変わったアンテナの実験をしたので紹介します。 ことの始まりは714X(40/20/15 トライバンド八木)のブームにミニマルチのRN3(30/17/12のWARCバンドダイポール)を搭載し10メガと18メガはSWRも低く結構飛びも良くしばらく使用していました。 ある日、ネットでアンテナの実験記事を見ていたらRN3(多分をドリブンエレメントにしその両脇に248Aのリフレクタとディレクタを乗せた3エレ八木が目に留まりました。写真だけで詳しいことは一切分かりませんが、幸い手持ちに248AのジャンクがあったのでRN3を中心に反射器と導波器を714Xのブームに取り付けました。
一本のブーム上にエレメントを並べ7,10,14,18,21,24メガをカバーするアンテナが出来上がりました(性能他は別として!)
エレベータで降ろした状態で測定すると18メガではRN3とほぼ同じところにSWR最低点があり、10メガは若干周波数が上昇、24メガはかなり高い方にずれていました(が、SWRは3以下なのでチューナーを使えばなんとか使えそうです。 この実験をしたのは18メガのRDPでも結構楽しめますが、ビームを使っている局の交信相手のDXが聞こえないことが多かったためです。 写真はQRZドットコムに掲載しています。
714Xはマストから極近いところにドリブンエレメントがあるので、エレベータ式タワーでは搭載できません。 そこで4本のアルミパイプで構成されているブームの内一本を、一回り肉厚があるかつ長めのパイプに交換し714Xのエレメント間隔はそのままでタワーに当たりそうなドライブエレメントをタワーから離しています。 そこにRN3を乗せるとまたバランスが崩れますが、RN3自体が軽いのでマストクランプのところで微調整ですみました。ところが、更に248Aのエレメント2本をRN3から規定の距離を保って配置すると完全にバランスが崩れます。 そこで一時的にバランサーをブームの端に取り付けエレベータの昇降がスムーズに行くよう調整してあります。このバランサーがないとエレベータの上げ下げ時にトラックとレールの擦れる音が結構鳴ります。
ところで結果ですが、10メガは前と変わらずダイポールとして動作し問題ないようです。 18メガは物は試しにCQに応答してくれた局に実験に付き合っていただきフロントでS8程度、サイドは大幅に信号ダウン、バックではS5程度で、驚くことにビームとして動作していました。アンテナを回して受信しても同じ程度でした。 DXの信号を受信しながら回すと確かにFB比もあり使えそうです。 しかし、フロントゲインがどれくらいあるかなどはしばらく使って他局が送っているレポートと、DXの信号がどう聞こえるか試してみないと分かりません。 24メガはまともなチェックはしていません。
一方714Xの方は、7メガは以前と変わらずでしたが、14メガと21メガはWARCバンドのエレメントが近いせいか多少影響を受けた感じがします(SWR上は大きな変化はなかったですが、定量的なデータはまだ取ってません)。
同一ブーム上にアルミパイプを一杯乗せマルチバンド化したアメリカのJKアンテナやEUのメーカーはいろんなシュミレーション繰り返し繰り返し最適解で商品を送り出しているので多くのDX局が使用しています。が、日本ではトラップやローディングコイルが入ったアンテナが一般的なですね。 理由は分かりませんが。 そういった面からStepIRや日本製のコンピュータ制御アンテナが一番理想的だと思います。これから導入するのも大変なので手持ち材料で実験して楽しんでいます。