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●『首都圏生きもの記』読了(2/2)

2010年04月25日 04時46分20秒 | Weblog

森達也著、『首都圏生きもの記』】

 『アヒルはカモ、ガチョウはガン』。「結局のところフセイン政権とアルカイダには関係などまったくなかったし・・・大量破壊兵器も見つからなかった。・・・ブッシュ・・・、この国は国際社会に先駆けて従属した。支援した。・・・。/つまり今のイラクの混迷の責任の一端はこの国にもある。当然ながら米軍の空爆で(あるいはその後のテロで)死んでいった多くのイラク市民に対して、この国は絶対に無関係ではない」(pp.132-133)。

 『史上最悪の苦手な生きもの』。「つまりムカデ・・・。スズメバチなど・・・同様にアナフィラキシー・ショックで重篤な状態になる場合がある」(p.141)。
 『セキュリティー意識の高揚とアシナガバチ』。「・・・アナフィラキシー・ショック・・・。・・・アシナガバチも同様だ」(p.177)。「安倍晋三元首相が「美しい時代」と形容した「三丁目の夕日」の時代の少し前である一九五四年、この国の治安は最悪だった。殺人事件の認知件数は・・・二〇〇九年は・・・。戦後最小だ。ここ十数年は毎年のように戦後最小を更新している。・・・彼らの天下り先を保障しなければならない。治安セキュリティーの業界が冷え込んだら困るのだ。/こうして危機管理意識が上昇するばかりの東京。いいよ。どんどんあがれ。僕は東京には住まないから」(p.173)。

 『首都圏生きもの記韓国篇』。「「ハトを現場に持って行ったらしいよ」/つい先日、旧知の新聞記者はそう言った。/「ハト?」/「そう、伝書バト」/・・・/「戦後だよ。だってメールどころかFAXもないのだから・・・」・・・/中には周囲の動きに同調してしまうハトもいるらしい。つまり「空気を読みすぎる」ハト。だから時おり読売のハトが朝日のハトの動きにつられたり、あるいは毎日のハトが共同通信のハトを誘導してしまったりすることも、少なからずあるようだ。そうなると抜かれる。大事な記事を落とす。だから優秀なハトを育成することは、当時の新聞社にとって死活問題だったという」(pp.148-149)。

 
『ヒキガエルの国へのご招待』。「ヒキガエルを好んで捕食するヤマカガシは、・・・ヒキガエルの毒を体内に貯めて、頸部から分泌される毒として再利用・・・」(p.159)。UMA(p.166)。

 『外国産バイキングに舌鼓のサギ』。「確かに国産のメダカやタニシ、ザリガニなどは、絶滅危惧種かそれに近い状態だ。外来がいないことにはサギたちの生活は成り立たない。何となく食料自給率が極度に低いこの国の人間社会と重複する。かつて・・・彼らのえさは国産のカエルやドジョウやザリガニだったはずだ。でももう国産はほとんどいない」(pp.216-217)。サギが希少種あるいは絶滅危惧種だったらというおとぎ話(p.219)。マスコミや国家のバカ騒ぎ・から騒ぎ。
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