Armchair copyと言う言葉を聞いたことがありますか? 実際のQSOで相手からこの言葉を聞いてなんとなくわかったような気になりましたがどんな意味なのか聞いてみました。 その言葉が出た状況は、相手局は北米のモービル運用で、大型SUVのエンジンを回しながら800ワットの半導体リニアの冷却ファンがうるさく回っている車内からSSBを運用している状況で、コンデションが良くなりトランシーバーから出てくる受信音(私の声です)がクリアに聞こえたときでした。 要はリニアのファンやエンジンの音がうるさくて弱い信号が聞きにくいような環境で大きな音で聞こえるようになったとき、隣り合わせの席(肘掛け椅子=armchair)でしゃべっているようにクリアに聞こえるよと言うときに使う言葉が armchair copy ということでした。信号が強くかつQRMやQRNがなく聞こえるとき放送局の様な音で聞こえるとか言いますがそれと同じ様な意味だそうです。辞書で調べても出てきませんがイメージはわかりますね。 もし、SSBのQSOで相手の声が本当によく聞こえるときにこの言葉を使うことができると思います。
ちょっと話はずれますが、NTTなどが提供している電話システムは大雑把に言うと; 電話機ー加入者ケーブルー交換局ー伝送路(無線や有線通信)ー交換局ー加入者ケーブルー電話機 で構成されています。 人が喋ったり聞いたりするので人間と通信網の接点はアナログの世界ですが、一旦人の声が電話システムに取り込まれると今はすべてデジタル処理されます(その昔はここもアナログでした)。
アナログの部分を定義(人の声の大きさや耳にどんなレベルが入ればいいのかを決めることです)してシステム全体を設計しますが、この定義は世界的な取り決めで決まっています。 その定義は2人の話者の間にある雑音がある状態で1m離れちゃんと会話ができることとなっています。オピニオン評価と言ってまたこれアナログ的ですが、実際に離れた2地点間で通話して電話網の評価をします。
アマチュア無線ではこんな定義は意味がありませんが、参考になると思います。携帯電話でしゃべるとき、静かな部屋と、人がたくさんいる催し会場の雑踏の中では同じ携帯電話機やスマホを使っていても違った機械の様に感じると思いますが、それは人間と機械がアナログでつながっているからです。 CWは受信帯域を絞ればSNがよくなり、微弱信号でもクリアにコピーできますが、スピーカで聞くのとヘッドフォンで聞くのではやはり違うはずで、シャック内で無線機のファンがうなっていたらSN低下につながり、他人がいて何かしゃべっているとそれもQRKを落とす原因になります(全部当たり前の話ですが)。
そう考えると、やはり、armchair copy という言葉を使えるのは車に乗って周りの雑音レベルが高いときとか、ハムフェアなど騒音環境の中などの記念局運用時などに限定されるのでしょうか? 次回チャンスがあればより詳しく聞いてみたいと思います。