欧文CWで599BKやラバスタQSOに慣れた後、欧文の平文CWで会話が出来る様になると無線の楽しみがグッと増えることは間違いないと思います。 しかし、そこに到達するにはCW受信力をアップするだけでなく英語力も必要となるため時間がかかります。
国内ではFEA NETメンバーの方が週末7026KHzで切磋琢磨されていますが、それ以外ではあまり欧文CW平文QSOは聞きません。 モールス信号の受信は出来ても英語のハードルがあるためだと思います。そこで、実際にどんなふうに平文QSOがなされているのか参考例がネット上にいくつかあったので紹介しその後でスキルアップについて考えてみたいと思います。
次のURLでCW平文QSOの開始から終わりまで見ることができます。 スウェーデンとイギリスのハムのCW QSOです。 ビデオにテキストが表示されているので交信内容は分かると思いますが、そのテキストを見てみましょう。
この二人は多分何回かQSOしたことがありそうですが、話は一般的なところから始まっています。 定型文の後73を送る代わりに、今週末どうするの? との問いかけから会話が進んでいます。
定型文(ラバースタンプ)の後、what are you going to do this weekend? と問いかけると相手から、I am going to shopping with my family とか、何か言ってるはずなので今度はその内容に対し、with your XYL or children? とか聞いて話をつないでいくことで何回かやり取りできると思います。
とはいっても慣れないうちは質問しても何を言ってくるかわからないのでつい73を送ってしまうと思いますが、それにめげず、分からなければQRSや再送を依頼すれば相手もそれなりの対応をしてくれると思います。よくわからないから73でも仕方ないですが、その時はemailで状況を連絡し次回出会ったときの対応をお願いしておくと次につながります。
スキルアップの方法(一例):
欧文CWチャットを目指す場合キーとなるのは受信能力と英語力です。この二つは組み合わせなのでどちらかが欠けてもうまく行きません。そこで、両方の能力を上げるためのステップを考えてみました。
① 定型QSOは文章が殆ど同じなので無意識に聞いた符号が無意識に理解できるまで受信練習する。(⇒英語の瞬間英作文をやっている感じです)。
② 平文CWを聞きながら何を言っているのかワッチする。最初は言葉にならなくてもあきらめずに受信し、メモを取り一部取れなくても文章が分かるかどうか気にしながら受信練習を行う。 英語のリスニング練習と同じ様な感じです。聞こえた単語をつないで意味を類推する訓練、実際は主語と述語動詞が聞き取れると意味がつかめてきますが、CWで聞いた単語でどれがSでどれがVなのか無意識に分かるには結構時間がかかるはずです。
③ 符号が取れても英語として理解できない可能性もあるので都度英文の意味を確認する。⇒ ここまで来るとCWより英語の方にストレスがかかる。ここら辺から実際にQSOして慣れてゆくのがベストな練習になるはずです。
④ 出来るだけメモは取らず暗記受信し頭の中に英文が出てくるようにする。言っていることが分かってくると返事もしやすくなるはずです。
ここまでくるとやり取りはかなり楽にできると思いますが、話の内容次第でさっぱり理解できないこともあるはずです。がそんな時は会話自体が難しいので話題を変える気持ちが必要かもしれません。
話題をどうする?:
話題をどうするか、日々起きているニュースなどを話題にすると、知らない単語に出会うので身近な自分自身の仕事の経験などを言うか、QRZドットコムに相手のシャックやアンテナがあればそれを題材にする、または相手の住んでいるところがQRZ⇒Googleマップから ぽつんと一軒家 であればそれについて聞いてみる(実際ハワイのある局は山の中の一軒家でソーラーパワーで楽しんでいたので沢山質問できました)、しかし、Bioのところに何も書いて無ければ話のトリガもないのでその時は週末の予定とか問いかけると良いかもしれません。
ヒント: 思いつく場面で使える英文をあらかじめ作っておくと瞬間英作文的に利用できます。
又、実際に使える active vocabulary = 瞬時に出てくる英単語 は限られているので瞬間英作文の練習は役に立つと思います。 いずれにしても終わりのない継続した努力が必要なので適当なところで妥協しながら細く長く楽しむのが良いと感じています。