テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 北の国で、握る絵筆 ―

2017-05-08 22:10:16 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むきゅッ! はながァ、むずむずゥ?」
「がるる!ぐるぅるがる!」(←訳:虎です!クシャミ連発!)

 こんにちは、ネーさです。
 GWの疲れやら黄砂の飛来やらで、
 ボンヤリしがちな週の頭ですが、
 さあ、そんな時は読書でリフレッシュ!
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪

  



  ―― ブリューゲルとネーデルランド絵画の変革者たち ――



 著者は幸福輝(こうふく・あきら)さん、2017年4月に発行されました。
 現在、東京都美術館にて
 『ブリューゲル《バベルの塔》展』が開催されているため、
 関連本が刊行されているのですけれど、
 この御本の“看板”も、
 はい、やっぱりブリューゲルさん!

「さいみつゥ、なのでス!」
「ぐるるがるるっる!」(←訳:描写がマニアック!)

 細かく、細かく、本当に細かく精密に描かれた、
 ブルーゲルさんの作品――

 御本の表紙になっている作品『雪の狩人』(1565)や、
 『バベルの塔』(来日中の作品は1568年頃制作したもの)他、
 描きに描き込んだ風景画は、
 ありそうでない、
 実在していそうで実在しない、
 ブリューゲルさんだけに見える《世界のはて》。

「いろんなァ、ことわざァ!」
「がるるるる!」(←訳:隠されてます!)

 御本の第Ⅰ部は、
 『ブリューゲルの世界』。

 生地不明、生年不明(1525?)な
 ピーテル・ブリューゲルさんの作品、
 作品に描かれた様々な暗喩(メタファー)、
 この御本ではボッスと表記されている
 ヒエロニムス・ボスさん(1450?~1516)との共通性などが
 図版とともに解説されています。

 そして第Ⅱ部は、
 『ブリューゲルとネーデルランド絵画』。

「わふゥ! きたかぜッ!」
「ぐるがーるっるる!」(←訳:北のヨーロッパだ!)

 そうですね、
 イタリアやフランス、スペインの絵画とは
 どうしたって光線が異なって、
 また、そこに暮らす人々の装いも
 異なるものがあります。

 ブリューゲルさん、ボッスさん、
 同時代のネーデルランドの画家さんたちの作品、
 どの画面からも、ひっそりと寒冷な
 北ヨーロッパの空気が封じ込まれているような。

「きおんがァ、ひんやりィ~…」
「がるるるぅ~…」(←訳:静かだなぁ~…)

 静謐な、北の国の絵画の中で、
 他を圧する存在感を放っている
 ブリューゲルさんとボッスさんの作品たち。

 日本でいえば、
 室町後期(戦国時代)に生きた画家さんは
 どんな生涯を送ったのか――

「まだまだァ、なぞォだらけッ?」
「ぐるるがるぐるるる!」(←訳:不明な点が多いんだ!)

 御本の巻末近くの
 『ふたりのブリューゲル』という解説では、
 ブリューゲルさんの後継者として、
 同じ名の長男ピーテルさん、
 次男のヤンさんの画業も紹介されています。

 偉大なる父の業績に
 兄ピーテルさんと弟ヤンさんは押し潰されて苦しみ……

 なぁんてことは、なくて。

 兄は父の作品を世に広めつつ名声を利用し、
 弟は静物画の傑作をものにしつつ
 大画家ルーベンスさんとの共同制作にも乗り出す!

「おおォ! たくましィ!」
「がるる!」(←訳:やるね!)

 意外に逞しい?ブリューゲル兄弟と、
 その父ピーテルさん。

 ブリューゲル一家が生きた時代のネーデルランドを、
 アート好きさん&活字マニアの皆さまも、
 ぜひ、覗いてみてくださいな♪
 
 
 
コメント
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