歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

光る君へ ③ 末法の世で! 国風文化で! かな文字で! 受領貴族で! 紫式部誕生!

2024年03月30日 | テレビの話し

冒頭から、勘違いのお話です。

作者の " 大石 静さん "ですが、それなりに、何となく、知っていたお名前でしたが、私は男性とばかり思い込んでいました。

まさか、まさかの、女性だとは! つい先日、経歴を見ていたら、日本女子大卒業とあり、えっ ! そうだったの ! この誤解は、" 伊集院 静 " からの 、勝手な思い込みだったようです。

世間では、それなりに、"ラブストーリーの名手"と言われているようです。知りませんでした。

そうなると、このドラマは、 "ラブストーリー" として見るのが王道なのかも ? 権力闘争は、あくまでも、背景として、物語として、拗らせ、悩み、苦しむ、障害物としての役割 ? 

でも、しかし、やはり、いま放送の大河です。単なるラブストーリーではなく、それとなく、なんとなく、「男女共同参画社会」を絡ませて、それなりに、いまを物語に忍ばせている ? 

まあ、ラブストーリーには興味が薄くなるお年頃なので、勝手に権力闘争を重点に見ていく所存です。それでも、恋の、絡み合い、もつれ合いにも、未だ、それなりに興味はあります。

それで、前回は 「遠くの国へ」、「月夜の陰謀」で、道長と"まひろ"が、それなりに、思いを重ね、誓い合ったところで終わりました。

そして、今回、「まどう心」、「思いの果て」です。二人の恋は、当然ラブストーリーですから、もつれに、もつれて、想定外で、行き違いで、すれ違いで、物語は展開していきます。

まひろの父は政変で失職、日ごろ歌の会で、それなりに通じ合う、理解し合う、左大臣源雅信の娘 "倫子"に力添えを願い出るが、

『それは難しいわ!。だって、それ、摂政様がお決めになったことでしょう ? 摂政様のご決断は、すなわち帝のご決断。左大臣とて覆すことはできません。ごめんなさいね、お力になれなくて』

※これまでのシーンでは、華さんは、お姫様より、お女中向きと思って見ていたのですが、この厳しい表情は、やはり、お姫様に見えてきました。

『では、摂政様に直接お目にかかって・・・』

『おやめなさい ! 摂政様はあなたがお会いできるような方ではありません』

歌の会で見せる顔とは異なる、権力構造に肯定的で従順で、いつもとは異なる厳しい口調で否定されて、戸惑う まひろ。

それで、NHKのHPを見ると、

源 倫子(みなもと の ともこ) 源 雅信の娘で、宇多天皇のひ孫。おおらかさと強さを併せ持つ女性。まひろ(紫式部)とも交流があり、不思議な関係が築かれていく』と、紹介されています。

でも、しかし、わたしとしては、" おおらかさと強さを併せ持つ "  だけではなく、賢さと、したたかさを併せ持つ、そんな女性に見えます。

 

そして、倫子に止められても、まひろは、身分の差など、屁とも思わず、道長の父で、摂政の" 兼家 "に直談判。

しかし、

※段田さん、憎たらしくて、イイ感じで、確かに摂政関白 兼家に見えます。

『そなたの父はわしの命は聞けぬと、はっきり申した。・・・一たび背いた者に情けをかけることはせぬ。わしの目の黒いうちに、そなたの父は官職を得ることはない、さがれ ! 』

と、厳しく、冷たく、憎たらしく、拒絶されます。

まひろの訪問を遠くから見届け、驚く道長。父に訪問の件を聞くと、

『虫けらが迷い込んだだけだ』

と、一言。

下級とは言え、貴族の娘。でも、やっぱり、天皇と同等の、いや、それ以上の権力者にとって、下級貴族は、やっぱり虫けら?

そこで、ここで、歴史のお勉強をしたいと思います。物語の時代背景です。

"まひろ" こと、紫式部ですが、所領を持たない下級の貴族。官職を失えば飢え死にです。この下級貴族を"受領貴族"と云うそうです。受領については各自で検索して下さい。

それで、紫式部の「源氏物語」ですが、その誕生の時代背景として、歴史書を紐解くと、

①中国文化へのあこがれは失せ、文学では漢字から、仮名を使ってありのままの感情が生き生きと表現される。国風文化の始まりる。

②仏教は貴族と密接に結びつき世俗化、現生利益追求に走り堕落。

③ 世俗化した宗教に対して、新たな浄土思想が広まる。それに連なって末法思想が広がる。末法とは、釈迦の生きていた時代から遠くなるに従って、仏法は行われず、いろいろな災厄が起こると云う思想。日本では1052年(永承7年)に、末法の世に入ったと信じられた。

④この当時の社会は、末法到来を思わせるように、地震、飢餓、疾病などの天災地異が相次いだ。

⑤かな文字の使用が広がる → 感情や思想の表現が自由に → かな文字は女性が使用 → 女流文学が盛んになる。

⑥女流文学者はその多くが受領貴族の出身で政府と農民との間に立ち、社会の矛盾をもっとも敏感に感じる地位にあった。

と云う事で、  "まひろ" 誕生の歴史的背景でした。

ここまで、それなりに、いろいろ調べて、ボケ防止になりました。

話は途中ですが、長くなったので、これで、本日はお終い。

それにしても、今日は、暑い。

 

それでは、また。

 

 

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" 光る君へ " ② 道長の尻を蹴り上げ ! そして誓い合い身を重ね合う"まひろと道長"

2024年03月22日 | テレビの話し

"光る君へ" 3月3日放送の第10回「遠くの国へ」、10日放送の第11回「月夜の陰謀」までを、先日、見ました。

それにしても、毎回、オープニングで流れる、テーマ曲と云い、タイトルバックの映像と云い、それなりに、お金と手間暇かけ、豪華で絢爛で雅で、格調高く、妖艶で、とても、とても、好きです。

それで、「遠くの国へ」「月夜の陰謀」のお話です。

支配体制の頂点近い位置に居る、藤原家の三男の道長。史実では、道長の時代に、藤原家の "摂関政治" の全盛期を迎えた、とされています。権力闘争大好き人間だったようです。

このドラマでは、謀略を巡らす権力闘争には興味なし、極少数の支配階級に、富と権力が集中し、圧倒的多数の被支配階級は、貧しく、卑しいとされる、国家の在り方に疑問を抱く、そんな男として描かれています。

脚本家は当然、道長の史実は "百も承知で二百も合点" ですから、若き日の道長が、権力闘争大好き人間に変化していく過程を、まひろ(紫式部)との関係の中でドラマチックに描きあげると云う寸法?

権力は魔力的で、魅力的で、維持するためには、志とは異なる政策も、時には必要となり、そんな、こんなを繰り返すうちに、いつしか、逆転現象が起こり、権力維持が目的となり、志は遠く彼方に消え失せてしまう? 

はい、それでは、この辺で、ドラマに戻ります。

政治に関心のない道長、父たちの権力闘争に嫌気がさし、"まひろ"に、

『一緒に都を出よう。海の見える遠くの国へ行こう。俺たちが寄り添って生きるにはそれしかない』

『どうしたの?』

『もっと早く決心するべきであった。許せ』

『そんな・・・。』

『藤原を捨てる。お前の母の敵である男の弟であることをやめる。右大臣の息子であることも、東宮様の叔父であることもやめる。だから一緒に来てくれ』

『道長さま・・・。うれしゅうございます。うれしいけど・・・どうしていいか分からない。

『分からない?』

『大臣や摂政や関白になる道をを本当に捨てる?』

『捨てる。まひろと生きてゆくこと、それ以外に望みはない』

『でも、あなたが偉くならなければ、直秀のような無残な死に方をする人は無くならないわ。鳥辺野で、泥まみれで泣いている姿を見て、以前にも増して道長様のことを好きになった。前より、ずっと、ずっと、ずっと好きになった。だから、帰り道私も、このまま遠くへ行こうと言いそうになった。でも、言えなかった。なぜ言えなかったのか、あの時は、よく分からなかった。でも後で気づいたわ、二人で都を出ても世の中は変わらないから。道長様は偉い人になって、直秀のような理不尽な殺され方をする人が出ないような、よりよき政をする使命があるのよ。・・・この国を変えるために、道長様は高貴な家に生まれてきた。・・・ひもじい思いもしたこともなない高貴な育ちのあなたが、生きていくために魚を採ったり、木を切ったり、畑を耕している姿、全然思い浮かばない』

『まひろと一緒ならやっていける』

ここで、まひろは、:現実から逃げるな、現実をみろ、と、きつく、強く、厳しく、道長の尻を蹴り上げ、突き放す言葉を放ちます。

『己の使命を果たしてください !  一緒に遠くの国には行かない ! 』

そして、すかさず、心を引き寄せ鷲づかみの言葉、

『でも、私は、都であなたのことを見つめ続けます。片時も目を離さず、誰よりも愛おしい道長様が、政によって、この国を変えていく様を、死ぬまで見続けます』

道長はまひろの言葉に、想いに、心を揺さぶられ、動かされ、誓いあい、心を、唇を、身を、重ね、想いを一つにするのです。

世の中は、男と女の "上部構造と下部構造" と、社会の上部構造と下部構造が、絡み合い、もつれ合い、変化していくのかも・・・・・・。

 このカット、まひろと云うよりも、かなりリアルな吉高由里子 ? 吉高の、甘ったるく、やわらかい、笑顔、話し方と声、好きです。

実際の紫式部とは吉高由里子は、内面的には似ていて 、二人は、かなり理屈ぽく面倒くさい女性では ? 外面的には、かなり異なる女性だったような気がします。

 

それで、このカット、この台詞もよかった。涙を流すまひろに、道長は、

『振ったのはお前だぞ』

『人は幸せでも泣くし、悲しくても泣くのよ』

『これは、どっちなんだ ? 』

『どっちも。・・・幸せで悲しい』

道長とまひろ、最上級の貴族と、最下級の貴族、都では、決して結ばれることは無い、悲しい決断。このことで、まひろの志を成し遂げる、一歩を踏み出した喜び。

まひろは、紫式部は、面倒で、ムズカシイ女性なのです。

『送っていこう・・・また会おう。これで会えなくなるのは嫌だ』

すこしだけ微笑む "まひろ"

いいシーンでした。吉高の表情が、涙が、セリフの間が、語り口が、いい芝居をしています。そうでした、音楽も、照明も、セットも、カメラワークとても良かった。そうでした、脚本が、演出がよかったのでした。

この回の、このシーンが、前半の山場でした。

しかし、この設定は、前回の "どうする家康" の「家康と瀬名」の関係と、うりふたつに見えてしまいます。

所詮、この世は、女と男・・・ですかね ?

歴史は、女によって創られる ?  なんて諺が、格言が、言い伝えが、有ったような ?無かったような? 

それにしても、面倒くさい女に惚れてしまった道長。史実には、道長と紫式部に、それなりの関係を示す記録は無いようです。ただ、「紫式部日記」には、少しだけ道長について触れた記述はあるようです。

兎に角、"光る君へ" 面白いです。

 

それでは、また。

 

 

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戦争はヤメロ !  子供たちを泣かすな !  傷つけるな !  殺すな ! ウクライナに平和を!

2024年03月07日 | 世間話し

3年目に突入し、関心が薄れつつあるウクライナ戦争。

EU・NATO諸国は、経済的に、軍事支援的に、"ウクライナ疲れ" が漂いはじめました。

米大統領選では、ウクライナから手を引けと叫ぶ、トランプの再選が、"もしトラ"から、"ほぼトラ"に変化しつつある、今日この頃。

何故か、不思議に、戦争を始めるは民主党政権で、終わらせるのは共和党政権。

民主主義とか、自由とか、奇麗ごとで開戦する民主党。戦争により、経済が、国が、疲弊して、実利的に、銭金的に停戦する共和党 ? 

それでも、毎日、毎日、ウクライナでは、一般国民が、子供が、若者が、老人が、兵士が、爆撃で、ミサイルで、砲弾で、銃弾で、地雷で、負傷し、命を落としているのです。

ロシア側も当然、戦死者、負傷者はウクライナと同じか、それ以上かと思われます。

戦争は、兵力が拮抗していると、どちらも負けないし、どちらも勝てないし、いつまでも、いつまでも、殺し合いはつづきます。

NATO諸国の軍事支援は、ロシアを追い詰めるほどの軍事支援は行っていません。

ロシアもNATOも核保有国、互いに核兵器の使用は世界の破滅で、勝利者のない戦争となることが判っているのです。

核兵器の戦争抑止力は、核戦争への抑止力で、通常戦争の抑止力にはならない事が証明されました。

第二次大戦以降、これまでの戦争は、ほぼ非対称の戦争でした。今回の "ロシア対NATO" のウクライナ戦争が初めての、戦力が拮抗する、大国どうしの通常兵器での戦争。

世界は、いまだに、争い事の解決手段として、武力が物言う戦国の世。

即時停戦しかありません。戦況は、まさに膠着状態で、消耗戦で、死傷者が増え続けるだけで、何も解決しません。

そもそもです、ソ連邦崩壊後、旧ソ連邦の諸国が、EUに、NATOに、続々と加盟し、遂にロシアの隣国ウクライナにまで迫り、このままでは、次はロシア、と、プーチンは追い詰められ、そして、短期制圧できるとしてウクライナに侵攻を開始。

そもそもです、NATO諸国、特に英米は、プーチンを挑発して、ウクライナに侵攻させ、ロシアを侵略者として、民主主義の、自由の、敵として、経済制裁で世界から孤立させ、締め上げ、プーチン体制を、ロシアを、弱体化できると踏んでいたのでした。

世界は、ロシアへの経済制裁に参加しませんでした。参加したのは、NATO・米国と、その "手下的" な国だけでした。

どちらの思惑も外れたのです。ホントに、昔から言われるように、戦争は始めるのは容易いが、終わらせるのは、とても、とても、困難なのです。

そして、そして、戦争が、いつまでも、いつまでも、つづくことを願う戦争商人・武器商人の存在が、事をややこしくしているのです。

兎に角、戦争はヤメロ !  子供たちを泣かすな !  傷つけるな !  殺すな ! 

正義の敵は、もう一つの正義。

日本は、どちらにも加担するな !

 

いろいろな国の、いろいろな立場の、いろいろな人々より、語られ始めた停戦条件案。

EU・NATOに加盟しない とする、ウクライナの "永世中立化" です。

問題は、非武装か、武装中立化です。

兎に角、武器をおき殺し合いを止め、停戦交渉です。

もう、それしかありません。

今年こそ、ウクライナに平和を !

 

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