テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

市場に《勇者》あり!

2013-11-18 21:44:43 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 あさまやまにィ、ゆきッ、つもりましたッ!」
「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!白い帽子だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 富士山、浅間山、北のアルプスの峰々……と
 雪の帽子をかぶったお山が増えてきましたね。
 本日の読書タイムでご登場いただくのは、
 ホントは、秋の読書週間中に御紹介しておきたかった一冊、なんです。
 雪の便りが届く冬になっちゃいましたけど、
 こちらを、どうぞ~!

  



 
            ―― 那覇の市場で古本屋 ――



 著者は宇田智子(うだ・ともこ)さん、2013年7月に発行されました。
 『ひょっこり始めた《ウララ》の日々』と副題が付されています。

 古書情報に明るい活字マニアさんは、
 それに《記録》マニアさんも、
 おそらく『ウララ』さんの名を耳にした憶さがあるかと思われますが……

「ふァ~? きろくゥ??」
「ぐるるがるぐるるぅ?」(←訳:どんな記録ですかぁ?)

 日本一狭い古本屋さん、
 といったら『ウララ』さんなのだそうですよ。

 御本表紙の写真を見れば、
 なるほどぉ~!と納得できるでしょうか。
 約2坪、
 つまり畳にして三畳ほどの広さ。
 お客さんがふたり入ったらお店はもういっぱい、だといいいますから、
 確かに店舗面積はSサイズ!

「ちッちゃいィ!」
「がるぐるる!」(←訳:でも可愛い!)

 新聞、TV番組などでも取り上げられたこの『ウララ』さんの店主さんが、
 著者・宇田さん。

 活字マニアさんには御馴染みの書店『ジュンク堂』さんで
 書店員をしていた宇田さんが、
 なぜまた古本屋さんを、
 それも沖縄・那覇の公設市場で営むことになったのか?

 この御本には、
 古本屋さん開店の経緯、
 そもそも神奈川生まれの宇田さんが
 沖縄へ移り住んだ動機、
 新刊書を扱う書店さんから
 古本屋さんに鞍替えしての様々な発見・苦心・新体験などが
 エッセイ風に描かれています。

「いちばのォ、ふるほんやさんッ!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:なかなか珍しい!)

 『ウララ』さんの、
 沖縄らしさがにじむ毎日の営業ぶりは独特です。

 雨風はしのげるけれど、
 台風が来たら市場の殆どのお店が閉まっちゃうし、
 新刊書店も古書店も
 本の輸送には船便を使うことが多いので、
 東京とのタイムラグがありますし、
 沖縄関連の書籍を揃えるのも、
 宇田さんいわく
 『面白くて厄介』。

「でもォよんでるとォ~…」
「がるがるぐるるぅ!」(←訳:ドキドキするねぇ!)

 本が好き!
 読むのが好き!
 読んでもらうのが好き!
 そんな宇田さんの思いが読み手に伝わってくるこの御本に
 活字マニアの皆さまは
 きっと共感することでしょう♪

 そして、目を留めていただきたいのは
 この御本の発行所が
 『(有)ボーダーインク』という
 沖縄の会社である点です。

 この御本は、東京の出版社からの刊行ではなく、
 沖縄で書かれ、造られたものなんですね!

「わはッ♪ それはァ、たのしィ~♪♪」
「ぐるるるがる!」(←訳:沖縄発信の本!)

 あらためて《書物》への愛着・愛情を見出させてくれる
 『ウララ』さんの打ち明け話。
 すべての活字マニアさんに、おすすめです!



 
 
 
 
 
コメント
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