[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)] (2021年06月20日[日])
日刊ゲンダイのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/樋口英明氏「耐震性に着目すれば全ての原発を止められる」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/290370)。
《コロナ禍のドサクサ紛れに掟破りだ。福島第1原発事故の惨事を機に定めた「運転は40年まで」の原則が骨抜き。運転開始から40年を超える関西電力の老朽原発が23日にも再稼働する。この暴挙に、かつて原発運転を差し止めた元裁判長が「不都合な真実」を喝破する。「老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない」と――。》
『●60年間稼働させたい高浜原発:
「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
…どんどん壊れ行くニッポン』
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)』
『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」』
『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…』
『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の
稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走』
「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」さえ、再稼働したいそうだ。処理水という名の汚染水を海洋放出したいそうだ。新規原発さえ、作りたいそうだ。
狂っています、核発電「麻薬」中毒者ら。
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》』
『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》』
《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
「ロシアンルーレット」状態だった。日本の国策は「安全な原発を
動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。
これは他の原発と共通の問題だ》
[※『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]
樋口英明さんは、以前から、《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と。まともな裁判官が、もっと増えないものか…。《老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない》。高度な工学的知識や科学的な知識は不要だ、だって、《原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱》《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから。《住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法”にかかってしまう》必要などない。
《毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です》…何の教訓も得ていません。そのためには、最後に、樋口英明さんは《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》と仰っています。
『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》』
『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御
できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》』
『●永渕健一裁判長、東電旧経営陣の刑事裁判で「無罪」《判決の
中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる》』
『●東京新聞の小野沢健太記者によるシリーズ記事【<原発事故
「無罪」>】…《判決に表情変えず 遺族ら「うそー」悲鳴》』
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
『●《今なお続く福島の「不条理」》:東電の初期の主張は「無主物」
…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った』
『●伊方原発3号機、広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの
仮処分決定…種々の問題に加えて《約10秒》《2~3秒》全電源喪失』
『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》』
『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く』
『●東京電力核発電人災の刑事裁判: 東京地裁永渕健一裁判長の
判決は、あまりに酷い理由も含めて《司法犯罪とも言える不当判決》』
『●「イチケイのカラス」第2話 ――― 裁判官らの謝罪と憲法第76条
「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この…」』
『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/290370】
注目の人 直撃インタビュー
樋口英明氏「耐震性に着目すれば全ての原発を止められる」
公開日:2021/06/14 06:00 更新日:2021/06/14 06:00
(樋口英明氏(撮影)タカオカ邦彦)
■樋口英明(元福井地裁裁判長)
コロナ禍のドサクサ紛れに掟破りだ。福島第1原発事故の惨事を機に定めた「運転は40年まで」の原則が骨抜き。運転開始から40年を超える関西電力の老朽原発が23日にも再稼働する。この暴挙に、かつて原発運転を差し止めた元裁判長が「不都合な真実」を喝破する。「老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない」と――。
◇ ◇ ◇
――再稼働する美浜3号機の運転開始は1976年。45年も昔です。
45年前の家電を今も使いますか? 大量生産の家電は壊れても最新技術の製品に買い替えればいいけど、原発は大量生産できない。技術は旧態依然で、1つの計器が故障しただけで原発の「止める・冷やす・閉じ込める」の安全3原則は綻び、重大事故が起きかねません。
――再稼働にあたり国は、1発電所につき25億円の新たな交付金を立地地域にぶら下げました。
何を考えているのか、理解不能です。
――福井県知事の合意表明が4月28日。たった2カ月足らずのスピード再稼働にも驚きます。
住民が差し止め訴訟を起こすにも、手続きには月単位の時間がかかる。それを見越した上での素早い動きでしょう。
――老朽原発が「高い安全性」を確保できるか否かが最大の危惧です。
地震大国の日本で原発の高い安全性を担保するのは、信頼できる強度な耐震性に尽きます。原発の耐震設計基準を「基準地震動」と呼び、施設に大きな影響を及ぼす恐れがある揺れを意味します。美浜3号機の基準地震動は993ガル(揺れの強さを示す加速度の単位)。しかし、この国では1000ガル以上の地震が過去20年間で17回も起きているのです。
――具体的には?
2008年の岩手・宮城内陸地震(M7.2)は最大4022ガル、11年の東日本大震災(M9)は最大2933ガルなどです。誤解して欲しくないのは「17カ所」で観測されたわけではないこと。東日本大震災では、震源地から離れた数多くの観測点で1000ガルを超えました。
■「原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱」
――基準地震動を超える地震がいつ襲ってきてもおかしくはない、と。
しかも、美浜3号機の基準地震動は建設当時の405ガルからカサ上げされています。建物の耐震性は老朽化すれば衰えるのに、原発だけは時を経るにつれて耐震性が上がるとは不可思議です。電力会社は「コンピューターシミュレーションで確認できた」と言い張りますが、計算式や入力する数値でどうにでも変わる。住宅メーカーの耐震実験は建物を実際に大きな鉄板の上で揺さぶります。その結果、三井ホームの住宅の耐震設計は5115ガル、住友林業は3406ガル。2社が飛び切り高いのではなく、改正後の建築基準法は一般住宅も震度6強から震度7にかけての地震に耐えられるよう義務づけています。ガルで言うと1500ガル程度の地震には耐えられます。一方、日本の原発の基準地震動は、ほぼ600ガルから1000ガル程度です。つまり、原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣るのです。
――衝撃です。
政府は福島の原発事故後の新規制基準を「世界一厳しい」と自負していますが、耐震性に関しては当てはまりません。
――いつ、その事実に気づかれたのですか。
2012年11月に福井県の住民が中心となって関西電力を相手に提訴した「大飯原発3、4号機の運転差し止め請求訴訟」を担当した際です。原発の耐震性に着目し、調べてみると、すぐ分かりました。当時は大飯原発を含め、大半の原発の基準地震動は700ガル程度。700ガル以上の地震は過去20年間で17回どころではなく30回に跳ね上がります。毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です。
(2014年に福井地裁で大飯原発の運転差し止め判決
(C)共同通信社)
■電力会社の「地震は来ない」は虚妄
――それにしても、基準地震動の設定が低すぎませんか。
地震学者の間では長年、関東大震災(震度7)でも400ガル程度との認識が主流で、地球の重力加速度(980ガル)以上の地震は来ないとも推測されていました。この考えに従い、昭和時代の原発は建設されたと思います。しかし、1995年の阪神・淡路大震災を契機に、2000年頃には全国の約5000カ所に地震計が設置され、観測網が整備されました。すると、震度7が1500ガル以上に相当することが科学的に判明したのです。
――震度の過小評価に気づけば、原発の運転は諦めるべきでは?
そこで電力会社が「不都合な真実」を隠すのに持ち出すのが「地震予知」です。差し止め訴訟で「原発の敷地に700ガル以上の地震は来るんですか」と聞くと、関西電力は「まず来ません」と答えた。科学で一番難しいのは将来予測。中でも地震の予知は困難を極めます。考察に資するリソースも20年分しかない。「来ない」と断言できっこないのです。地震予知は「予言」に等しく、信じるか否かは「理性と良識」の問題です。だから速やかに差し止め判決を出せたのです。
――その2014年の福井地裁判決を、2018年には名古屋高裁金沢支部の控訴審判決が取り消しました。
退官翌年です。あの確定した判決は、原審で指摘した危険性を認めながら突然、論旨を変えて「原発の是非は司法の役割を超えているので政治的判断に委ねる」と結論づけた。運転停止を求める住民に対して、さも「政治活動」をしているかのレッテルを貼り、論点をスリ替え、司法の役割を放棄したのです。こんな粗雑な判決を放置するわけにはいかないと思い、原発の危険性を広く訴えようと決意しました。
――元同僚の方々の反応は?
特に悪い評判は聞きません。「裁判官は弁明せず」との格言を持ち出すような頭の固い人とは、あまり付き合ってこなかったからかなあ? 裁判官への政治圧力もないですよ。昔は政府方針に従わなかった裁判官が、ひどいドサ回りをさせられたのは事実。けれど、最近は露骨な左遷などありません。
■学術論争の“魔法”から目を覚ませ
――福島の事故後も、原発の運転差し止めを認めた司法判断は必ず上級審で覆ります。その理由をどう考えますか。
先例主義の悪弊です。裁判官が原発訴訟を扱うのは、まれです。滅多に当たらない訴訟を担当すると、裁判官はつい過去の判決を調べてしまう。いくら司法修習生の頃に「自分の頭で考えろ」と叩き込まれても、自分の頭で考えなくなる。判例に頼れば通常は大きな間違いをせずに済むし、何より楽ですから。その傾向は上級審の裁判官ほど強い。そして、ある“魔法”も効いています。
――魔法とは?
1992年に確定した伊方原発訴訟の最高裁判例です。原発訴訟を「高度の専門技術訴訟」とし、今でも最高裁は原発差し止め訴訟を「複雑困難訴訟」と呼ぶ。あくまで一般論に過ぎないのに、最高裁に言われると、住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法”にかかってしまう。法廷は理解不能な専門用語が飛び交う学術論争の場となり、もともと文系の裁判官はロッカーいっぱいの専門資料にチンプンカンプン。だから、過去の判例を踏襲する判決を出しがちになるのです。
――困ったものです。
裁判官を“魔法”から解き放つには、まず住民側の弁護士が目を覚まさなくてはいけない。熱意ある弁護士でも先例に縛られ、複雑な学術論争を繰り出すのが実情です。住民側弁護士が原発の危険性をシンプルかつ論理的に伝えれば、裁判官も認めざるを得ません。伊方最高裁判例には「原発の安全性の適否判断は規制基準に不合理な点があるかという観点から行うべき」と記してある。はたして地震予知を許す規制基準は合理的なのか。20年間の詳細な地震観測による新たな知見、すなわち「1000ガルを超える地震はいくらでも来ます」という動かしがたい事実に基づく判断こそが合理的であり、「真の科学」と言えます。
――なるほど。
現在、広島地裁で係争中の伊方原発3号機の運転差し止め仮処分申し立て事件では、住民側の弁護団が耐震性に着目。四国電力の「南海トラフ地震が原発直下で起きても、伊方原発敷地には181ガル(震度5弱相当)しか来ない」との試算を追及し、原発訴訟にパラダイムシフトを起こすと宣言しました。あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます。
(聞き手=今泉恵孝/日刊ゲンダイ)
▽樋口英明(ひぐち・ひであき) 1952年生まれ、三重県出身。京大法学部卒。司法修習第35期。各地裁・家裁の判事補・判事を歴任。2006年に大阪高裁判事、09年に名古屋地家裁半田支部長を経て、12年から福井地裁判事部総括判事。14年5月に大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決を下した。17年8月、名古屋家裁部総括判事で定年退官。現在は原発の危険性を訴える講演活動にいそしむ。今年3月出版の「私が原発を止めた理由」(旬報社)がベストセラーに。
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[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑] (2021年05月01日[土])
東京新聞の3つの記事、【福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986)と、
小川慎一記者による記事【脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000)と、
小川慎一・山本洋児・今井智文の3記者による記事【「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090)。
《運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった ◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」》。
《原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。…◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」》
《運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った》。
『●汚染水の海洋放出…《避難したままの人たちは、いまだ4万人を
超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?』
《アンダーコントロール》も出来ず、二進も三進もいかない核発電所。汚染水を海洋放出するという。《避難したままの人たちは、いまだ4万人を超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?
「濁流」さえ疑われる、関西電力による「還流」問題は一体どうなったのか? 九州電力も似たようなものです。
『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」』
『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》』
「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者の
副首相と浅からぬ関係ですけど。
『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》』
『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》』
『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?』
《地元に「アメ」》《国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている》…それは麻薬です。核発電「麻薬」中毒者らに、麻薬を渡すようなもの。日本中が「地元」であり、「地元」の市民はたまったものではない。例外中の例外が、もはや通例に。狂っています。「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…九州電力も〝通例〟を求めているようだ。《杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく、安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた》…核発電は、《安全》と対極にある概念だ。
『●九電玄海原発も廃炉に』
《玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」…
原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。
その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の
試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」
を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。
1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、
想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は
76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度
だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。
九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。
「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という
新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している》
『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖』
「経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、
検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度」が急激に
高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。
「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は
98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らず
である。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように
脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。
保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、
原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、
圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、
「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。
どこが原子炉が破壊されない「確認」になっているのか。むしろ、
リスクが上がっていることが「確認」されたのではないのか。
電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や
我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で
少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・
原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない」
「脆性遷移温度」が急激に高まっているのではないか。データは公開され、十分に検証されているのか。
『●60年間稼働させたい高浜原発:
「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
…どんどん壊れ行くニッポン』
《原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の
法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県)
について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承》
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)』
《これでは“規制緩和委員会”。そんな声も聞こえてきそう。安全より
経済優先の時代へと逆戻りしたかのような、関西電力高浜原発の
延命適合。熊本地震に不安を抱く、人々の目にはどう映る》
『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」』
「東京新聞の記事【「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可
高浜1・2号機に最長20年】…と、
社説【高浜原発 延命よりも新産業だ】…。
《四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が
認められる。延長は「例外中の例外」とされてきたが、初の適用例が
決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、
三年ほど先になる見通し》。
《原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力 高浜原発(福井県)
の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、
時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》」
『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…』
「東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】…
東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。
《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも
再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、
さらには、東京電力、マトモではない」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986】
福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示
2021年4月28日 12時48分
運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった。
(事故対策工事が進む関西電力高浜原発=2021年2月、
福井県高浜町で、本社ヘリ「まなづる」から)
◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」
老朽化した3基の原発の安全性を巡っては、県原子力安全専門委員会が今月22日、「必要な対策が講じられている」との報告書を杉本知事に提出。杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく、安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた。
国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている。国の将来的な原子力政策については27日、杉本知事とオンライン会談した梶山経産相が、持続的に原発を活用する方針を打ち出した。
政府は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを定め、菅義偉首相も今月、温室効果ガス排出量の30年度削減目標を13年度比で46%減に上方修正したことから、既存原発の活用を積極的に進めたい考え。一方で老朽化した原発の安全性や、周辺自治体にも及ぶ事故時の避難計画の実効性の懸念は根強く残る。
◆使用済み核燃料、搬出先未定なら「停止」
また、県が県外への搬出を求めている原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について、関電は青森県むつ市を候補地として提示したが、同市は受け入れないことを明確にしている。関電は23年末までに施設の計画地を確定できない場合、3基の原発を停止すると明言している。
再稼働を巡っては地元の美浜、高浜町が同意し、県議会も容認していた。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000】
脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面
2021年4月28日 12時45分
原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。
◆段階的に進む再稼働
福島第一原発事故後、原発の再稼働は基数は少ないものの、着々と進んでいった。これまでを振り返ると、原発再稼働の道は3つのステップがあった。
第一に、福島第一原発(沸騰水型)とは異なる発電方式である加圧水型の原発が、相次いで再稼働した。西日本に立地する関電、四国電力、九州電力の5原発9基は、司法判断で停止を余儀なくされた原発もあるが、地元同意を得て運転を継続している。
第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けている福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だ。そのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない。
◆2030年には老朽原発15基に
第三に、今回の老朽原発の再稼働だ。関電の美浜原発3号機と高浜1、2号機は最長20年の運転延長が認められている。関電が巨額を投じた事故対策と、それを認めた原子力規制委員会の判断を、住民の安全に責任を有す自治体トップが「是」とした。運転延長を目指す他の電力会社にとって、良い先例とされる。
東日本では、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)が運転延長を認められている。他に、規制委が認可した原発はないが、2030年には、全国で新たに11基が運転開始から40年を迎え、40年超えは計15基になる。老朽原発の稼働の是非は、原発立地自治体にとって他人ごとではない。
◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」
菅義偉首相は昨年10月、2050年までに二酸化炭素(CO2)を主とする温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと宣言した。発電時にCO2を排出しない原発は「脱炭素電源」としての存在感が高まっている。
ただ、政府は原発の新増設には消極的だ。あくまでも既存原発のフル活用を目指す立場で、その要が運転延長だ。再稼働している関電高浜原発3、4号機や九電川内原発1、2号機(鹿児島県)は4、5年で運転40年を迎え、延長手続きのリミットが迫る。
菅首相は4月22日、30年度の温室効果ガス削減目標を「13年度比46%」と、これまでより20%引き上げた。目標達成へ、政府は原発に頼ろうとしている。そのため政府は今回、老朽原発の再稼働に計50億円の交付金を地元に「アメ」として示し、知事同意につなげた。
古ければ古いほど原発はリスクが高まるが、運転延長で原子炉が交換されるわけではない。老朽原発再稼働という道を拓いた福井県知事の判断は、事故リスクから目を背けられない「いばらの道」への一歩でもある。(小川慎一)
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090】
「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車
2021年4月29日 06時00分
運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った。(小川慎一、山本洋児、今井智文)
◆「いたずらに延ばすわけには…」
「(県原子力安全専門委員会に)5年前から安全性を確認してもらい、避難計画も1月に出された。いたずらに延ばすわけにはいかない」。杉本達治知事は県庁での定例記者会見で、同意表明を急いだのではという質問にこう答えた。
老朽原発の再稼働という全国初の手続きは、4月に入って急加速した。知事は県議会に、再稼働すれば国から県に計50億円の交付金が入ることなどを提示。県議会はすぐに応じ、2週間余りで容認した。
「関電の現場から再稼働を急ぎたいとの声が上がっていた」と、ある中堅県議は取材に明かした。高浜原発1、2号機はテロ対策施設の工事が間に合わず、設置期限の6月9日以降は完成まで運転できない。それでも同県議は「再稼働すれば、短期間でも10年間動かしていない原発の不具合を確かめられる」と指摘した。
◆県外搬出が再稼働の条件だったが…
同意表明を巡っては、知事の態度軟化もあった。福井県は、関電が3つの原発で出る使用済み核燃料を県外に搬出するよう求め、候補地の提示が再稼働の議論の条件と突き付けてきた。
関電は実現を約束したものの、昨年末に県外候補地の自力提示を断念。その代わりに電力業界と国が、東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料の保管先である青森県むつ市の中間貯蔵施設の共同利用案を提示し、関電は2023年末までに候補地を示すとした。できなければ、「老朽原発を運転しない」と約束した。
杉本知事は関電の背水の陣の覚悟に対して「一定の回答があった」と評価し、途端に前のめりに。ところが、むつ市の宮下宗一郎市長は共同利用案に否定的で、本紙の取材に「受け入れの可能性はゼロ」と断言。実現の見通しはない。
杉本知事は27日、関電の森本孝社長と梶山弘志経済産業相とのオンラインの面会で約束を守るよう念押ししたが、いずれも「むつ市」に言及しなかった。
◆自治体と関電の思惑が一致
「梶山経産相から、将来的にも原子力を活用すると言い切りの形での表明がされた」。杉本知事は会見で、同意表明の理由の一つに政府の原子力政策の方向性が示されたことを挙げた。
菅義偉首相が50年までに二酸化炭素(CO₂)を主とする温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言して以降、発電時にCO₂を排出しない原発は脱炭素電源として存在感が高まっている。老朽原発の運転延長は、原発に地域経済を依存する自治体と、化石燃料コストを削減できる関電の思惑が一致した面も強い。
ただ、政府は太陽光や風力による再生可能エネルギーに注力する方針で、原発の新増設や建て替えに消極的だ。運転延長という既存原発のフル活用で、30年度の電源構成で原発を20%台にすることを目指すが、それには30基程度の稼働が必要となる。日本には建設中の3基も含め計36基しかなく、「不可能だ」という声が経産省や電力会社からさえ出ている。
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【もんじゅの廃炉 30年で終わるだろうか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017122202000137.html)。
《発電しながら燃料を増やす夢の原子炉「もんじゅ」。トラブル続きで廃炉が決まって丸一年。三十年の歳月と約四千億円の予算を費やす事業という。世界に例のない仕事。本当にそれでできるのか…前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…。日程的にも費用的にも、原研の見積もりは甘すぎる》。
『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と…
ドブガネという巨額の「エサ代」は続く』
『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は
「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??』
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
『●東電核発電人災から6年が経過し、全て廃炉へ…な訳がない:
高速炉「アベシンゾウ」がゴジラに変身する日』
『●「原発0」何処? 「国民の声より大事な何か、
国民の命以上に守りたい何かがそこに、あるのだろうか」?』
《三十年の歳月と約四千億円》…様々な意味で大甘の見積もりな、《前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…》なもんじゅの廃炉…。新高速炉「アベシンゾウ」(仮称)なんてやってる場合なのか?
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」』
『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…』
『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は
「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??』
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」』
『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』』
「『猿の惑星』シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」
『●玄海原発再稼働へ…正気の沙汰じゃなく、もはや「宗教」
…「核信者」「核燃料サイクル教信者」』
『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+
「命」「活」「業」「態」…どれか一つでも原状回復できたか?』
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
『●前橋地裁判決「核発電人災は防げた、東電と安全規制を
怠った国に賠償責任」…この「国」とは誰のことか?』
核発電人災を引き起こしたあの東京電力、その柏崎刈羽核発電所に原子力「寄生」委員会が「新規制基準」適合、再稼働にお墨付きを出したとさ。新「寄生」委員長・更田豊志氏もアベ様ら核発電「麻薬」中毒患者に「忖度」。狂気な人々、凶器を振り回す。
悪夢の増殖炉では、《核燃料に直接触れる一次冷却系のナトリウム約七百六十トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは現状では抜き取りができない構造になっているという。廃炉を想定していなかったというのである。言葉もない》…「狂気」と言わず、何と言う? 《悲劇》《悲運》どころか「悲惨」な悪夢。
『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…』
『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ』
『●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」…
人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017122202000137.html】
【社説】
もんじゅの廃炉 30年で終わるだろうか
2017年12月22日
発電しながら燃料を増やす夢の原子炉「もんじゅ」。トラブル続きで廃炉が決まって丸一年。三十年の歳月と約四千億円の予算を費やす事業という。世界に例のない仕事。本当にそれでできるのか。
大まかなスケジュールと言うべきか。今月六日、原研、日本原子力研究開発機構が原子力規制委員会に申請した廃炉計画は、具体性にも実現性にも欠けている。
原子炉内から核燃料を取り出し、冷却材の液体ナトリウムを抜き取って、建物を解体する。二〇四七年度までの三十年間、四段階に分けて実施する。政府の試算では、通常の原発の十倍以上、四千億円近い費用がかかるという。
中でも特に難関なのが、ナトリウムの抜き取りだ。
核燃料のプルトニウムに高速の中性子を当てて、激しい核分裂を促して、増殖させる。だから高速増殖炉。普通の原発とは違い、冷却材に、中性子を減速させる水ではなく、ナトリウムを使う。
ナトリウムは、空気に触れると発火し、水に触れると爆発的な反応を起こす。その上、核燃料に直接触れる一次冷却系のナトリウム約七百六十トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは現状では抜き取りができない構造になっているという。廃炉を想定していなかったというのである。言葉もない。
前例のない作業、人が近づけない環境、構造上の非常識…。日程的にも費用的にも、原研の見積もりは甘すぎる。
もんじゅの完成は一九九〇年。一兆円以上の国費を注ぎ込みながら、トラブルが相次いで、運転できたのは二百数十日だった。つくづく悲劇の原子炉だ。
もんじゅで増殖させる燃料を作るはずだった青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場は、一八年度上期の完成をさらに三年延期することになりそうだ。
こちらも九七年完成だったのが、二十三回もの延期。再処理にかかる事業費も増え続け、十三兆九千億円に上る見込みという。
それでも政府は、燃料の増殖こそ断念したものの、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを高速炉で燃やすという核燃料サイクル計画をあきらめない。国富をとめどなく注ぎ込んでまで、かくもこだわる理由は何か。
もんじゅの現状を直視して、サイクルは白紙に戻し、その廃炉に全力を傾注すべきである。夢は夢。もんじゅにもうこれ以上、悲運を背負わせるべきではない。
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東京新聞の井上能行記者によるコラム【【私説・論説室から】福島を忘れない仲間たち】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017030102000145.html)と、
小佐野慧太記者の記事【「ゴジラ」監督・坂野義光さん 新ヘドラ構想「福島事故は公害」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017030402000241.html)。
《「福島を忘れない」。友人たちのメッセージだ。感想を送ろう。「私も忘れない」》。
《一九七一年公開の「ゴジラ対ヘドラ」の監督坂野義光さん…。六年前、放射能汚染をもたらした福島第一原発事故を公害ととらえ、自然との調和を問う作品の実現に意欲を燃やす》。
『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」』
『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…』
『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は
「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??』
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」』
『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』』
「『猿の惑星』シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」
『●玄海原発再稼働へ…正気の沙汰じゃなく、もはや「宗教」
…「核信者」「核燃料サイクル教信者」』
『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+
「命」「活」「業」「態」…どれか一つでも原状回復できたか?』
『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」』
東京電力核発電人災から6年が経過し、全ての原子炉に対して廃炉に向けた作業が着々と…にはほど遠い。核発電所を再稼働し、輸出もしたいという核発電「麻薬」中毒患者たち。さらには、高速炉「アベシンゾウ」(仮称)を建造するという。再稼働した核発電所や「アベシンゾウ」(仮称)がゴジラに変貌する日がすぐそこに? 《このゴジラが最後の一匹だとは思えない》…「アベシンゾウ」がゴジラに変身、悪夢だな。
自公や「癒(着)」党お維の支持者の皆さんは《福島を忘れない》を忘れてはいまいか?
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017030102000145.html】
【私説・論説室から】
福島を忘れない仲間たち
2017年3月1日
友人、知人から福島県に関係する本が次々に届いた。東日本大震災からもうすぐ六年。私が本を出した三年前でさえ「震災関連は売れない」と言われた。何が彼らに書かせたのか。そんなことを考えながら読んだ。
一冊目は「復興ストレス」(彩流社)。著者は元時事通信社記者の伊藤浩志さん。三十年近く前、共に移植医療の取材をした。その後、社を辞め、研究者の道に進んだ。テーマはストレスが脳と行動に与える影響。震災の翌年、研究者を辞めて福島に転居した。健康リスクを語るには、理系と文系の両方の発想が必要だという。放射線の影響について「科学的知識がないから不安になるんだ」では解決につながらないと書いている。同感だ。
取材先で会う毎日新聞の日野行介さんらは「フクシマ6年後 消されゆく被害」(人文書院)を出した。チェルノブイリ原発事故のデータは正しく伝えられているか、と問う。私が常々感じていた疑問に応えてくれた。
ノンフィクション作家真並(しんなみ)恭介さんは「すべての猫はセラピスト」(講談社)。帰還困難区域に残る牛の取材で知り合った。被災地から救助されたネコや、福島からの帰りに茨城県で出合った「ヒメ」という白いネコの話が書かれている。癒やしは大事だ。
「福島を忘れない」。友人たちのメッセージだ。感想を送ろう。「私も忘れない」 (井上能行)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017030402000241.html】
「ゴジラ」監督・坂野義光さん 新ヘドラ構想「福島事故は公害」
2017年3月4日 夕刊
(「新ヘドラ」のシナリオを手に語る坂野義光さん=川崎市多摩区で)
高度成長時代に公害を批判したゴジラ映画を新たな形でよみがえらせようと目指す映画人がいる。一九七一年公開の「ゴジラ対ヘドラ」の監督坂野義光(ばんのよしみつ)さん(85)=川崎市多摩区。六年前、放射能汚染をもたらした福島第一原発事故を公害ととらえ、自然との調和を問う作品の実現に意欲を燃やす。 (小佐野慧太)
「よくこんな所に住んでいられるなあ」。七〇年夏、撮影の下見で、静岡県富士市の田子の浦港を訪れた坂野さんは驚いた。
くすんだベージュ色のヘドロが浮かび、卵の腐った臭いがする。製紙会社の廃水などによる「富士公害」のさなかにあった時期だ。
坂野さんは五五年に映画会社「東宝」に入社。看板作品「ゴジラ」のプロデューサーから、シリーズ十一作目の監督を持ち掛けられ、題材に選んだのが富士公害だった。
七〇年は大阪万博が開かれた年でもある。展示施設の演出を担当した坂野さんは、仕事で東京とを行き来する間、東名高速から富士市の光景を見ていた。
「煙突から黒煙がもうもうと上がり、昼でも薄暗かった」。万博のスローガン「人類の進歩と調和」をむなしく感じていた。
作品には、核実験で生まれたゴジラが人類に恐怖をもたらす第一作のように、メッセージ性を込めた。
ヘドラは宇宙の生命体と田子の浦のヘドロが結合して生まれた怪獣。ぎょろっとした目とドロドロの体を持つ。工場の煙を吸って硫酸の霧をまき散らし、人間を次々に白骨化させる。公害は恐ろしい社会悪だと、強烈なイメージで子どもたちに伝えた。
公開から二年後、東名高速から見る富士市の煙突の煙は、排煙装置の改善で黒から白に変わった。
「作品も一定の役割を果たせたのでは」。そう振り返る坂野さんだが、原発事故後の状況にはもどかしさを感じる。「問題に技術ですぐ対応するのが日本の文化のはず。原発なんて早くなくせばいい」
坂野さんは事故からすぐ「新ヘドラ(仮称)」のシナリオに取り掛かった。新ヘドラは原発事故による放射能で福島の海から誕生する。テーマは原発が生んだ新ヘドラと「自然と調和して生きる日本人の価値観」の闘いだ。
資金や権利の面で新ヘドラの映画化には厚い壁がある。「それでも、日本人の映画監督として実現させる義務がある」。坂野さんはシナリオを手に、熱く語った。
<富士公害> 1970年ごろの静岡県富士市には約150の製紙会社があり、大気汚染による気管支ぜんそく、悪臭などの公害をもたらした。中でも田子の浦港のヘドロ公害は70年5月、貨物船が汚泥に船底をとられ、立ち往生する騒ぎで全国に知れ渡った。工場専用の岳南(がくなん)排水路を伝って当時1日200万トンの未処理の廃水が垂れ流され、製紙かすなどがヘドロとして川や海を汚した。
<ばんの・よしみつ> 1931年、愛媛県生まれ。55年に東京大文学部を卒業し、東宝に入社。71年公開のゴジラシリーズ第11作「ゴジラ対ヘドラ」を監督。2000年に先端映像研究所(川崎市)を設立。14年公開のハリウッド版「GODZILLA」でエグゼクティブ・プロデューサーを務め、製作中のハリウッド版続編にも携わる。近著に「ゴジラを飛ばした男」(メディア・パル)。
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日刊ゲンダイの記事【早朝の列島に悪夢再び…福島第2核燃料冷却装置が一時停止】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194414)。
『LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【福島沖でまた…この地震大国で原発を次々再稼働する安倍政権と規制委は正気なのか? 玄海原発でも耐震性不足が】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2718.html)。
《東日本大震災の悪夢が脳裏をよぎった。22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生。福島、茨城、栃木3県で震度5弱を観測した強い揺れにより、福島第2原発が緊急事態に陥った》。
《“まさか”という事態は現実に起きるのだ。そして、そうなれば、福島第一原発の事故と同じような原発の重大事故が起きることも十分ありうる。実際、福島第一原発の事故要因はいまだ解明されておらず、事故当時の福島第一原発所長の故・吉田昌郎氏の調書からも東日本壊滅の危機を免れたのはたまたまの幸運に過ぎなかったことが明らかになっているのだ》。
『●東京電力人災時のベントと住民避難、
そして、いま「彼ら」はなぜ反対の声をあげないのか?』
『●『朝日』潰しに夢中: 原発再稼働や輸出を進めるアベ様には
「制御を失った原発の実相」が見えていない』
『●「吉田氏の肉声を記録した調書」:
『朝日』の「誤報」を叩くだけでいいのか?』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
3.11東京電力原発人災の悪夢、再びか?、とヒヤリとしました。福島第2原発の「使用済み核燃料貯蔵量1120トン」のようです(『●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?』)。
『●「豊かな玄海町」へ:
「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力正しい理解で豊かな暮らし」』
その冷や汗も引かぬ間に…。同日午前中…。
福島沖の大地震で大騒ぎしている最中、核発電「麻薬」中毒者達ときたら…「原子力正しい理解で豊かな暮らし」という狂気です。
東京新聞の記事【玄海原発の避難計画策定 政府や佐賀県「合理的」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016112201001514.html)を見て呆れました。《政府と佐賀、長崎、福岡の3県は22日、都内で会合を開き、九州電力が再稼働を目指す玄海原発(佐賀県玄海町)の周辺自治体の避難計画を議論、「合理的」として取りまとめた。事実上、再稼働手続きの一環で、政府の原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)が近く了承する》。
《合理的》!? アベ様議長の原子力防災会議は、一体、どこをどう議論すると、そのような合理的な「結論」に到達できる、「了承」できるでしょうか?
「地元」民の皆さん、「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし」の教訓を、本当に忘れてしまっていいのですか?
3.11東京電力核発電人災から5年8カ月。忘れたころの余震は何度めの「警告」でしょうか。それでも、アベ様らは核発電再稼働を「合理的」に推進し、輸出までしたい、ということです。狂気。「麻薬」中毒、ビョーキ。
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/194414】
早朝の列島に悪夢再び…福島第2核燃料冷却装置が一時停止
2016年11月22日
(写真はイメージ(福島第1原発4号機の
使用済み燃料プール、東京電力提供))
東日本大震災の悪夢が脳裏をよぎった。22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生。福島、茨城、栃木3県で震度5弱を観測した強い揺れにより、福島第2原発が緊急事態に陥った。
原子力規制庁によると、午前6時10分ごろ、福島第2原発3号機の使用済み核燃料プールの冷却装置が自動停止し、核燃料を冷やす水の循環ができない状態となった。
3号機の使用済み核燃料プールには2544本の核燃料が貯蔵されており、うち184本が新燃料。停止当時のプールの水温は28.7度で、1時間に0.2度ずつ上がると予想され、運転上の制限値である65度に達するまでには1週間程度の余裕があった。
核燃料の発熱量が少なかったため、すぐさま危険な状態には至らなかったが、午前7時47分に冷却用のポンプが再起動し、冷却が再開されるまで実に1時間半にわたって現場には緊張が走った。NHKが津波への警戒のため、「東日本大震災を思い出してください!」と避難を促すアナウンスを連呼する中、あの大惨事を思い出した方も多かったことだろう。
福島第1原発には現時点で新たな異常はない。宮城県の女川原発、運転を停止している茨城県の東海第2原発でも異常は確認されていない。
■仙台港 1メートル超え津波
福島県などで震度5弱を観測した地震は、太平洋沿岸に1メートル超えの津波をもたらした。
気象庁は福島と宮城両県の太平洋岸に津波警報を発令。6時49分にいわき市小名浜で60センチの津波を観測後、広い範囲で津波を観測。最大観測は仙台港の140センチ(8時3分)、次いで相馬港の90センチ(7時6分)、石巻市鮎川の80センチ(7時39分)、久慈港の80センチ(7時54分)。関東でも、茨城県大洗で50センチ(7時8分)、千葉県の内房で30センチ(7時10分)、八丈島で30センチ(7時22分)の津波を観測している。同庁は、震源は東日本大震災の余震域内だが、プレート境界ではなく陸側プレート内で起きた正断層型地震と発表している。
都内では、千代田区、中央区、新宿区、渋谷区など広い範囲で震度3を観測した。
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【http://lite-ra.com/2016/11/post-2718.html】
福島沖でまた…この地震大国で原発を次々再稼働する安倍政権と規制委は正気なのか? 玄海原発でも耐震性不足が
原発 編集部 2016.11.22
(九州電力公式サイト玄海原子力発電所ページより)
本日早朝、福島県沖を震源とするM7.4の地震が発生。東日本沿岸に津波がおしよせる事態となった。東日本大震災から5年しか経っていないのに、同じような震源地で大規模地震が発生するとはほとんどの人が思っていなかっただろう。しかし“まさか”という事態は現実に起きるのだ。そして、そうなれば、福島第一原発の事故と同じような原発の重大事故が起きることも十分ありうる。
実際、福島第一原発の事故要因はいまだ解明されておらず、事故当時の福島第一原発所長の故・吉田昌郎氏の調書からも東日本壊滅の危機を免れたのはたまたまの幸運に過ぎなかったことが明らかになっているのだ。
にもかかわらず、安倍政権と電力会社は原発の再稼働を次々と進めている。政府や電力会社は「世界一厳しい安全基準」などといっているが、地震大国である日本の現状をまったく勘案せずに、穴だらけのまま、無理やり再稼働しているのが実態だ。
たとえば、11月9日には、原子力規制委員会が佐賀県の九州電力玄海原発3・4号機の審査で合格の内定を出したが、玄海原発をめぐっても、住民訴訟で九州電力が想定地震規模を過少評価していて耐震性が不足していること、フィルターベントや第2制御室が未完成であること、配管の損傷検査がきちんと行われていないことなどが指摘されている。
すでに再稼働している鹿児島県の川内原発、愛媛県の伊方原発、福井県の高浜原発にも、耐震性の不足や住民の避難の困難さ、火山噴火への対策をまったくしていないことなど、様々な問題がある。
本サイトはこれまで、再稼働の動きのたびに、各原発の危険性を指摘し、再稼働を進める安倍政権と原子力規制委員会、そして電力会社の利権に群がるマスコミの実態を指摘してきた。その記事を以下に再掲載するので、いま、進行している事態の危険性を改めて認識してもらいたい。
(編集部)
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東京新聞の記事【高浜原発の差し止め 大津地裁、関電の異議退ける 2基の運転禁止継続】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201607/CK2016071302000128.html)と、
社説【原発と新知事 日本中が見守っている】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071302000135.html)。
『●関電による執行停止の申し立てを却下:
相変わらず「「安全より効率、命より経済」を優先」を関電は主張』
「大津地裁の山本善彦裁判長だからこそ、なんとか何とか踏ん張った。
「決定への異議」(保全異議の審理(異議審))の判断までは停止が
続きます。「決定への異議」を「認めない」という判断に期待しています。
「認める」=「再稼働へ」にしろ、「認めない」=「停止続く」にしろ、
住民側も関電側も抗告するでしょうから、大阪高裁の抗告審で再び判断
されることになるそうです。そこまでは裁判は続くことになるようです。
「関西電力の今後の手続きの流れ」はココ
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/images/PK2016061702100181_size0.jpg)。
大阪高裁では、よほどの裁判長に恵まれなければ、
「運転禁止の執行停止」を認めるでしょうね、きっと。人事での反撃がある
はずです、《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》される
そうですから」
《大津地裁(山本善彦裁判長)は十二日、関電が取り消しを求めて申し立てた異議を退ける決定》。
「「地元」市民の「命」より「経済性、経済神話」」を優先、「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で良いのでしょうか? 今回も、大津地裁の山本善彦裁判長は、「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。《安全性の立証責任は電力会社側にあり…現実に起きた東京電力福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の社会通念は、原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるものになっている》。関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄…。
『●前田郁勝・西川知一郎両裁判長や九電のオゾましき
「社会通念」=「「安全より効率、命より経済」を優先」』
『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
地震国日本では、これこそ社会通念」』
《今国内で唯一原発が稼働する鹿児島県で、脱原発を掲げる新知事が誕生する。三反園訓さん(58)。「原発のない社会をつくる」という言葉の通り、鹿児島を“脱原発立県”のお手本にしてほしい》。
数少ない朗報だった、《原発のない社会をつくる》という公約を掲げた三反園訓鹿児島県知事の誕生。今後、県議会とどう対決していくのか、注目。川内原発《1、2号機…運転開始後三十年を過ぎた両機の“六十年運転”の必要性を示唆》していた伊藤祐一郎元知事にようやく鹿児島県民の方々もウンザリしたのかな?
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
『●核発電信者・値上げ脅迫の関電「再稼働差し止めの
仮処分決定」執行停止申し立て・・・福井地裁が却下』
『●①福井地裁「高浜仮処分」取消の背景《政府の意向》に従う
《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》』
「ニッポンの司法は、残念ながら、最高裁という幹から腐っている…。
福井地裁に、既に、3人の「ひらめ」「ヒラメ」が送り込まれていたことが、
ショックだ」
『●②福井地裁「高浜仮処分」取消の背景…《政府の意向》に従う
《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》』
『●鹿児島地裁に川内原発再稼働差し止めを却下されてしまった・・・
判決に東京新聞も毎日新聞もダメ出し』
『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱:
国破れて、山河も無し・・・となってもいいのか?』
『●九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を
「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」?』
『●大変に残念…福岡高裁宮崎支部の西川知一郎裁判長、
「川内原発停止認めず、住民抗告退ける」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201607/CK2016071302000128.html】
高浜原発の差し止め 大津地裁、関電の異議退ける 2基の運転禁止継続
2016年7月13日 朝刊
(関西電力が申し立てた異議を退ける決定が下され、
大津地裁前で垂れ幕を掲げる住民側の弁護士ら=12日午後)
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた三月の仮処分決定について、大津地裁(山本善彦裁判長)は十二日、関電が取り消しを求めて申し立てた異議を退ける決定をした。仮処分の効力が今後も維持されることになり、二基は法的に運転できない状態がさらに続くことになった。
関電は決定を不服として大阪高裁に抗告する方針。六月には仮処分の効力を一時的に止める執行停止の申し立ても地裁が退けており、関電は運転禁止の期間が長期化する可能性があるとして二基の燃料を八月に取り出すと既に表明している。
山本裁判長は三月の決定や、執行停止申し立ての却下決定も担当。原子力規制委員会の新規制基準や関電の安全対策などに疑問を示し、運転を認めなかった従来の判断を踏襲した形となった。
今回も三月の決定と同様、規制委の新基準に適合したことだけをもって安全性が確保されたとはいえないとして、新基準の合理性や二基の適合性を関電側が説明するべきだと指摘。「内容に立ち入らないまま、新基準が社会で受け入れるべき危険の限度を示しているとはいえない」とした。
また、関電側の「事故発生時の住民側に対する人格権侵害の具体的な危険性が不明だ」との主張に対しても、安全性の立証責任は電力会社側にあり、立証を尽くさなければ安全性の欠如が推認されるとあらためて強調。「現実に起きた東京電力福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の社会通念は、原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるものになっている」とした。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016071302000135.html】
【社説】
原発と新知事 日本中が見守っている
2016年7月13日
今国内で唯一原発が稼働する鹿児島県で、脱原発を掲げる新知事が誕生する。三反園訓さん(58)。「原発のない社会をつくる」という言葉の通り、鹿児島を“脱原発立県”のお手本にしてほしい。
「安全性が確保されていない原発は動かせない」。初当選した三反園氏の主張は明快だ。
告示前、反原発団体との間で候補者を一本化する際に交わした政策合意にも「熊本地震の影響を考慮し、川内原発を停止し、再調査、再検証を行うことを九州電力に強く申し入れる」などとある。
現職の伊藤祐一郎氏は福島原発事故のあと、全国に先駆けて、川内原発1、2号機の再稼働に同意した。国内で稼働中の原発は、今のところこの二基だけだ。
告示前の記者会見でも「1、2号機は、あと三十年動かし、その後は別のエネルギー体系に」と、すでに運転開始後三十年を過ぎた両機の“六十年運転”の必要性を示唆していた。
同日投開票の参院選鹿児島選挙区では現職が三選された。地元紙の調査では、「原発」への関心度は「医療・福祉」などに次いで第三位。しかし、県民は知事の四選は認めずに、脱原発を掲げた「県政刷新」に軍配を上げた。
四月十四日の熊本地震。震度7の猛烈な揺れ、うち続く強い余震にもかかわらず、九電は川内原発を動かし続け、有事の際の指令所になる免震施設の建設予定も取り下げた。
九電と、それらを看過し続けた伊藤氏に“被害地元”としての不信と不安を募らせた結果だろう。
三反園氏は「ドイツを参考に、鹿児島を自然エネルギー県に変身させ、雇用を生み出す」と語っている。脱原発による雇用喪失の不安を抱える立地地域とよく話し合い、情報を広く共有しながら、具体化を進めてもらいたい。
日本で唯一原発が稼働中の鹿児島県を、日本で初めて脱原発へとスムーズに移行したモデル県にしてほしい。
三反園氏の言うとおり、知事に稼働中の原発を止める法的な力はない。しかし、停止した原発を再稼働させるには、地元首長の同意を取り付けるのが慣例だ。
川内1号機はことし十月、2号機は十二月、それぞれ定期検査に入って停止する。
検査が終わって再稼働という段階で、新知事はどのような判断を下すのか。他の原発立地地域のみならず日本中が見守っている。
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毎日新聞の大原一城記者による記事【高浜原発 再稼働認めず 関電申し立て却下 大津地裁】(http://mainichi.jp/articles/20160617/k00/00e/040/166000c)。
『●画期的! 福井地裁樋口英明裁判長、
高浜3、4号機再稼働差止仮処分決定・・・「直ちに効果が発生」!!』
『●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断:
寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」』
『●大津地裁山本善彦裁判長、
高浜原発3、4号機の運転を差し止める仮処分決定!』
『●金沢地裁・井戸謙一元裁判長「「原子炉を運転してはならない」。
自ら発した声に法廷はどよめいていた」』
『●「効率より安全、経済より命」: 井戸謙一元裁判長、
樋口英明・山本善彦裁判長の声は班目春樹氏には…?』
『●歴史的役割踏まえた原発に頼らない国へ:
「人の命と安全は経済性に優先する」=「人格権の尊重・倫理」』
『●熊本大分大地震の最中、「狂ったゴジラ」=
関西電力高浜原発1、2号機を野に放つ原子力「規制」委員会』
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の
時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)』
《関電による執行停止の申し立てを却下した。関電が決定取り消しを求めて申し立てた保全異議の審理(異議審)が終わるまで、再稼働は不可能になった》。
大津地裁の山本善彦裁判長だからこそ、なんとか何とか踏ん張った。「決定への異議」(保全異議の審理(異議審))の判断までは停止が続きます。「決定への異議」を「認めない」という判断に期待しています。「認める」=「再稼働へ」にしろ、「認めない」=「停止続く」にしろ、住民側も関電側も抗告するでしょうから、大阪高裁の抗告審で再び判断されることになるそうです。そこまでは裁判は続くことになるようです。「関西電力の今後の手続きの流れ」はココ(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/images/PK2016061702100181_size0.jpg)。
大阪高裁では、よほどの裁判長に恵まれなければ、「運転禁止の執行停止」を認めるでしょうね、きっと。人事での反撃があるはずです、《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》されるそうですから。
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
『●核発電信者・値上げ脅迫の関電「再稼働差し止めの
仮処分決定」執行停止申し立て・・・福井地裁が却下』
『●①福井地裁「高浜仮処分」取消の背景《政府の意向》に従う
《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》』
「ニッポンの司法は、残念ながら、最高裁という幹から腐っている…。
福井地裁に、既に、3人の「ひらめ」「ヒラメ」が送り込まれていたことが、
ショックだ」
『●②福井地裁「高浜仮処分」取消の背景…《政府の意向》に従う
《各裁判所の人事権を握る最高裁の意向が反映》』
『●鹿児島地裁に川内原発再稼働差し止めを却下されてしまった・・・
判決に東京新聞も毎日新聞もダメ出し』
『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱:
国破れて、山河も無し・・・となってもいいのか?』
『●九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を
「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」?』
『●大変に残念…福岡高裁宮崎支部の西川知一郎裁判長、
「川内原発停止認めず、住民抗告退ける」』
《運転停止に伴い(火力発電の燃料費がかさみ)損失が生じている》。
それにしても、この傲慢な関電の主張…3.11以降の関電自身の能無し、無能さを棚上げしておいて、よく言えたものである。核発電信者、核発電「麻薬」中毒患者な関電は、新たなエネルギー政策に進むことがいくらでもできたはずなのに、住民を「値上げ脅迫」することしかしてこなかった。怠慢。
『●「値上げ脅迫」: 無策の関西電力・・・
東京電力原発人災以降、一体何をやってきたのか?』
『●核発電信者・値上げ脅迫の関電「再稼働差し止めの
仮処分決定」執行停止申し立て・・・福井地裁が却下』
『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!』
『●「二度と原発事故を起こして欲しくないという思いで、
司法手続きに沿って申し立てをした人への脅迫」』
asahi.comの記事【高浜原発、運転差し止め続く 関電申し立てを地裁が却下】(http://www.asahi.com/articles/ASJ6K3543J6KPTIL004.html?iref=comtop_8_02)によると、《関電は3月の仮処分決定を「科学的知見をふまえず、主観的な危惧・不安から短絡的に結論づけた」と批判。差し止めの経済的損失は1日約3億円にのぼり、予定していた電気料金値下げの見送りで市民生活や経済活動に大きな影響が出ていると主張》していたそうです。
つまり、自分たちの無能さ、怠慢さを棚上げし、相変わらず「「安全より効率、命より経済」を優先」を関電は主張している訳です。そんなことを認めるニッポンの裁判官が居ることに、身震いします。
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【http://mainichi.jp/articles/20160617/k00/00e/040/166000c】
高浜原発
再稼働認めず 関電申し立て却下 大津地裁
毎日新聞2016年6月17日 10時51分(最終更新 6月17日 11時26分)
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた仮処分決定について大津地裁は17日、関電による執行停止の申し立てを却下した。関電が決定取り消しを求めて申し立てた保全異議の審理(異議審)が終わるまで、再稼働は不可能になった。
運転差し止めの仮処分は2015年1月に滋賀県の住民29人が申し立て、大津地裁は今年3月9日に訴えを認めて稼働中の原発を停止させる全国初の決定を出した。地裁は決定理由で、新規制基準に疑義があり避難計画も不備だとし、「人格権が侵害される恐れが高いのに、安全性の説明が尽くされていない」と指摘した。
関電は同14日、仮処分決定そのものの取り消しを求める保全異議と、これを審理する異議審の結論が出るまでの仮処分の執行停止を申し立てた。審理はいずれも、運転差し止めの仮処分決定をした山本善彦裁判長が担当している。関電は新証拠を出さず、「仮処分理由にある地震防災の記述などについて事実誤認がある。運転停止に伴い(火力発電の燃料費がかさみ)損失が生じている」などと主張していた。
住民側も地震・津波防災の不備を改めて主張し、「執行停止の要件は厳格で認められた事例は極めて少ない」として速やかな却下を求めた。
民事保全法では仮処分決定後に、取り消しの原因となることが明らかな事情があり、償うことができない損害が生じる恐れがあると説明された場合に限り、執行を停止できるとしている。
異議審は5月10日の第1回審尋で法廷審理が終わり、6月10日に関電と住民の双方が追加書面を出し主張を終えた。地裁は今夏にも結論を出すとみられ、少なくともそれまで高浜3、4号機は稼働できない状態が続く。【大原一城】
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asahi.comの社説【原発40年規制 早くも骨抜きなのか】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html?iref=editorial_news_one)。
《古い原発は廃炉とし、計画的に原発の数を減らしていく――東京電力福島第一原発事故への反省から決めたルールが、早くも骨抜き…残る細かい審査を7月の期限までに終えれば、あと20年、運転が続く公算が大きい》。
日本中の「地元」民の声は原子力「寄生」委員会に届かず。熊本大分大地震の最中、「狂ったゴジラ」=「寿命核発電所」を再稼働するという狂気。これが「極めて例外的」ならば、ニッポン中の原発はなんでもオッケーだな、トホホ…。
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」: 「麻薬」患者の関電が
プルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
何があろうとも、決して川内核発電所を止める気はないらしい。震源が広範囲に拡大することが無いことをひたすら祈るしかない。
『●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断:
寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」』
『●九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を
「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」?』
『●前田郁勝・西川知一郎両裁判長や九電のオゾましき
「社会通念」=「「安全より効率、命より経済」を優先」』
『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
地震国日本では、これこそ社会通念」』
『●東京電力核発電人災の教訓:
次の大地震で川内原発に「異常があってからでは遅い」』
『●地震調査委員会で結論が出ず「議論になっている」…
原子力「寄生」委員会は「規制」の仕事をすべきでは?』
『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき』
『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…』
『●「原子力規制委員会が専門的見地から判断することを
尊重するのが」、丸川珠代原子力防災担当相の仕事?』
熊本大分大地震の今後の推移は誰にも分かりません。九電や原子力「ムラ寄生」委員会、アベ様らは、でも、「命」よりも「経済性、経済神話」を優先し続けています。まだ、神様・仏様にすがろうとしているかのようです。神様・仏様が居ることを祈りますけれど、そう何度も…。
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
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【http://www.asahi.com/paper/editorial2.html?iref=editorial_news_one】
原発40年規制 早くも骨抜きなのか
2016年4月21日(木)付
古い原発は廃炉とし、計画的に原発の数を減らしていく――東京電力福島第一原発事故への反省から決めたルールが、早くも骨抜きになろうとしている。
原子力規制委員会は、運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、新規制基準を満たしていると正式に決めた。新基準のもとで40年超の老朽原発の運転延長が認められるのは初めてだ。残る細かい審査を7月の期限までに終えれば、あと20年、運転が続く公算が大きい。
「40年ルール」は福島での事故後、法律を改正して導入された。「1回だけ、最長20年間」と定められた運転延長は「極めて例外的」と位置づけられた。あえて例外を設けたのは電力不足に備えるためだったが、節電や省エネの定着で懸念は解消していると言っていい。
おりしも熊本県を中心に「今までの経験則からはずれている」(気象庁)という地震が続く。隣の鹿児島県で運転中の九州電力川内原発に影響が及ばないか、不安を感じている国民は少なくない。いきなり例外を認め、規制のたがを緩めるような対応は、原発行政への不信を高めるだけではないか。
安倍政権は個別原発の可否の判断を規制委に丸投げしつつ、運転延長を前提にしたエネルギー計画を立てた。「原発依存度を可能な限り低減する」と繰り返していた首相は、なしくずしに方針を転換してきた。
規制委は、あくまで科学的見地から原発の安全性を高めることが役割だが、今回の審査では耐震性の試験を後回しにすることを関電に認めるなど、手順に疑問が残る。7月の審査期限をにらんだスケジュールありきだったとすれば、まさに本末転倒である。
結局、廃炉にするかどうかの実質的な判断は電力会社に委ねられ、運転延長が採算に合うかどうかという観点から決まるという状況になりつつある。
狭い国土に多くの人が住み、地震など自然災害も多い日本で、多くの原発を抱えていくリスクは大きい。福島での事故を経て、そこが原子力行政見直しの出発点だったはずだ。
原発を維持する政策をとり続ければ、廃棄物の処理などで長期的には国民負担も増えかねない。エネルギー自給率は再生エネルギーの育成で高めようというのが世界の大勢だ。
移行期間は必要だとしても、着実に原発を閉じていく政策にこそ合理性があろう。40年規制はそのための柱の一つである。そのことを思い起こすべきだ。
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東京電力の社説【九電免震撤回 規制委も問われている】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016032602000175.html)。
《審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい-。そんなのありか。原発に免震施設があるかないかは、住民の命に関わる重大事。このまま見過ごしてしまっては、規制委への信頼も保てまい》。
九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」? とんだ《新規制基準下での再稼働第一号として、約二年の原発ゼロ状態に終止符を打ち、後続の“お手本”》だ。東京電力核発電所人災で《あれがなかったらと思うとぞっとする》施設=免震施設を、平気で九州電力は反故にし、見て見ぬふりの原子力「ムラ寄生」委員会。本領発揮だ。またしても、免震施設というコスト=カネと「命」を天秤にかけたのです。「命」よりも「経済性、経済神話」を優先しました。まだ、神様・仏様にすがろうとしているかのようです。
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
《規制委への信頼》、それが最大の問題! 何一つ「規制」せずに「推進」してばかりで、原子力ムラに「寄生」し、巣食う組織。「安全な」核発電所、「平和な」核利用、同様な形容矛盾が「信頼できる」寄生委。
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●大津地裁山本善彦裁判長、
高浜原発3、4号機の運転を差し止める仮処分決定!』
『●3.11東電人災の5年、王様・アベ様からして
核発電「麻薬」中毒患者という哀しい国ニッポン』
大津地裁の山本善彦裁判長が《原子力規制委員会が、いたずらに早急に、再稼働を容認するとは到底考えがたい》という、ブログ主が見落としていた重要なメッセージだ。その対比として、川内核発電所再稼働差し止め訴訟を却下した鹿児島地裁の前田郁勝(いくまさ)裁判長の名は記憶に留めておくべきです。
『●あの原子力「寄生」委員会にさえ「計画が現実的ではない」
「見通しが甘い」と“ダメ出し”再稼働計画?』
《まさか…(川内原発)/(C)日刊ゲンダイ》
《絶望的な判断が下された。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県
薩摩川内市)は安全性が不十分だとして、住民らが再稼働差し止めを
求めた仮処分申請で、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日午前、
「原発の新規制基準は不合理とまでは言えない」と判断した。
住民側は不服として高裁に抗告する方針を示している》
『●鹿児島地裁に川内原発再稼働差し止めを却下されてしまった・・・
判決に東京新聞も毎日新聞もダメ出し』
『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱:
国破れて、山河も無し・・・となってもいいのか?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016032602000175.html】
【社説】
九電免震撤回 規制委も問われている
2016年3月26日
審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい-。そんなのありか。原発に免震施設があるかないかは、住民の命に関わる重大事。このまま見過ごしてしまっては、規制委への信頼も保てまい。
川内原発は、事故発生時の対策拠点となる免震施設の新設を安全対策のメニューに盛り込んで、再稼働の審査に“合格”した。
しかも、3・11後の新規制基準下での再稼働第一号として、約二年の原発ゼロ状態に終止符を打ち、後続の“お手本”にもされていた。
ところが、免震棟は造らず耐震施設で済ますという。
パスさえすれば態度を翻す。
商売で言えば契約違反、選挙で言うなら公約違反、入試ならカンニングにも相当するような、地域を代表する大企業らしからぬ振る舞いとは言えないか。
免震施設建設の実績がないという理由は、いかにも説得力に欠けている。従来のレベルを超える対策こそが、今必要とされている。
規制委はなぜ、“合格”を取り消すことができないか、非常に素朴な疑問である。
一般に耐震では建物自体を強化する。しかし、地震の揺れを抑えるのは難しい。
免震は地面と建物を切り離し、建物に揺れを伝わりにくくする。従って、建物内での作業性が保たれる。だからこそ、3・11当時の東京電力社長が国会事故調で「あれがなかったらと思うとぞっとする」と、ふり返っているのである。免震施設は、コストがかさむ。もし対策費を考えての変更だとするならば、3・11の教訓を踏みにじり、安全神話を復活に導くことにならないか。
九州電力の瓜生道明社長は林幹雄経済産業相に「地域への説明不足があった」と詫(わ)びた。
地域への説明やコミュニケーション不足以前に、安全への配慮が足りなくないか。
3・11を教訓に生まれたはずの規制基準は、「緊急時対策所」の免震化を求めてはいない。設置にも猶予期間を設け、未整備のままの再稼働を認めている。
巨大地震は明日来るかも分からない。規制基準や規制委に対する信頼性も問われている。
規制委への信頼なしに、原発は動かせない。
再稼働の審査を申請中の原発の約半数が、川内のように免震の撤回や再検討を始めているという。
九電の翻意を、このまま認めてしまってはならない。
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東京新聞の社説【高浜原発停止 「安全最優先」は本当か】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030302000156.html)。
《再稼働に伴う気がかりなトラブルが相次いで、関西電力高浜原発4号機はすぐに停止を余儀なくされた。安全は最優先されたのか。それを確かめない限り、原発再稼働などありえないということだ》。
《住民の不安や疑念が晴れないままの再稼働は危険である》
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
核発電賛成派の「地元」の住民の皆さんに、感想・意見を聞いてみたい。
なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために核発電する必要があるのか? 核発電「麻薬」患者のアベ様ら、関西電力、原子力「寄生」委員会に唆されて、ひどく後悔しておられないだろうか?
この5年間、関電や九電は一体何をしてきたのか? 核発電ゼロの努力を少しでもしたのか? 核発電ありきの「麻薬」状態だったのではないか。
神様、「仏様のおかげ」はもう期待できず、暴発すれば、「地元」に帰還することさえできなくなるというのに…。
『●電力会社やアベ様、原子力「寄生」委員会は「原状回復」して見せよ』
『●2011年の『X年後』:星北斗座長
「現時点で放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?』
『●原状回復できない現実: 「12万円で、
あとはもう黙ってろ、自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」』
『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
『●いま、核発電所を再稼働する「地元」へ:
立地する地域住民にも染み渡っていた「日本の原発は安全」…』
『●3.11東京電力核発電人災、
菅直人(当時)首相談話草案の全文が公開された』
『●東電核発電人災避難者の《「怒り」と「慟哭」》、
「理由も知らされず避難し、人格が否定された気がした」』
『●第五福竜丸元乗組員大石又七さん
「ビキニと福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」』
『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
放射線測定器で測ることはできない」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030302000156.html】
【社説】
高浜原発停止 「安全最優先」は本当か
2016年3月3日
再稼働に伴う気がかりなトラブルが相次いで、関西電力高浜原発4号機はすぐに停止を余儀なくされた。安全は最優先されたのか。それを確かめない限り、原発再稼働などありえないということだ。
拙速だ。急ぎすぎていた。拙速には危険がつきまとう。
先月二十日、4号機の原子炉補助建屋の配管から、放射性物質を含む冷却水が漏れ出した。
配管の弁のナットの緩みが原因だった。外部への影響はなかったが、原子炉を冷やす冷却水の漏出は、重大事故につながりかねない“事件”である。
関電は起動試験を一日遅らせ同種の弁を再点検はしたものの、当初の予定通り二十六日に再稼働。スケジュールを堅持した。
それから三日、タービンを回し、発送電を始めた直後に、発電機や変圧器の異常を知らせる警報が鳴り響き、原子炉は緊急停止した。詳しい原因は、わかっていない。
政府が“世界一厳しい”と自画自賛する原子力規制委員会の審査に通ったあとだけに、住民の不安と疑念はなお募る。
関電幹部らが繰り返す「安全最優先」の掛け声は、むなしく響き、規制委の権威や信用もまた傷ついた。
関電の「スケジュール優先」を不安視する声は上がっていた。
規制委の審査のスピードを、海外の規制当局者は「想像を絶する速さ」と驚いているという。
なぜ、そんなに急ぐのか。原発ゼロで過ごした約二年、日々の暮らしに大きな支障は出なかった。
原発依存度の高いまま、自由化の波にさらされる電力会社の台所への配慮だろうか。
高浜原発3、4号機は、プルサーマル発電による再稼働。プルトニウムを含む使用済み燃料が使われる。核兵器の材料になるプルトニウムの保有を減らしたい政府の意向をくんでのことか。
4号機のトラブルは、スケジュールではなく「安全最優先」の姿勢こそ堅持せよとの警鐘ではないのだろうか。
トラブルの原因究明だけではない。避難対策、免震施設、隣接自治体の同意権、ケーブルの防火対策や原子炉内部の老朽化チェック…など。とりあえず再稼働ありきで先送り、あるいは切り捨ててきたとしか思えないものなどにも「安全最優先」の物差しを当て直し、再検討するべきだ。
住民の不安や疑念が晴れないままの再稼働は危険である。
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asahi.comの田井中雅人記者による記事【(核の神話:15)福島原発が呼び起こしたビキニの記憶】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2N5D1MJ2NPTIL00P.html?iref=comtop_fbox_d1_01)。
《日本のマグロ漁船「第五福竜丸」など多くの漁船の乗組員らが「死の灰」(放射性降下物)をあびて被曝(ひばく)したビキニ事件。2011年の福島原発事故を受け、「ビキニと福島はつながっている」と訴える第五福竜丸元乗組員の大石又七さん(82)の話に、今こそ耳を傾けた……私たちビキニの被曝者がたどった道を、福島で放射能を浴びた人たちもたどっているんだと思います。本当に気の毒だと思うばかりです。福島の人たちの苦労が始まったわけですからね》。
映画・TVドキョメンタリー『放射線を浴びた『X年後』』にある通り、大石又七さんの仰るように、《あのころ、ビキニ環礁では、のべ1千隻に及ぶ日本の漁船が漁をしていて、アメリカの一連の核実験の放射能を浴びて、あとになって大勢の人が発病して亡くなっているんだけど、だれもその責任を認めていない》。本インタビュー記事を、是非、読んでもらいたい。
『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」』
『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』』
『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」』
『●人類は核と共存できるのか?
『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議』
『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」』
大事なことは、東京電力核発電人災との関連である。
この人災の『X年後』への懸念に加えて、記事の末尾で、大石さんは、《核兵器とおんなじで、原発も被害を作り出すものだってことは証明されたよね、福島でね。核兵器は悪いけど原発はいいもんだってことを盛んに言ってきたけど、そうじゃないわけで、いまや原発のほうが核兵器よりも直接の害を及ぼしてますからね。・・・、原発の方が直接的には悪いんじゃないの》とも仰っている。
『●烏賀陽弘道さん
『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了』
『●社説:核廃絶と脱原発』
『●アメリカのちょっかいとナチソネ氏、原子力の「安全」利用』
『●原発と核兵器は同じ: 「怖いと思わなかった。何も知らなかったから」』
『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の
五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続』
『●東電の「万全」神話: 「作業員の安全を祈らずにはいられなかった」』
『●米国ビキニ環礁水爆実験『放射線を浴びた『X年後』』:
福島でも、X年後に「因果関係の証明は困難」と』
『●東京電力原発人災から『X年後』・・・・・・
取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●ビキニ水爆実験からの『X年後』、
そして、3.11東京電力原発人災からの・・・・・・』
『●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…
「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」』
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【http://www.asahi.com/articles/ASJ2N5D1MJ2NPTIL00P.html?iref=comtop_fbox_d1_01】
(核の神話:15)福島原発が呼び起こしたビキニの記憶
核と人類取材センター・田井中雅人 2016年2月23日14時30分
(大石又七さん=東京・夢の島の第五福竜丸展示館、
田井中雅人撮影)
1954年3月1日、太平洋ビキニ環礁で米国が実施した「ブラボー」水爆実験で、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」など多くの漁船の乗組員らが「死の灰」(放射性降下物)をあびて被曝(ひばく)したビキニ事件。2011年の福島原発事故を受け、「ビキニと福島はつながっている」と訴える第五福竜丸元乗組員の大石又七さん(82)の話に、今こそ耳を傾けたい。
◇
■第五福竜丸元乗組員・大石又七さん
福島原発事故が起きるまでは、ビキニ事件のことは世間から忘れられていました。マスコミも私のところに全然来なかったです。福島の事故がなければ、完全に消えていったでしょうね。放射能と内部被曝っていう大きな問題を福島が呼び起こしちゃったよね。半世紀以上前にあったことを忘れていたのか、抑えられてきたからか。みなさんが知らないで生きているだけのことだと、私の目には映ります。知ってることは話しておかなきゃね。
私たちビキニの被曝者がたどった道を、福島で放射能を浴びた人たちもたどっているんだと思います。本当に気の毒だと思うばかりです。福島の人たちの苦労が始まったわけですからね。
第五福竜丸の乗組員23人のうち、半分以上は放射能が原因とみられる病気で亡くなりました。放射能の中に放り出されている福島の人たちには、これからいろんな形でいろんなことが起こる。そのことの始末ができない以上は、これから先もずっと続いていくということになりますのでね。あまり声を大きくして言えないようだけど、ほんとは声を大きくして言わないといけない。声を大きくすると困る人が出てくるってことが、まったく困ったことなんだよね。
これから福島原発の放射能による病気が見つかっていくんでしょうけど、お医者さんはきちんと事実を発表して、それが起こらないようにしないと、いつまでたってもなくならない。まあねえ、国自体がこのことを隠そうとして一生懸命になってるんだから、お医者さんにしろ学者さんにしろ、わかってても手をつけないんでしょう。だって自分が不利になるもん。そういうものなんだよね、この放射能とは。日本はこれまで、核というものの扱いをそういうふうに持ってきたから、福島の核の被災地にもそういうことが起こるんだよ。そんなことは分かってることなんだけど、やっぱりそれにお金がからむと、人間ってのはお金に弱いのかな。負けちゃうんだよね。いやだね。
危険ということより、お金が先に来ちゃってる。よく調べたら、原発自体がやっちゃいけないことだったんだよね。よく調べないから、それに手を出して、つかんでしまう。いったんカネをつかんだら、放さないですからね。あとにひきずって、いま、こういう結果になってるんでしょ。どっかで道を間違えているわけですよ。人間の弱さが、そういう道をつくってるんですよ。だれを責めるっていうのは、難しいんですよね。責任者を探せばいないことはないけれども、だからっていってその人に決めつけられないし、歴史の大きな流れの中でそういうことが起こってくる。はっきりどっかで線引きしないと、また原発事故が起こっちゃうでしょう。
【被爆させられた船】
(東京・夢の島の第五福竜丸展示館で展示されている)福竜丸を見るたびに思うのは、この船もおどらされたんだな、と。福竜丸自体が被曝したんじゃなくって、そういう時代の中で被曝させられた船なんだって。大きく考えたら、日本人の心がヒバクしたんだよね、あの時。それを船が警告してる。ずっと教えてるんだよ。「おれは被曝したあわれな船じゃないんだ」って言ってるように見えます。都合の悪いことは全部この船に押しつけて。この船だけが被曝したってことで終わらせてるわけでしょ。あのころ、ビキニ環礁では、のべ1千隻に及ぶ日本の漁船が漁をしていて、アメリカの一連の核実験の放射能を浴びて、あとになって大勢の人が発病して亡くなっているんだけど、だれもその責任を認めていない。
私は言わないと気がすまないっていうのがあったね。被曝させられたことすら知らずに死んでいった仲間がかわいそうでならなかった。福竜丸乗組員の中で短い人では今の私の半分くらいですよ、人生が。私は普通の人以上に長生きができたんだから、自分の寿命はまっとうできたと言っていいと思うんですよ。苦労はしたけどね。その代わり、いろんなことを教えてもらったよね。どっかで恩返ししなきゃ申し訳ない。ただ、だらだら長生きしたで終わりたくないから。使命なんて立派なもんじゃないけどね。
私の最初の子供は死産、私も肝臓がん、慢性心房細動、高血圧、気管支ぜんそく、糖尿病、肺には腫瘍(しゅよう)を抱え、二十数種類の薬を飲みながら命をつないでいます。4年前、家内のアルツハイマー病の悪化による看病疲れで自分が脳出血で倒れ、右半身と言葉に支障をきたしました。
もう、これ以上体が良くなることはないですけどね、仲間が若くして死んじゃってることを考えればまだまだ幸せなほうで、助けられてます。神様がビキニ事件のことを伝えるために、こいつだけは生かしておけと言ってるのかもしれない。そうでないと、死んでいった連中に申し訳ないもの。生き残ったことが幸せかどうかはわかんないけどね。ああだこうだと文句は言えるから、いいんじゃないですか。仲間は言いたいことも言えないで死んでいってるからね。
ふるさとを捨てて出てきてますから、帰るところはない。つきあいはありません。生まれ変わったら、この船に乗って同じことをしたいとは思わないけど、海の生活や魚は好きだから、そこには戻りたいね。陸の生活っていうか、人間同士の生活はだましあいをしているようにしか見えません。
もともと、静岡から東京に出てきたのは隠れるため。福竜丸の仲間うちで私が一番ガキだったんで、地元に残って静かに暮らしていくことができなかった。地元では「罪人」でしたよ。ほかの船の漁師たちを苦しめたんだからね。(ビキニ被曝事件によって)漁はできないし、お金は入ってこないし、生活も苦しいっていうのをみんなが味わったから。そういう怒りは、それを持ってきた我々福竜丸のほうへと向けられたんですよ。人間ってそういうもんだよね。あいつらが持って来なきゃ、自分たちも苦労しなくてすんだんだっていう考えになるんですよ、単純に、事件の内容がわかんない人は。それが普通の漁師ですからね。カネが入らない、食うものがない、苦しい、となれば、その原因をつくったやつが悪いやつになるんだよね。
地元に残った仲間もそういうことでずっといじめられて、いまもそれが抜けないんだよね。重荷をしょって地元で暮らしたって面白くもなんともない。ほんとに罪人とおんなじですよ。私はそんなこといやだから、せめて都会へ出て、みんなとおんなじような気分で生活したいと思って、おおぜいの中にまぎれこんだ。事件のことを言わなきゃわかんないんですから、東京ではね。
だから、私は平和運動家じゃないんです。東京の雑踏にまぎれて洗濯屋になって隠れてたんです。それが半世紀の長い間に逆転しちゃった。ずっとビキニ事件のことは隠してたんだけと、政府と交渉したときに、私たちの病気はたいしたことないというふうに言われて、これは間違いなく放射能の影響があったんだ、それでずいぶん悩んで苦しんだんだっていうことを伝えなきゃ意味がないと思うようになったんだよね。
アメリカの公文書館で調べて日米交渉の真実を教えてくれる人も出てきた。ビキニ事件そのものが根本的な解決をしていないし、このままでは人類のためにもマイナス面のほうが大きい。そういうことが年を追うごとにわかってきた。なのに日本の政治家や役人はアメリカの家来になって、今もひた隠しにしてる。裏切りですよ。
いまや戦争好きの軍国主義者らが政権を握っている。これも裏切りですよ。そういうことのために戦場に行かされた人たち、たくさんの人たちが帰りたくても帰ってこられなかったという歴史的事実をいまの若い人はなんにも知らない。
私は戦時中の教育を受けて、特攻隊員になろうと思って勉強してたんだから、当時の指導者がどういうことを言って若者を戦場に送ったか知っている。それはもう腹がたちますよ。表だっては言えないけどね。でも、それが本心なんですよ。それが私のいまの発言の根底にあるんですよ。怖いからみんなが黙ってるけどね、腹の中には私と同じ考え方を持っているはずです。
【政治決着という不合理】
(ビキニ事件で、米政府は日本政府に200万ドルの「見舞金」を支払い、核実験で第五福竜丸の乗組員23人を被曝させた米国の責任を不問にすることに日本側が応じた)あの政治決着という、私たちが受けた扱いは正当じゃないですよ、不合理です。いくら敗戦国だといっても、当時は戦争中じゃなかったわけですからね。間違ってるよ。
間違ってるけれども、そういう時代で、戦争に負けた国の弱さが、そういうところに出てくるってことを、みんな知らなきゃいけない。力で抑え込まれたっていう事実だけは、ちゃんと記しておかなきゃ。負けた国の弱みだよね。戦争に負けたってことなんだよね。
当時の(日米政府交渉をめぐる機密)文書が少しずつ出てきてますね。そういったものが出てくるから、判断ができるわけです。何が間違ってたか。過去の歴史を学ばなかったら、今の判断が出てこないですよ。
福島原発事故について、政治家や科学者は自分たちの誤りで起こしてしまったという認識はあるのでしょうか。経済が優先され、ビキニ事件のように人権と命が無視され、真実は隠されている。責任問題も補償問題も健康問題も、ビキニ事件に立ち返って考え直さないと答えは出てこないと思いますよ。
ビキニ事件当時、日米政府は水面下で大変な取引をしたんだよね。それは、原発の導入です。「日本は地震大国であり、放射能についてはまだ十分に分かっておらず、危険である」と言って反対していた学者もいたんだけど、その考えは押しのけられた。ビキニ事件でこうむった膨大な被害を200万ドルというわずかな見舞金にすり替え、太平洋で行われていたアメリカの水爆実験を容認する代わりに、原子力技術と原子炉が日本に導入されたんです。ヒバクシャを切り捨て、地球汚染も容認し、地震大国である日本に危険な原発を安易に導入したんだよね。
今また同じことをやってるな、と思います。過去を知らない人は、いいか悪いかが分からないまま過ごしていっちまう。それは、間違いだと思うんですよ。無責任。政治家にしても学者にしても、過去を知ってりゃ、こんなことは出来ないと思うよ。放射能が人間に及ぼす影響というものをはっきり知ってたらね。原発を再稼働させて、それをよその国にまで売ってカネにしようなんていう考え方は出てこないはずですよ。できないはずですよ、人間としてね。それを平気でやれるってことは、過去を知らないから、おカネになるんなら、事故が起こらないようにするんならっていう、そういうことに流されちゃう。もっとひどいことが必ず起こりますよ。
核兵器とおんなじで、原発も被害を作り出すものだってことは証明されたよね、福島でね。核兵器は悪いけど原発はいいもんだってことを盛んに言ってきたけど、そうじゃないわけで、いまや原発のほうが核兵器よりも直接の害を及ぼしてますからね。核兵器は持って威嚇してるだけだけど、原発は実際に人類に害を与えているんだから、原発の方が直接的には悪いんじゃないの。そういうふうに見えるもんね。
………。
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東京新聞の記事【高浜1、2号機、新基準に適合 老朽原発が相次ぎ延命も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022502000138.html)と、
社説【高浜原発40年超へ 安全文化はどこへ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022502000142.html)、
そして、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016022502000143.html)。
《原子力規制委員会は…七月七日に運転期間満了を迎える関西電力 高浜原発1、2号機…対策などを進めれば、新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発が新基準を満たす初めての判断》。
《四十年を超えた関西電力高浜原発1、2号機が、新規制基準に適合と判断された。安全のために定めた「寿命」の原則は、もう、反故にされたのか》。
み~んな、核発電「麻薬」患者、特に、関電は重傷。プルサーマルに続き、今度は「寿命核発電所」を再稼働したいそうだ。アタマオカシイノデハ? 狂っているとしか言えません。
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●「値上げ脅迫」: 無策の関西電力・・・
東京電力原発人災以降、一体何をやってきたのか?』
『●川内原発再稼働: 「経済麻薬」=思考停止、
「他の方法で経済発展する手を考えることを放棄させる」』
『●狂気・凶器「プルサーマル発電は新規制基準下では初」
……もう何でもアリな原子力ムラの大暴走』
『●「大切なのは「信頼」だ」…
だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者』
《原子力規制委員会が老朽化した関西電力高浜原発1、2号機の安全対策に対し、新規制基準に適合していると、判断した。老いた馬をなお走らせるのか》。
「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」なり。 「愚」を繰り返すニッポン……「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」。「仏様のおかげ」にまだ縋ろうとする関電、アベ様、原子力「寄生」委員会、「地元」賛成派、等々。
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とう
という「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?』
「安全神話」「不老神話」を支えるものが、またしても、経済性とは……原子力「推進」委員会=「寄生」委員会は芯から腐っている。
『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない』
「原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける。
極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が
高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されないと、怒りさえ
にじませているようだ。経済神話の否定である」
「大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず」
「また、生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が「法的には
許されない」ことで、原発事故で豊かな国土と国民生活が取り戻せなく
なることが「国富の喪失」だと指摘。福島事故は「わが国が始まって
以来、最大の環境汚染」であり、環境問題を原発推進の根拠とする
主張を「甚だしい筋違い」と断じた」
「「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの
問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない」
として、経済活動よりも生存に関わる人格権を優先した」
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022502000138.html】
高浜1、2号機、新基準に適合 老朽原発が相次ぎ延命も
2016年2月25日 朝刊
原子力規制委員会は二十四日の定例会合で、七月七日に運転期間満了を迎える関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、原子炉建屋の放射線対策やケーブルの防火対策などを進めれば、新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発が新基準を満たす初めての判断となった。
東京電力福島第一原発事故後に改正された原子炉等規制法では、原発の運転期間は四十年に制限され、最大二十年間の運転延長は「例外」とされてきたが、早くも例外が認められる見通しとなった。今後、延長を目指す電力会社が相次ぎ、実質的に「六十年廃炉」になっていく恐れがある。
この日の会合で、事務局は、建屋上部に遮へいドームを造り、ケーブルには防火シートを巻き、事故時の対策拠点を新設するなど関電の方針を説明。これらが実行されれば、新基準を満たすとした。委員から若干の質問は出たが、審査書案に異論はなく、議論は十五分ほどで終わった。
規制委は二十五日から三月二十五日まで意見募集を実施して審査書を決定。対策工事の詳細設計や老朽化の審査も進めた上で、延長の可否を決める。
四十年廃炉の原則は二〇一二年、米国の制度も参考にして法制化された。二十年延長の例外規定も設けられたが、当時の細野豪志原発担当相(民主党)は「例外が認められるのは、極めて厳しい。例外中の例外」と明言していた。
四十年超の原発を延命させるためには、新基準で要求される設備を整えるほか、老朽化に伴い原子炉がもろくなっていないか、建屋のコンクリートの強度は十分かなどの審査にもパスすることが求められる。
関電は、1、2号機は出力が八十二万六千キロワット、3、4号機は八十七万キロワットと大きく、新基準などに適応する対策費に四基合わせて約三千百九十億円をかけても採算が合うと判断した。
新基準ができた後、関電美浜1、2号機(福井県)など五基の廃炉が決まったが、いずれも最大五十万キロワット台と比較的小さい。
今後十年のうちに、十五基が四十年を迎え、廃炉か延長か判断を迫られる。しかし、大型化の傾向は明確で、十一基までが八十万キロワット超。もっと新しい原発は百万キロワット超が主流だ。
各社とも方針を明らかにしていないが、採算性を優先すれば、延長を狙ってくる可能性が高い。そうなれば、四十年廃炉の原則は失われることになる。
◆規制委「費用かけ克服」
原子力規制委員会の田中俊一委員長は二十四日の定例記者会見で、老朽原発の関西電力高浜1、2号機(福井県)が新規制基準に基づく審査に適合としたことに関し、「(老朽原発も)費用をかければ技術的な点は克服できる」と述べた。
田中委員長は今後の老朽原発の審査方針について「個々に判断していく」としたほか、高浜原発の追加の安全対策について「新しく原発を造る半分の費用がかかっている。それなりの覚悟があったのだろう」と述べ、関電の対応に一定の評価を示した。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022502000142.html】
【社説】
高浜原発40年超へ 安全文化はどこへ
2016年2月25日
四十年を超えた関西電力高浜原発1、2号機が、新規制基準に適合と判断された。安全のために定めた「寿命」の原則は、もう、反故(ほご)にされたのか。
五年前のあのころに、気持ちを戻してみてほしい。
3・11を教訓として、私たちは繰り返し訴えてきたはずである。
今世紀に入って新たに運転を始めた原発は、東北電力東通1号機など五基しかない。
四十年寿命を厳格に適用し、役目を終えれば直ちに停止、廃炉に向かう。おおむね二〇三〇年代に原発は停止して、北海道電力泊3号機の寿命が尽きる四九年の暮れまでに国内の原発はゼロになる。
その間に、不要になった送電網や港湾施設を活用しつつ、風力や太陽光など再生可能エネルギーを普及させていくべきだ-と。
国民の大勢も、そのように感じていたはずだ。
折しも3・11は、東京電力福島第一原発の1号機が、運転開始四十年を迎えるちょうど半月前。四十年の当日には、原発の廃炉と福島の未来を考えようという市民グループ「ハイロアクション福島原発四十年実行委員会」が、結成イベントを開くはずだった。
廃炉時代は3・11以前から、始まっていたのである。
一二年の年明け早々、当時の民主党政権が「原発の運転期間は原則四十年」の方針を打ち出した。
「ほとんどの原子炉は中性子の照射により四十年で脆化(ぜいか)する」という設計思想に基づいて設定された“寿命”である。
脆化とは「もろくなる」ということだ。
原子炉の心臓部に当たる圧力容器の内側には、核分裂で生じる中性子が当たり続けてもろくなる。つまり、こわれやすくなるのである。その限界が四十年。高レベルの放射能を浴びており、交換も不可能だ。原発の寿命が最長四十年という理屈は通る。
旧式の圧力容器は材質が悪く劣化が早い。四十年も持たないと、前倒しを求める意見も目立つ。
それなのに「一度だけ最大二十年延長できる」という例外規定が、法律に付いてきたのはなぜか。
そして3・11の教訓をこめた新しい原発規制に、なぜそれが踏襲されたのか。
「世界の潮流にならい」というのが政府の説明だった。要は「米国のルールを取り入れた」ということなのだろう。
ところが、本家の米国でさえ、3・11以降、求められる補修や改善に費用がかかり過ぎるとして、延命をやめて、閉鎖、廃炉に踏み切る原発が増えている。二十年という延長期間の方こそ、根拠が薄いのではないか。
◆“不老神話”の誕生か
原子力規制委員会は例外を認める条件として、通常より格段厳しい特別点検や安全対策の大幅な強化を義務付けてはいる。
しかし、心臓部は交換不能、新しい部品のつなぎ目から問題が生じる恐れがあるとの指摘もある。補修による延命にはやはり、限界があるとは言えないか。
経済産業省が昨春示した三〇年の電源構成(ベストミックス)案は、総発電量に占める原発の割合を「20~22%」と見込んでいる。
四十年寿命を守っていては、達成できない数字である。
例外規定の背後には、福島の教訓放棄、安全神話の復活、そして、新増設をも視野に収めた原発回帰の未来が透けて見えないか。
関電は、同じ老朽原発の中でも、出力が低い小型の美浜1、2号機はすでに運転を終了し、美浜3号機を含む中型の運転延長を願い出た=図参照。
安全への配慮からというよりも、補修にかかる費用と再稼働の利益をてんびんにかけ、そろばんをはじいた上での判断だ。
◆工学は寿命を決める
一九五〇年代前半、世界初のジェット旅客機である「コメット」の事故が相次いだ。航空機業界はその反省に立ち「安全寿命設計」という考え方を採り入れた。
たとえば長距離型のジャンボでは、総飛行六万時間、離着陸二万回が“寿命”になるという。
電力業界に安全思想、安全文化が根付いているとは、言い難い。
私たちは、もう一度訴える。
原発の四十年寿命は厳格に守り、円滑な廃炉や核のごみの処分に備えるべきである。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016022502000143.html】
【コラム】
筆洗
2016年2月25日
男は街角で動かぬ年老いた馬を見たという。一八八九年一月三日、イタリア・トリノでのことだそうだ。御者がどんなに脅しつけても馬は頑として動かない。御者は烈火のごとく怒り、馬を鞭(むち)で打ち始めた▼見かねた男は駆け寄って御者の仕打ちを止めた。泣きながら馬の首を抱きかかえ、そのまま、倒れた▼男は哲学者のニーチェである。二日後、目を覚ましたが、その時には、精神を完全に病んでいたという。ハンガリーのタル・ベーラ監督による映画「ニーチェの馬」(二〇一一年)で知った。キリスト教的道徳や憐憫(れんびん)に否定的だったニーチェだが、この逸話には同情と優しさがあふれている▼あの白黒映画の馬の哀(かな)しげな顔が、振り払っても浮かんでくる話である。原子力規制委員会が老朽化した関西電力高浜原発1、2号機の安全対策に対し、新規制基準に適合していると、判断した。老いた馬をなお走らせるのか▼原発の運転期間は原則四十年でそれを超える高齢原発の「合格」は初めてという。再稼働には原子炉建屋に放射線を遮るドームを建設することや、ケーブルの火災対策強化など必要だが、それさえもが、老いて休ませるべき馬を動かすための無理で非情な鞭に見えなくもない▼しかもそれは馬ではない。間違いや老朽化による変調など絶対に許されぬ、扱いの難しい装置である。鞭打たれるものが心配である。
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asahi.comの記事【安倍首相、参院選は「自公と改憲派で3分の2めざす」】(http://www.asahi.com/articles/ASJ1B5DW2J1BUTFK002.html?iref=comtop_list_pol_n02)。
《自公だけではなく、改憲を考えている責任感の強い人たちと、3分の2を構成していきたい》。
アベ様ら自公議員やおおさか維新議員=「責任感の強い人」!? 嗤うしかない論理だ。原発問題に誰かが、何かの責任をとっただろうか? 「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」とまで言っていたTPPについてはどうか? 《「安倍さんはなにか質問されると、いっつも「国民には丁寧に説明をしていく」という。明白な危険とは、「まさに明白な危険」で、疑問に対しては、「国民に丁寧に説明をしていく」で終わり。頭をバリバリ掻きむしりたくなる》(by 室井佑月さん)……アベ様の決まり文句「国民には丁寧に説明をしていく」、でも、責任をもって、そうしたタメシはなし。自公投票者やおおさか維新投票者はそれでもアベ様らを「責任感の強い人たち」と認識? 何とオメデタイ!
『●「死の町」にした者が悪いのではないか?』
『●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●「日本は直ちに原発ゼロでやっていける」:
小泉氏は自公議員一人一人を訪ねて行って、説得してはどうか?』
『●素晴らしき道徳観:ドリルだろうが、
パンツ&ストーカーだろうが、「言論弾圧」だろうが、何でも許す!?』
『●「自席(自責じゃない)発言」を繰り返して
「息吐く様に嘘つく」ような人がいちいち「反省」する訳がない』
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【http://www.asahi.com/articles/ASJ1B5DW2J1BUTFK002.html?iref=comtop_list_pol_n02】
安倍首相、参院選は「自公と改憲派で3分の2めざす」
2016年1月10日19時20分
安倍晋三首相は10日のNHKの報道番組で、夏の参院選について「自公だけではなく、改憲を考えている責任感の強い人たちと、3分の2を構成していきたい」と述べた。自民、公明両党のほか、おおさか維新の会など憲法改正に積極的な政党を合わせて、憲法改正の発議に必要な3分の2の議席確保をめざす考えを示したものだ。
首相の発言は9日に収録された。自公両党は衆院ではすでに3分の2以上の勢力を確保している。参院選で自公両党の改選議席は59で、3分の2に届くには86議席の獲得が必要だ。ただ、両党に憲法改正に前向きなおおさか維新の会と、日本のこころを大切にする党を加えると、4党で78議席をとれば3分の2に達する。
首相は番組で「与党だけでは3分の2は大変難しい。おおさか維新など改憲に前向きな党もある」と述べ、改憲勢力の拡大に期待感を示した。ただ、どの条項の改正をめざすかは「これから議論が深まっていくだろう」と述べるにとどめた。衆参同日選を行う可能性については、「まったく考えていない」と、これまでの発言を繰り返した。
一方、公明党の山口那津男代表は同番組で、憲法改正をにらんだ賛成勢力の結集について「国会の数合わせだけでは済まない問題だ」と指摘。「目指す方向、内容についてもコンセンサスをつくる努力が大切。おおさか維新のみならず、ほかの野党も含めて幅広い合意形成の努力が必要だ」と語り、首相がおおさか維新に軸足を置きすぎないよう牽制(けんせい)した。
民主党の岡田克也代表は「首相は3分の2を確保すれば必ず憲法改正をすると確信している。3分の2は阻止する。野党が大きな固まりになっていくことは重要で、理念、政策一致を前提に色々な可能性を探りたい」と述べ、参院選に向けた野党共闘を探る考えを強調した。共産党の志位和夫委員長は、首相が現憲法に規定がない緊急事態条項の新設を主張していることに触れ「極めて重大で危険。戒厳令、独裁政治への道だ。こういう明文改憲は絶対に許さない」と語った。
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asahi.comの社説【電源構成―近未来を考えよう】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。
「2030年度の電気をどう賄うかを示す政府の電源構成(エネルギーミックス)案を経済産業省が示した。原発の割合を20~22%、再生可能エネルギー(再エネ)を22~24%にする、というのが骨子だ」。
泥棒やその子分に縄をなわせれば、そうなるに決まっています・・・・・・誰も罰せられない「パンドラの箱」を開けた張本人たち。縄をなう資格のない者に、なぜやらせるのでしょうか? つくづくこの国は「腐って」います。自公議員、翼賛野党の議員に投票した人達には全く罪の意識が無いのですから、救いようのない国・ニッポン。
『●パンドラの箱を開けたのは誰だ?』
『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖』
『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて』
『●誰も責任をとらない自民党議員・・・・・・
3.11東京電力原発人災以前に逆戻りしていて大丈夫?』
『●政治献金という名の「賄賂」:
アベ様達は原発産業と「ズブズブ」の関係』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●東電原発人災: あ~アベ様の言う
「完全にブロックされている」「状況はコントロール」の悲惨な現実』
『●3.11東京電力原発人災から4年:
虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」』
『●「パンドラの箱」を開けた張本人たちがこだわる
「ベースロード電源」、そして原子力発電』
「政府・自民党や公明党、翼賛野党の考え・・・・・・
全く理解不能、2011年の3.11東電原発人災とは
一体何だったのでしょうか?
パンドラの箱を開けたのは誰だ?」
ニッポンにとって、デンマークはとても参考になると思うのですが? 内橋克人さんのFEC自給圏の確立を。
「宮沢経済産業相は、原発比率を2割超としたのは、①エネルギーの自給率を震災前並みに戻す②地球温暖化対策で世界に貢献する③電気料金を今以上あげない、という3点を考慮したためだという」・・・・・・などという寝言は、寝てから言ってくれ。
『●「えらそうに反対するなら、この田舎町で生活できる基盤を下さい」
・・・原発再稼働以外の道はある』
『●「死の灰」を回避し得ない上に、
「発電機能付き湯沸し装置」では温暖化は止まらない』
『●「原発安価神話」崩壊』
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【http://www.asahi.com/paper/editorial2.html】
電源構成―近未来を考えよう
2015年6月3日(水)付
2030年度の電気をどう賄うかを示す政府の電源構成(エネルギーミックス)案を経済産業省が示した。原発の割合を20~22%、再生可能エネルギー(再エネ)を22~24%にする、というのが骨子だ。
原発の現状はゼロである。福島第一原発事故への反省をもとに改定した原子炉等規制法で、原発の寿命は40年に制限されている。これに従えば30年度の原発比率は15%以下にしかならず、原発を2割以上にするには法律の例外規定を援用するしかない。構成案は、無理をして原発の比率を増やしていくことを意味する。原発回帰である。
安倍政権が言ってきた「原発への依存度を可能な限り低減する」ことこそ、15年後の未来図に盛り込むべきだ。7月にも政府案として決める予定だが、その前にパブリックコメントにかける。この未来図でいいのか。改めて考える機会である。
電源構成は、不測の事態で電気が供給できない事態にならないよう、あらかじめ電気の賄い方を考えておく目標値のようなものだ。政府はこれに基づき、実現に向けた施策を整える。再エネの課題克服に向けた施策が次々に打ち出せるような目標値が今、必要なのではないか。
宮沢経済産業相は、原発比率を2割超としたのは、①エネルギーの自給率を震災前並みに戻す②地球温暖化対策で世界に貢献する③電気料金を今以上あげない、という3点を考慮したためだという。
確かに三つの要素はエネルギー社会を考えるうえでどれも大切だ。だが、①と②は、再エネを増やすことでも対応できる。目標は今から15年後である。③についても、再エネの一層の普及を通じて価格を下げていく余地があるはずだ。
30年度より手前で電力の自由化が実現し、電源間でも競争が生まれる。リスクの高い原発は今後、商業的に成り立たなくなる可能性がある。
自由化を機に、再エネを軸にしたエネルギー産業への参入を考える企業や地域経済の核にしようという自治体も増えている。原発回帰が新しい成長の芽を摘みかねないことに、政府は留意すべきだ。
宮沢経産相は「原発比率を高くすれば、すべて(①~③の課題)が解決する」「(それでも)可能な限り低減させていった結果が20~22%」と語る。しかし、議論の出発点は「原発だけが課題を解決する方法ではない」ということにある。近未来にふさわしい電源構成を目標に据えるべきである。
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東京新聞の記事【高浜原発の再稼働認めず 福井地裁が仮処分】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041401001499.html)。
asahi.comの記事【高浜原発再稼働を差し止め 福井地裁が仮処分決定】(http://www.asahi.com/articles/ASH3X43MLH3XPTIL00M.html?iref=comtop_6_02)。
福井地裁の樋口英明裁判長が高浜3、4号機再稼働差止仮処分を決定しました。画期的な決定です。先月の井戸謙一さんの予測はコチラ。
『●井戸謙一さん「高浜3、4号機再稼働差止仮処分」
・・・「仮処分決定は、直ちに効果が発生」、再稼働不能』
井戸さんの予想通り、「関西電力 高浜原発3、4号機の安全対策は不十分として、周辺の住民らが再稼働差し止めを申し立てた仮処分で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、再稼働を認めない決定・・・・・・。決定はすぐに効力を持つ。関電は・・・・・・主張が認められない限り再稼働できない」、「福井地裁の樋口英明裁判長は14日、再稼働を差し止める仮処分決定を出した。原発の運転をただちに禁じる司法判断は初めて。2基の原発は当面動かせず、関電がめざす11月の再稼働も難しくなる可能性」。
「仮処分決定は、直ちに効果が発生」し、当座、再稼働不能です。福井地裁のあの樋口英明裁判長の、この判断に喝采を送りたい。
『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・』
『●狂気の伝染、連鎖: 原子力「ムラ寄生」委員会が
お墨付きを与えるのはあの関電の高浜プルサーマル原発』
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●60年間稼働させたい高浜原発:
「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」』
『●日本中が「地元」・・・・・・
大間原発と高浜原発の再稼働問題、「30キロ圏内の声を聴け」ではダメ』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041401001499.html】
高浜原発の再稼働認めず 福井地裁が仮処分
2015年4月14日 16時55分
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の安全対策は不十分として、周辺の住民らが再稼働差し止めを申し立てた仮処分で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、再稼働を認めない決定をした。仮処分で原発の運転を禁止する決定は全国で初めて。決定はすぐに効力を持つ。関電は不服を申し立てるとみられ、主張が認められない限り再稼働できない。
2基は九州電力川内原発(鹿児島県)に続き、政府が「世界で最も厳しい」と強調する原子力規制委の審査に合格。しかし地裁はこれを事実上否定する判断をした。原発を「重要なベースロード電源」と位置付ける政府のエネルギー計画にも影響を与えそうだ。
(共同)
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【http://www.asahi.com/articles/ASH3X43MLH3XPTIL00M.html?iref=comtop_6_02】
高浜原発再稼働を差し止め 福井地裁が仮処分決定
室矢英樹、太田航 2015年4月14日14時03分
(高浜原発3、4号機の再稼働を差し止める仮処分が出て、
幕を出して喜ぶ申立人と弁護団ら。手前左端は河合弘之弁護団
共同代表=14日午後2時7分、福井市の福井地裁、筋野健太撮影)
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、定期検査中)について、福井地裁の樋口英明裁判長は14日、再稼働を差し止める仮処分決定を出した。原発の運転をただちに禁じる司法判断は初めて。2基の原発は当面動かせず、関電がめざす11月の再稼働も難しくなる可能性がある。
仮処分を申し立てたのは福井、京都、大阪、兵庫4府県の住民9人。
住民側は、高浜原発の使用済み核燃料プールは原子炉のように堅固な施設に囲われていないなどとして、その安全性は「確たる根拠がない脆弱(ぜいじゃく)なものだ」と主張。「重大事故が起きれば、生存権を基礎とする住民らの人格権が侵害される」と訴えていた。
一方、関電側は、津波の被害を受けても原子炉の冷却ができるよう発電装置を準備していることなどを挙げ、安全性を強調。「具体的な危険はない」と申し立ての却下を求めていた。
樋口裁判長は昨年5月、関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転をめぐる訴訟で差し止めを命じる判決を出した。だが、関電が控訴して判決は確定せず、原子力規制委員会が新規制基準にすべて適合すると判断すれば再稼働できる状態にある。
このため住民らは昨年12月、より法的な即効力がある仮処分の手続きをとり、大飯、高浜両原発の再稼働差し止めを求めて訴えた。樋口裁判長は、再稼働に向けた規制委の審査に今年2月に合格した高浜原発についての判断を先行させる考えを表明。慎重な検討を求める関電側の主張を退け、3月に審理を打ち切っていた。(室矢英樹、太田航)
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