JA1KIH's Radio Memo

DXとの交流や設備メンテなどをアップしています。

WSJT-Xログデータとハムログ最新バージョン

2021年05月18日 | 無線機

ハムログの最新バージョン 5.32b にはWSJT-Xのログデータを読み込む機能が付いています。オプションメニューの一番下にある、T-Get'sをクリックするとWSJT-Xのログデータが出てきて、FT8のQSO成立後(RR73)JT-linkerを使わなくてもハムログにデータの転送ができます。

と、便利になったのですが、相変わらずCOMポート不足はそのままです。 従来 JT-LinkerをWSJT-Xとハムログ間に入れても無線機にはCOMポートが二つ必要だったので、ハムログにFT8データを取り込む機能が付いたのでCOMポートが一つで済むのかと思ったら、それはNGで、2つ必要でした。 

今まで無線機のCOMポートを増やすために:

1)VSPEやLPB-2を導入して対処するケース(無線機のCOMポートが一つの場合)

2)2つ以上のCOMポートを持つ無線機を使うケース (IC-7300には一つプラス出来る記事があります)

3)USBx1+RS232Cの無線機はシリアルポートをUSBに変換して2つのCOMポートするケース

のどれかになります。

しばらく検討していて、次の様にするとCOMポート一つでFT8データをハムログに取り込むことができました。 と、言っても原始的な方法で、ソフトの立ち上げ順番を変えるだけです。

まず、WSJT-Xを立ち上げFT8が使えるようにしておきます。 この時点で無線機にあるUSBはWSJT-Xに占領されます。 次にハムログを立ち上げますが、COMポートがないと言ってきますが、無視して立ち上げます。リグとハムログは交信はなくなり、周波数やMODEは読み込めません。

FT8でQSOが終わったらデータをセーブするようにWSJT-X側で設定してあればデータは保存されます。次にハムログのJTーGet’sをクリックし、強制転送をクリックするとハムログにQSOデータが取り込まれます。 もちろん、ハムログ側ではWSJT-Xのデータを取り込めるようにパスの設定はしておきます。(いくつか解説記事がでています)

この方法によりCOMポート一つあればFT8のQSOデータをハムログに電子的に送ることができ、手入力でのミスはなくなります。

CWやSSBモードに戻るときは、WSJT-Xをオフにして、またハムログも再立ち上げし無線機と連動するようにすればOKです。

CWやSSBで閑古鳥が鳴いている時でもデジタルモードは沢山の局がQRVしているので楽しめますが、ハムログの最新バージョンでより簡単にログ管理ができるようになったと思います。 

 

 


スーパーステーション出現 ・・ビンテージリグで新スプリアス対応総通落成検査合格 の紹介

2021年05月06日 | 無線機

新スプリアス対応設備でKWと言えば大半が市販の新スプリアス対応リグとアンプで構成されていますが、友人のJA2HXR局はなんと50年前のアメリカ製のかの有名なコリンズKWM-2Aと30S-1でHF帯1KWを、6mはTS-690Vに自作の3CX-800Aのアンプで500W、144/430/1200メガはTS-790Gに自作のアンプで50W(2mと70㎝)と10W(1200メガ)の総通の落成検査を受け合格しました。 その概要を紹介したいと思います。もちろんご本人の了解は得ています。 KW免許トライ中の方など、何かの参考になれば幸いです。 

プロジェクト概要

目的はビンテージリグとアンプで新スプリアス対応の総通検査に合格することです。 

2020年6月に申請を行い10月に変更許可取得、12月に試験電波発射届を行い、今年、2021年2月検査を受け、4月に免許状が発行されました。

丁度申請から一年半!かかったことになります。

事前準備

申請にあたり、スプリアス発射及び不要発射の強度確認届出書、を添付しなければなりません。一番時間をかけたのは規格を満たすための実験で、HF帯は基本周波数の尖頭電力より50dB低い値で50メガ以上は70dB低い値を確保するため、各周波数対応のローパスフィルタを挿入して規格を満たしています。スペアナは校正済みのものを使用したとのことです。

装置構成

HF帯の基本はKWM-2A に 4CX-1000Aを使ったコリンズ30S-1で構成し、VFOはDDSで安定化を図っています。

50メガはエキサイタにTS690Vを使い自作の4CX800Aのリニアで500ワットを得ています。

144・430・1200メガはTS790Gに自作アンプ(144と430メガ)で構成しています。驚くのは2C39Aという真空管を使ったリニアアンプです。すごいです。2C39に興味のあるかたはネット検索すると沢山出てきます。

 

設備全景

シャックがどうなっているか気になりますね。 早速紹介しましょう。

左に写っている大きなのがコリンズの30S-1アンプです。デカいですね。

ラック右側の一番下が自作50メガ500ワットアンプです。すっきりした前面パネルです。

その上がKWM-2Aです。WARCバンドが入っていないので免許はいわゆるレギュラーバンドの3.5メガから21メガです。M2の前にあるのがDDS VFOです。

KWM-2Aの上がTS690Vでその上がTS790Gです。

ラックの一番上の左が2C39Aを使った144メガの50ワットアンプ、その右が2C39Aを使った430メガの50ワットアンプです。自作とは思えないすっきりしたパネル面です。

 

 

免許状

一年半のプロジェクトの集大成は総通から発給された免許状です。 素晴らしいの一言ですね。

もちろん新スプリアス対応なので備考欄には平成34年11月・・というような記述はありません。

ちなみに検査合格証も公開しましょう。

次期プロジェクト

OMは今回の経験をベースにコリンズのオートチューンアンプやハリスのRF-110AというプリセットアンプでKWを目論んでいるとのことで、実験を楽しまれています。