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PW1 ファンノイズの低減策

2024年03月15日 | 無線機

PW1はFBなリニアアンプですが、冷却ファンのノイズが大きく低減策を検討していました。 PW1には全部で5個のファンが使われています。電源ユニットの12cmファン、ファイナルアンプ冷却用8cmファンが3個、それにアンテナチューナー冷却用に8㎝ファンが1個です。

写真1 オリジナル 電源ファンを外した状態

電源ファンはPW1の電源をオンにするとすぐ回りだしゴーと言う音がし電源を切るまで同じ様なノイズが出ます。ファイナルアンプのファンはヒートシンクの温度が上昇したときオンになり、耳のそばでゴーと言う音がでます。アンテナチューナーのファンは一個だけにもかかわらずチューナーをオンにすると送信時にPAと同じ位の音がします。

ノイズ低減策はファンを静音タイプに変えれば可能です。静音タイプはファンの回転数を下げることでノイズは減りますが同時に風量が減るので熱対策としてはよくありません。 そこで技術的な議論をしているGrop.ioのPW1グループを覗いてみたところ、ファンノイズについて沢山の投稿がありました。 その中に実際にファンを静音タイプに取り換えた事例があり、それを試してみることにしました。

方法として、静音タイプのファンに交換し、かつPWM方式で温度変化に応じて回転数を制御しファンノイズの低減を図りいい結果を得ていました。 

PW1に使われているファンとPW1グループで実際に使われた静音タイプのファン比較は次の通りです。

電源ユニットのファン:

オリジナル: OPTEC DAI-ICHI DENKO  MMF-12C12DH-R06  回転数 2800/M 風量 2.7M3/M ノイズ 44dB(A)

静音タイプ:Noctua NF-P12 redux  1700rpm 2.0m3/M 25.1dB(A)

ファイナルアンプ用ファン

オリジナル: Japan servo PUDC12Z4-992 3500rpm 1.2m3/M 35dB(A)

静音タイプ: Noctua  NF-A8  2200rpm 0.925m3/M 17.7dB(A)

アンテナチューナー: 使用頻度が低いため交換せず

Noctuaのファンは元はパソコン用に開発されファンノイズ低減のため羽の形状、ベアリングなどいろんな工夫がされノイズが少なくなっています。電源用を見るとオリジナルでは44dBだったのが25.1dBまで低減されていますが、風量は2.7から2.0となっていて、これがどの程度リニアアンプの電源に影響するか興味あるところです。 

PWMによるファン回転数制御にはPWM用温度センサーモジュールが必要です。 PW1オリジナルではサーモスタットによりある温度になったらファンが回転するようになっています。 GroupIOの記事ではPW1オリジナルは使わずセンサーモジュールを電源用とPA用の2つを用意し、センサーを各々のヒートシンクに張り付け、ファンはそのモジュールに接続しています。このモジュールはアマゾンで入手可能ですが、ファンだけ交換してみることにしました。

Noctuaのファンは秋葉原のパソコンショップで入手可能です。電源用1つとPA用3つで10K弱でした。10k円の投資で雑音低減は如何に?と言う感じです。 パソコンショップで物色していると回転数を落とし静音用とうたった製品が1//3位の価格で販売されていますが、よく見ると風量が大幅に少なくなっていてリニアの冷却には適しません。

取り換えの段取り:

1. ファンを交換するにはリアパネルを外す必要があります。 本体を解体するにはネジ100本位を外す必要がありますが、リアパネルだけだと20本位で済みます。リアパネルを外すとき、ケーブル類を一時的に外す必要があります。 メモするか写真を撮っておくと元に戻すとき楽です。

2. 電源用ファンは4本のネジを外せば簡単に取り換えできます。 このネジは50ミリ長の4ミリネジで、ナットは電源ユニット内部に接着剤で固定されています。なので、ネジを押したりするとナットが外れユニット内部に落ちそれを拾うには本体から電源ユニットを外し解体する必要があります。もしそうなったら何時間もロスタイムがでてしまいます。Noctuaファンはオリジナルより薄いので元の50ミリネジは長すぎるので40mミリに交換しています。50ミリをそのまま使うと電源ユニット内部に大きくはみ出て内部で他の部品に接触する可能性があります。

3.PA用は3つのPA基盤からでているファン用電源線をNoctuaに接続するだけです。交換自体は元のファンの六角ネジを外し簡単に交換できます。

4. Noctuaのファンには4ピンのコネクタがついていて、PC基盤にさせる様になっています。PW1のファン端子は3ピンでかつ形状も異なるのでそのままつなぐわけには行きません。 まず、既存のファンのケーブルをカットし、4ピン端子に合うオスコネクタに半田付けします。オスコネクタは2.5ミリピッチ?の端子で代用できます。

5. 電源用ファンのケーブルはリアパネルを元に戻すとき隙間がなく内部に収容できません。そこで写真の様に見てくれは悪いですがそとに収容することにしました。

以上の作業により、電源ファンは常時回転、ファイナルユニットのファンは温度が上がった時に回転となります。

結果: 電源ファンは元に比べるとかなりノイズがへりほとんど気になりません。 ファイナルユニットのファンは温度メータがHOTになる少し前から動作し、思っていたよりノイズが少なくなりました。 定量的な結果は測定器もなくわかりませんが、ほとんど気にならないレベルと言った感じです。

風量が減った分ストレスが既存の部品にかかるので、ある期間使って評価する必要があると思います。 いずれにしても電源オン時と同時に発生する大きなノイズがかなり低減されたので実験結果オーライとします。 次はPWM用モジュールを入手してスタンバイ時の電源ファンをもっと回転数を落とす実験です。 

写真2 120ミリの電源FAN Noctua  厚さ25ミリ

写真3 Noctuaのファンに交換 (左上のATU用ファンはそのまま)

写真4 交換後動作確認しているところ。 電源ファンのケーブルは外でこのように収容。

 

 

 

 


1 コメント

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Unknown (jj1ttg/aki)
2024-03-17 16:51:31
デバイスは違えど、熱対策は重要ですよね。
チムニー+シロッコファンのノウハウとはまた別モノかと。(そんな苦労をしてみたい笑)

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