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家族がふえてノンキな暮らし

直線型思考の民族

2024-04-20 11:23:42 | 日記
 ネットニュースを見ていたら、将棋の羽生さんとノーベル賞科学者の山中さんの対談本が紹介されていた。そこでは藤井聡太くんの思考について触れていて、興味深い話をしていたので、すぐに読んでみたくなった。

 ネットで注文した本は「山中伸弥 羽生善治 人間の未来 AIの未来」というタイトルの対談本だ。会話を文章化しているので、あっという間に読んでしまった。山中さんが将棋について質問したり、羽生さんが山中さんに最新科学について質問したりと、交互に質問者と聞き手になる。

 で、話は後半になってくると、日本の未来についてになる。「どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか」という章が設けられているということは、今の日本のままだと人材不足になるということを示唆しているのだろう。

 羽生さんが、「アメリカではみんな起業しているから自分も一回くらい起業しないといけないのかな、みたいな空気がありますね」と問うと、山中さんは「アメリカは失敗も経歴として認められるところがあります。ベンチャー企業を立ち上げて倒産した。日本だとお先真っ暗と落ち込んで、二度と立ち上がれないイメージがありますが、アメリカではそうした失敗を、逆に他人にはできない貴重な経験をしたとポジティブに捉える考え方があります」と答える。

 日本の一流大学を卒業する学生の人気就職先は、官庁か大企業だという。それに比べてアメリカの一流大学の学生の一番人気は、ベンチャー企業を立ち上げることだという。

 山中さんは日本や日本人のあり方を「直線型思考の文化」「直線型思考の民族」と呼んでいるという。「日本人はある目標を決めたら最後までやり通す生き方を好みます。もう、こうと決めたら、脇目も振らずに」
羽生さん「真っ直ぐに進む。集団としても、一気に同じ方向に突き進む傾向がありますね」
山中さん「この道一筋という生き方が賞賛されます」

 こうした傾向は、一度挫折すると「人生の落伍者」のように、本人も世間も見なしてしまう。それに対してと山中さんは言う「アメリカは回旋型思考の文化です。自分の興味に応じて、ある意味フレキシブルにクルクルと回って移り変わることができます」

 なるほどと納得しながら読み進んでいたが、読めば読むほど、日本型思考を変えるのはほとんど無理そうだなと感じるばかりだ。どちらかと言えば、日本型思考というのは突出した人材を生まないように生まないように機能している気がしてくるのである。
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