連日の猛暑で、休みに入ってからビールが手放せない。水分補給だと言っては飲み、熱中症予防だと言っては飲み、喉が乾いたからと言っては飲み、なんだかやることもないので飲み、そんなことをしていたら、すっかりビールで体がぶよぶよになった気がする。
休日最後は天気予報は雨だが、ここはひとつ目一杯汗をかいてくることにした。暑さを避けてばかりいるよりは、かえって暑さの中に飛び出し、たっぷりの汗をかいたほうが涼しくなったりする。じっとして出てくる汗はなんとも嫌なものだが、クタクタになるほど全身を動かして吹き出す汗は、不思議なことに爽快でもある。
というわけで、雨が小止みになっている隙をついてランニングに出た。途中で降り出せばどうせびしょ濡れなんだから、雨くらいでは動じないが、最初から濡れるのは気持ち悪い。
30分も走ると、体の隅々まで行き渡っていたビールが、頭から爪先まで汗となって吹き出す。こんなに水分があったのかというくらい、帽子もシャツもパンツも脱水する前の洗濯物みたいにびしょ濡れだ。
空は曇天、時折ポツポツと降る雨が気持ちがいい。灰色の空を流れていく雲を眺めながら、川沿いを風に吹かれてのんびり歩く。見渡せば、こんな天気に歩いている人間なんて人っこひとりいない。おお、なんだか世界をひとり占めしているみたいだぞ。
家に帰ると、銭湯帰りみたいに体から湯気が出ている。さあ、シャワーを浴びてビールビール。人心地ついていたら、近くでドッカーンと雷が落ちる音がする。1時間遅かったら、ゲリラ雷雨の中を戻ってこなければならなかったな。