VK2ARZ Maxが今年も日本にやってきました。 彼は現在86歳、元オーストラリア鉄道のエンジニアで訳あって独身、唯一の身内である妹のPamさんは600Km離れたところに住んでいるのでシドニーで独居(老人?)生活、無線が唯一の楽しみだそうです。
彼は1960年代に右目の視力がなくなり義眼、左目も2000年のころ視力が大きく損なわれかろうじて光がかすかに?わかるレベルの超弱視です。 自作と思われるロッドアンテナ(多分)を利用した白い杖を頼りに一人で大方のことはできる様です。 来日の目的は東松山で毎年開催されるウオーキングラリーに参加するためです。しかし、今年は残念ながら台風の影響で中止になってしまいました。 この日本でのラリー前後に韓国と台湾でも同じようなラリーがあり、当初の予定では シドニー ⇒ ソウル ⇒ 東松山 ⇒ 台北 となっていて旅行日程表では東松山に3日間滞在となっていました。
このウオーキングラリーはハンディキャップを持った人もたくさん参加している様で、世界中の多くの町で毎年行われている様です。 ウオーキングラリーはいつから参加しているのか聞いたところ、目のハンディキャップとの関係を語ってくれました。 若いころ、1960年代に右目の視力がなくなり義眼になり、その後2000年までは左目で不自由なく生活していて、元気な内にできることはやろうとグライダーに没頭し、アメリカのNMやニュージーランドで合計数百時間のフライト歴を持っているそうです。一番長距離フライトはNM(ニューメキシコ州)からCO(コロラド州)、風に乗ると一気に数百キロのフライトを楽しめると過去を懐かしむように語っていました。左目も21世紀になったころほとんど見えなくなりグライダーは無理となってしまいました。 しかし目が見えなくても体を動かし、いろんな人とのかかわりを持ちたいとの考えからウオーキングラリー参加を決め、イタリアやハンガリーなどEU各国のラリーに参加、アジアでは台湾や韓国それに日本で定期的に参加しています。一日に5キロから10キロ程度を歩き、そのあと参加者でワイワイ楽しむようです。 ラリー参加者と顔見知りになり(多分弱視者ということで目立つかもしれませんね)楽しい時間が過ごせそれを楽しみにしている様でした。
彼はCWがメインで14メガや7メガでよくQRVしていますが、当局が初めてQSOしたのは2016年1月でした。 その年確か9月頃メールが届き(とは言ってもDisplayが見えないので妹のPamさんの代筆ですが)それから4回来日し、昨年は残念ながらアイボールできませんでしたが、JJ1RZGさんシャック訪問や英語とスペイン語の達者なJA1CORさんとご一緒した秋葉原探索などを思い出します。
電車で移動中色んな話をする時間が持て、以前から疑問だった86歳と高齢に加え弱視で自由に動くのも制約が多いのになぜDXのラリーに参加するのか聞いてみました。答えはシンプルで、今できることをやるだけ・・・。 とは言ってもその実行力には大いに刺激されました。 しかし、話していると後数年はできるかもしれないがこれだけはわからない、その時になったらシドニーの一軒家を引き払って唯一の身内である妹家族の近くに移る考えだと。