歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

『だから荒野』③老いた原爆の語り部が昼食にラーメン屋でチャーシュー麺と炒飯を食べる展開にニヤリ!?

2015年02月14日 | テレビの話し
前回の続きです。

前回もまたまたストーリーとは離れて、“履歴書と請求書”何て、とても、とても、お古いお話をしてしまいました。

今日こそ、間違いなく本筋の、何が、どうして、どこが面白いのか!と、云うお話です。ホント!

それで、偶然に見た第一話ですが、何と云っても、ひとつの家族が壊れていくのを、“のぞき見”すると云う、“げす”で“卑しい” とても、とても、“他人の不幸は蜜の味的”心根からでした。

話しは逸れますが、あの高視聴率テレビドラマ『渡る世間は鬼ばかり』ですが、あれは完全に茶の間にいて、他人の家のゴタゴタを堂々と覗ける、それが、それが、唯一、高視聴率を記録した要因でした。

まあ、考えて見れば、小説とか、ドラマとか、映画とか、他人のゴタゴタを覗き見て、それなりに世間を知り、己を知り、納得したり、喜んだり、笑ったり、怒ったり、悲しんだり、不条理を感じたり、いろいろ勉強するものです。

それで、だから荒野ですが、夫からも、子供達からも、無視され、黙々と、ひとり寂しく過ごすそんな日常に、疑問と、不満と、苛立ちと、不安と、情け無さを抱き、家族から逃亡する46歳専業主婦の朋美。

それにしてもです、とても、とても、とても無神経な親子です。亭主も息子も、酷すぎる、こんな設定、こんなセリフ、こんな展開、有りなの?

朋美の誕生日、レストランの食事会で、亭主の運転拒否とか、主賓が到着する前に食事を始めるとか、息子は高校時代の朋美の作った弁当が、不味く、彩りも最悪で“森村弁当”とクラスで嘲笑されていたとか、亭主の“誰もお前のことなんか見ていないよ”発言とか。

こんな酷いことを本人を前にして、しかも、誕生日の食事会で云うか!人間として、最低!最悪です。京香さんが可哀想!いや、朋美さんが可哀想!と激しく思ったのです。

でも、しかし、亭主の運転拒否についてだけは、まあ、それは、それとして、それなりに理解できます。誕生日の食事会で、都心のレストランで、ディナーですから、誰しもアルコール抜きは考えられません。

ですから、フツウ、最低でも、行きは電車で帰りはタクシー、まあ、ここは奮発して往き帰りタクシーだと思うのです。でも、しかし、それでは、ドラマは展開しないのです。それは、それで、お約束で“それを云っちゃ~おしまいよ!”でした。

そして、それで、無神経な二人に朋美は“それじゃ~ねェ”と云って、二人から去って行くのです。この場面の、そのセリフ、その言い回し、その表情、いろいろな想いを感じさせる、とても印象的な場面でした。京香さんヨカッタです。

それで、原作は“桐野夏生”だそうで、新聞の連載小説だったようです。この方ですが本屋さんで棚に掲げられた名札で見覚えがある程度でした。

私は、名前から男性と思っていたら、1951年生まれですから、私とほぼ同年配63歳の女性だったのです。どうも、何か、男性作家が女性物を書くのは何か変だとは思っていまたした。序でに、本屋の名札で見かける、似たような方で、“銀色夏生さん”も女性でした。

それで、“それじゃ~ねェ”と別れを告げ、“荒野”に踏み入り、一人彷徨い、東京から長崎への旅のドラマが始まるのです。

途中、東名高速のPAで、亭主に逃げられ裸足で歩いていた若い女性とラブホに泊まり、翌朝車を盗まれたり、長距離トラックの運転手に優しくされたと思ったら、『それで、いくらなの?』と、主婦売春と誤解されたり。

それなりに飽きさせない展開で、次回の展開は如何に?と毎回終盤に謎を持たせる仕掛けで、巧く引っ張っていくのです。

それと、キャスティングがイイです。長距離トラックの運転手を“でんでん”が演じることで、それなりに、ドラマの意味づけとか、味つけとか、いろいろと厚み奥行きが深まるのです。

そして、そして、雨の中、舞い踊る朋美が、長崎で原爆を目撃した老人の語り部と、それに寄り添う秘書的な若い男との出会い。

謎を秘めた雰囲気を漂わせる、二人の男の登場となります。若い真面目そうで、謎めいた青年が、夜中に朋美の部屋に訪れ、朋美に言い寄ったり、朋美が拒んだり、迷ったり、ますます、どうなるの?どうなるの?は増幅されていきます。

それで、やはり、日常から逃げて来た46歳専業主婦が、それなりに、社会との関わりとか、歴史との関わりとか、生きるとは?とか、そんな普遍的な、お勉強的な事柄が入り込むと、見ていて、そうか、そうかと、納得感と、お得感が生まれるのです。

それにしても、長崎、原爆、被爆の語り部、とても、とても、とても重いテーマです。その思いテーマを、語り部を、静かに、暗く、重く、孤独に演じるのが、あの“品川徹”ですから、これは、もう、めいっばい重くなります。

しかし、設定と展開の重さを吹き飛ばす場面が有るのです。途中、田舎のラーメン屋で三人が昼食を摂るのですが、重く暗い品川徹が、何と、何と、チャーシュー麺とチャーハンを注文するのです。キャラクター的には、昼食は軽く“盛りそば”です。

視聴者を裏切るナカナカ巧い展開で笑ってしまいました。現実的としてはそれも有りかも、と思ったりしました。それにしてもダブルでの糖質摂取で食後高血糖間違い無し!

私も、40代前半までは、ラーメンにチャーハン、カツ丼に盛りそば、そんな人生を送っていました。そして、今、糖質制限の人生を送っています。でも、偶には、チャーシュー麺とチャーハンが食べたい! 半チャンラーメンでもいい!

かなり話しが本筋からそれてしまいましたが、本日は、この辺でお終いとします。


それでは、また。


コメント (2)
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