テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 名画の行方 ~

2014-05-11 21:44:28 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日は、先ず残念&申し訳ないお報せがございます……
 前回記事で御紹介しましたトヨタ2000GT車の展示は
 昨日(5月10日)限定だったようです。
 同じ場所へ、今日の午後行ってみましたらば、
 ああ、もう、いない……。

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もういちどォ、みたかッたァでスゥ!」
「がるる!ぐるがるぐるるる!」(←訳:虎です!特に後席まわりを!)

 名車を見られるかしら♪と期待されて現地へ行かれた御方に、
 お詫びする気持ちもこめて、
 本日の読書タイムは頑張ります。
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  



 
           ―― ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅 ――



 著者は朽木ゆり子さん、2014年3月に発行されました。
 『フェルメール全点踏破の旅』で美術評論界を唸らせ、
 最近は『東洋の至宝を世界に打った美術商-ハウス・オブ・ヤマナカ』が評判の
 著者・朽木さんによる《ひまわり》解読の旅の記録です。

「ごッほさんといえばァ、ひまわりィ!」
「ぐるるるがるるぐっるるる!」(←訳:向日葵と言えばゴッホさん!)

 ルドゥーテさんがバラの画家なら、
 モネさんが睡蓮の画家なら、
 ゴッホさんはひまわりの画家、と言えましょうか。

 実際には、アイリスの花などもゴッホさんは描いているのですが、
 どうしても、印象に残りやすいのは、
 ひまわり……。

「きょうれつなァ、ふォるむッ!」
「がるるる!」(←訳:独特の色!)

 フィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホさん(1853~1890)。

 ひまわり、というモチーフに
 ゴッホさんは特別な愛着…てんそれとも執着を持っていたようです。
 でなければ、短い生涯の間に
 ひまわりの画を何度も、
 憑かれたように何度も描きはしなかったでしょう。

 実に、11回も。

「ふァ? じゅういちィ!?!」
「ぐるるるぅ!」(←訳:そんなにぃ!)

 確認されているだけで11作品も、というべきかしら。
 各作品を収蔵しているのは
 ベルン美術館、ファン・ゴッホ美術館に2作、
 メトロポリタン美術館、クレラー=ミュラー美術館、
 ノイエ・ピナコテーク、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、
 損保ジャパン東郷青児美術館、
 フィラデルフィア美術館……

「むッ? たりないィ??」
「がるぐぅるるる?」(←訳:11じゃないよ?)

 ええ、足りません。
 8ヶ所のミュゼが所蔵する9作品。

 残る2作品は、どこに?

 世界中の研究者さんたちが見逃していたその疑問を
 著者・朽木さんは追いかけます。

 2作品にうち、ひとつは、個人蔵……らしい?
 もう何十年も公開されていないので、
 しかも所有者がはっきりしないので、
 対面は叶いそうにない……?

 そして、もう1作品は、
 日本に……?

「にッ、にほんにィッ?」
「ぐるるがるっ?」(←訳:日本のどこっ?)

 おそらくは1920年頃のこと、
 一枚のひまわりの画が西日本の某所へ運び入れられました。
 文学者・芸術家グループ《白樺派》の同人さんたちが
 資金を集め、
 いつか白樺派美術館を造って展示したい、と
 パリの画商から購入したのです。

 しかし、
 ひまわりと白樺派の同人たちを見舞ったのは
 避けようにも避けられない運命。
 その運命とは――

「むむむゥ! しらなかッたでスゥ!」
「がるぐる!」(←訳:初耳です!)

 この御本は、ミステリではなくノンフィクション作品ではありますが、
 画の運命をここで明かすことは止めましょう。
 どうか、詳細は皆さま御自身で
 本文を読んでみてくださいね。
 
 丁寧に、じっくりページをひもといてゆく価値のある力作を
 アート好きさんも活字マニアさんも、ぜひ!



 

 
コメント
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