950mの樹林帯まで登り捜索しました。発見されたあたりは樹林帯ではなく樹木もあまりなく、一面は雪の壁で下からも目視がよくできるところでした。我々も双眼鏡でかなり念入りに探しましたがそれらしいものは見つけることが出来ませんでした。
仮に現地に入っても5月の雪の多い時では雪の下にいたのでは見つけることは困難だったでしょう。
 この発見された場所は樹林帯でなく木もすくなく日当たりの良い斜面ですから雪解けが早く進んで発見できたのでしょう。
ベテランの名越さんでも雪庇の出来る位置がわからなかったのですね。。
雪庇の危険性、そのできる位置の確認等、大きな、貴重な教訓を残していただきました。雪庇が原因で亡くなられたこと深く肝に銘じます。あなたの死は決して無駄には致しません。ありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。
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この黄色の花の名前知っていますか・・・。オオキンケイギクです。

2014-06-09 20:59:32 | 日常
平成26年6月9日
最近よく広島空港に行きことがあります。
そのとりつき道路の法面一帯が黄色の花の壁のようで見事に咲き誇っています。
よく注意して見ると国道や周辺の道路沿いには何十メートルにわたって黄色のこの花が帯の様に咲きほこっています。よく目立つ色でまとまって咲いているのでよく目につきます。
一花を折り、家に持ち帰えつて調べますと、その名前はオオキンケイギクです。
「キク科 ハルシャギク属の花。次のような説明がありました。
北アメリカ原産の帰化植物であり、栽培されていたものが野化した。河川の土手や河原を中心に広がっていったが帰化植物であっても花が美しいので移植されたり刈り残されたりした。根はよく発達し荒れ地でもよく生育するので、近年は法面などにワイルドフラワーとして播種されたことも加わって各地に広がっている。
名前の由来は「大金鶏菊」である。外来生物法によって、特定外来生物に指定され、栽培、補完、運搬、輸入、植栽が原則的に禁止されることになった。荒地に強いことから、河原で繁殖し、在来の植物に対して大きな影響を与えるからであり、カワラナデシコなどの生育する河原に侵入するとカワラナデシコは負けてしまう。」

黄色の鮮やかな色のごとく強烈な生命力のある花ですね。
異郷で生き抜くには強烈な個性が必要なのですね。
かって草原を占領したセイタカアワダチソウ、近頃はあまり目立たないですね。
日本の風土に同化して大人しくなったのでしょうか。
この花はどのように生き延びるのでしょうか
綺麗でよく目立つ花なので人々に愛され、家の庭先などに植えられて鑑賞されるかも・・・それは原則禁止されてできないのかな。

今日最高に嬉しいことがありました。
この私のブログ「まほろば日記」の6月8日のアクセス者数が全国320位にランクされました。
全国のブログ、2027477の中で320位ですよ。過去最高です。今までの最高位は1800位ですから、大躍進。
まさに奇跡です。これもみな、みなさまのお陰です。
私は平均的日本人です。思考も、行動も典型的な日本人であると信じています。
大した内容ではありませんし、有益なこともありません。特別な知識もありませんが自分の感性を信じ、これからも感じるままに記してゆきたいと思います。
これからもお立ち寄りください。ありがとうございます。
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名越さん発見される。

2014-06-07 11:55:16 | 日常
平成26年6月7日
昨日、県岳連から「名越さん発見」の第一報はいただいていたが今朝の新聞に詳しい内容が掲載されていました。
6月も広島山岳会の方は第3次の捜索に入るとの計画は聞いていましたが、県岳連としては8月に集中して参加するとの方針でした。まだ雪も深く、状況は5月とあまり変わらないので雪が溶けて消えるまでは困難ではと感じていましたが、仲間の熱意、執念が通じたのでしょう。発見できて本当に良かったと思います。タンカー爆発事故の時、行方不明の船長の捜索にあたり、船長の携帯電話の信号をキャッチしたとの報道がありそのような方法があるのなら今回の捜索でも利用できるのではと淡い期待を抱いていました。どの様な方法で発見できたのかは不明ですが新聞によれば発見場所は標高1900mと言いますから稜線直下になります。上部は雪も早く溶けます。あまり深くない位置にあったので今回の発見につながったのでしょう。しかし、雪のあるこの時期に発見できるとは今までに前例のないことでまさに奇跡です。ご家族のお気持ち、広島山岳会の皆様の苦闘を思うとき本当に早く連れてかえることができてよかったです。
 実はわたくし1週間前に名越さん発見の夢を見ました。2ガリの横から発見という夢でした。ガリーの横とは変な場所だなと感じていました。今月2回にわたり我会の勉強会で「気象遭難」という内容でお話しするので、今回の事故原因、名越さんとの大山遭難事故での出来事を考え、気に掛けていたのでこの様な夢を見たのでしょう。
ともあれ正夢になり本当に良かったです。
奥様、ご家族の皆様、山岳会の皆様本当に良かったですね。ご苦労様でした。

追記
翌日の新聞によると死因は「多発外傷」となっていました。
多発外傷」とは初めて聞く言葉です。頭部、腹部、胸部、骨盤、四股のうち二か所以上が損傷して生命の危険がある状態で緊急の処理を要するもの。とあります要するにあちこちが骨折いている交通事故にあったような状態を言うらしい。このことが果たして死因と言われるのか疑問です。
事実、大山遭難の時の死因は凍死でした。状況は頭蓋陥没骨折、脊椎損傷していても落下した後動いた形跡があるので即死ではないとの判断から凍死になったと説明を受けました。捜索の場に警察官もおられ、直接に遺体発掘を指揮されていたからその痕跡を見逃されなかったのでしょう
今回も発見後はまず最初に警察官による検視があったでしょうに・・・恐らく、遺体発掘後に警察官が来たのでしょう。 即死でないなら凍死とすべきでしょうに疑問の残る死因です。

追記2
名越さんは6月8日、現地にて火葬に付されたとのこと。
葬儀は本人の生前の希望により家族葬にて執り行うとのことです。
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山岳会だからできる山行

2014-06-03 13:46:25 | 日常
平成26年6月3日
先日、この夏に計画している北方稜線縦走山行に参加予定の会員からお電話を頂きました。彼女の周辺の方々から「あなたのような初心者がいけるようなところではない。危険だからやめなさい。]
[あなたには無理だ。中止しなさい。」とのご意見が寄せれれ自分も不安に感じはじめました。[私は大丈夫でしょうか。]とのお言葉でした。私はその回答に下記のようなお手紙を差し上げました。

  ○○ ××子様

                                 福原不二雄
お電話いただきありがとうございます。
周囲の方のご心配も当然だと思います。
ですが、山岳会の山行についてあまりご存じないのでご説明させていただきます。
今回の山行は経験豊かなリーダーがいる山岳会だからできる山行です。
初めての経験のない方ではとてもできない計画です。
危険極まりないことです。
だから周囲の方のご心配も当然なのです。
我々は過去に何度も試行錯誤を繰り返し、その経験実績を踏まえて、後輩たちのために実際に現地に趣き、
安全な登山方法を指導し、その体験を次の時代の後輩たちに伝達してゆくための計画です。
今回のコースについては今までにも実施した計画にもとずき実施いたしますのでどこにどのような危険が存在するか、そのためにはいかなる方法により克服すべきかも熟知しております。
(途中省略)一方参加者本人の実力も大切です。あなたならできると判断し参加を認めておりますが最終的には天応岩場でのクライミング能力、神島一周の体力があるか判断して決めます。(中略)
初めての経験、誰でも怖いです。それが正常です。
恐怖心のない方の方が異常なのです。
怖いから努力する。さらにそれを後押ししてくれる先生がいれば安心して頑張れる。
山岳会はその後押しをする会です。

私は何よりも安全を第一と考えています。
天候、参加者の体調不良、装備の不備等があれば危険を招来することになり、たとえ行動中でも計画を中止いたします。
仲間と協力、助け合い目標を達成し感激を分かち合うのが私の希望するところです。
「山は自己責任が原則です」
行くか行かないかはあなた自身で判断してください。

信頼は裏切りません。
ともに高みを目指そうではありませんか。
                                     以上

この手紙と合わせてかって同じような経験をされた会員の森山睦子さんの会誌に掲載された一文章を同封させていただきました。

「まさか、まさかの大山縦走」    森山睦子
 平成13年9月2日、ついに大山を4人で縦走しました。
あの時のラクダの背を歩いている写真を見ると「本当に私なのか」と夢のような心地です。
リーダーから「条件がよければ大山を縦走しよう」と言われた時、「私のようなお荷物がいかれますか」と言ったら「ロープをもっていって確保するから大丈夫」と言われました。
そのようなことをリーダーが言っても私の歩きぶりを見て「せいぜい三鈷峰までだ」と私自身がそう思っていました。
ベテランの先輩たちも口をそろえて「無理」「無理」「無理」の大合唱。「せいぜい天狗ヶ峰の所で怖い道を見て帰ってきなさい」とアドバイイス。
昼食時は少し風があったのでユートピア小屋の中で食べました。今日のこの天気では縦走はないと思いゆっくり昼食をとりました。その後、三鈷峰に登って帰り、ストレッチ体操をして「さあ、また来た道を帰ろう」とおもっていたら、リーダーが「さあ、行きましょう」とユートピア小屋の右側を上りはじめた。
その時初めて「まさか、縦走するの・・・」  幸い霧が少し出てきて、周りが霞んできました。険しい草付の尾根を登っていきます。リーダーが「この下の谷が4人の山仲間が遭難したところだ。みんなでお祈りしてゆこう。」と遭難された人の名を一人づづ話しかけるように呼び掛けられました。そして手を合わせて冥福をお乗りました。 さらに、夢中で岩尾根を登りつづけました。突然、平なところに出ました。天狗ヶ峰です。
はじめに、リーダーが「天狗ヶ峰下の危険な痩せ尾根をバランスよく通過できたら合格。大山を縦走しよう。」と言われていたところはどこだったのか。夢中で登っていたので知らぬ間に通過していたのです。「合格かな・・」  ここでハーネスをつけ、ヘルメットをかぶり、あご紐をきりりと締め、ついでに気持ちも引き締めて出発。少し行くと、崩れた痩せ尾根。「ここはロープを張ろう」 張られたロープにヘッドオンでビレーをとり歩を進めます。一歩左足を出すと南壁の方に、右足を出すと北壁の方に「ガラガラ・・・」と礫土が落ちてゆく音が不気味に響く。リーダーから「集中力だ・・・」と注意されたことを思い出し、腹式呼吸をしながら歩くと不思議と怖さがなくなりました。時折霧が晴れて、麓の景色がすっきりと見えます。元谷の方もよく見えます。稜線の斜面に咲くコゴメクサの白い花の群生の美しさに感動しました。
怖いところは「ラクダの背」の中央部分をトラバースする所でした。
そこは道がなくなって、南壁の方へ伝って歩かなくてはいけません。壁は草が生えていましたが3点確保の場所もなく、たった4歩か5歩ぐらいの距離ですが・・・・、リーダーはさっさと行きましたが私は一瞬ためらいました。下を見ると絶壁の斜面しか見えません。ふと、5月の仙酔島山行で絶壁をトラバースする歩き方を思い出しました。あの時下は海でしたが・・・思い切って足の側面に力を入れながら4歩行きまた上の道に上がった時は膝ががくがくして、蔵王岩場での初心者岩登り教室の時のようにミシンぶみしてしまいました。「ラクダの背」は地震後、通行しやすくなったといわれていますが、全員の無事な通過を待っていたかのように雨が降り始めた。リーダーが「なくなった仲間が我々を守り、通行させてくれたのだろう」と一言。大山頂上小屋に着いた時はほっとしました。もう二度と私は縦走できないと思います。リーダーありがとうございました。サポートして下さった同行の仲間の皆さん、ありがとうございました。以上

リーダーから一言。福原不二雄
大山縦走路は一般登山道ではありません。通行禁止となっています。
崩落が激しく、ロープ等の安全施設が設置できないからでしょう。一歩誤って転落すれば命の危険があり、毎年死亡事故が発生しております。
岩登りと同様に装備と訓練が必要です。また、それを行ったものだけが行かれるコースです。今までも何人もの初心者を連れて行きましたが
全員岩登り教室や訓練山行に参加し、基本をマスターしてのことです。
大山縦走の意義は「自分ではとてもいけないだろうと思っていたのに行きことが出来た。」自分の実力を100%発揮して、困難、恐怖心を克服し、目標を達成した感激、大満足、言葉に言い表せられないほどの喜びであろう。握手する手から感動がはっきりと伝わってきます。
大山縦走すると登山観が変わってきます。より真摯に訓練に取り組むようになり、より大きな目標に挑戦する気概がわいてくる。いわば、大山縦走は到達点でなく高みを目指して挑戦する出発点です。次々と後輩たちがリーダーを乗り越え成長してゆく。これほどリーダー冥利に尽きることはありません。

この二つの文章に私の言いたいことのすべてが言い尽くされています。
どの様な回答が返ってくるか楽しみです。
(写真は前回の北方稜線、難所の池の段へ下る場面です。万一、浮石などに乗り転落したら命はありません。緊張する場所です。)















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山岳会も新陳代謝する。

2014-06-02 23:40:17 | 日常
平成26年6月1日
今日、午後から福山で赤帽組合の理事会が開催されるのでその前に蔵王岩場の道が崩れているのが気になっており修復するためとまた少しはクライミングの練習するつもりで出かけたところ岩場には大勢の人たちが集まりクライミングの練習をしていました。
今日は月一度のキッズクライミング教室の日なのです。子供さんの参加予定が30人余りと沢山なので午前と午後の部に分けて実施しているとのことです。壁一面に5から6本セットしそれぞれ会員の人達がビレーされていました。担当だけでなく会長さんや事務局も来て手伝っておられました。子供が参加すればそれと同じく父兄の方も我が子の活躍を目を細めて見守っておられます。中にはお父さん挑戦者もおられました。この影響でしょうか若い世代の方の入会も増えております。それらの若い人たちがいろいろな催し物にも参加され会に新風を吹き込んでおります。会には若い人だけでなく自分の経験知識を後輩に伝えたいとの機運も盛り上げております。地図の見方を教えるため継続的やっている人もあります。私も今月2回天気の講義をする予定です。各自がそれぞれの分野において後継者を育てようという意欲も感じられます。私もここ数年で自分の経験を後輩に伝達すべく計画しています。この冬は広島の古典的ルートの十方山から内黒峠縦走をやりました。先日は恒例の久住山山行に新しいコースの三俣山縦走を加えて実施しました。
来年はまた別のルートで行います。この夏にはバリエーションルートの剣岳の北方稜線を計画、秋には前穂高岳の北尾根を予定しております。初めてでは行きにくいコースを第一歩としてやります。今回参加した人たちが次にはまた新しい人たちをガイドして連れてきてくれることを期待しています。ゆずり葉の引きつがれるごとくごとく技術や伝統が若い人たちに引き継がれ新しい芽が開花することを望んでおります。会は確実に新陳代謝しつつあります。将来の明るい希望も見えてきました。会もますます発展することでしょう。
福山市民のための山岳会として多くの人に参加してもらい登山の楽しさ、自然愛護の精神の高揚、発展することを期待しています。 
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