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LSI Portable Game FLバトルビーム FL BATTLE BEAM・バンダイ

2015-05-30 16:28:28 | 電子ゲーム


 これは、バンダイより1980年頃に発売されていたLSI Portable Game FLバトルビーム BATTLE BEAM


 大ヒットとなったLED(発光ダイオード)ゲームのミサイルベーダー、チャンピオンレーサーに続いて、バンダイが満を持して市場に送り込んだFL(蛍光表示菅)ゲーム。ミサイルベーダーは、同シリーズのサブマリン、コンバット、ゴルフコンペが4,500円だったのに対し、3,980円という価格で勝負を賭けてきました。デザインやゲーム性が良かったことに加えて、廉価だったことから大ヒットとなりましたが、エポック社、トミー、バンビーノなど、他社の蛍光表示菅ゲームと比べると少し見劣りしてしまう部分があったことも事実。少しずつこの頃から、電子ゲームの主役がLEDから蛍光表示菅に移り始めてきたのだと思います。そこに、バンダイ初のFLゲームとして、FL グランプリチャンピオンとともに市場へと送り出されてきたのが、このFL バトルビームでした。


 ゲームは、ミサイル基地を移動させて迫って来る敵の戦闘機を打ち落とすというもの。時間制限制で決められた時間内に、撃墜したポイントで得点を競う。敵のミサイルに当たってしまうと、ゲーム時間が20秒ずつ短縮されていく。箱には、画面くっきりリアルなアクション、2色蛍光表示菅使用とあり、蛍光表示菅を使って綺麗な画面を実現したことが売りだったようです。


 取扱説明書と保証書。バンダイ最初期の蛍光表示菅ゲームなので、ゲーム性はとてもシンプル。バンビーノのUFO MASTER BLASTER STATION(タカラのミサイル遊撃作戦)学研のジェットファイターにも、少し似た内容。 敵戦闘機は、迎撃した距離により点数が変化する。それにしても、3点、2点、1点とは、あまりありがたみはない。画面上部からやってくる戦闘機をひたすら撃つだけという、あまりにシンプルな内容にはあっているのかもしれませんが。ちなみに、もうひとつのFL グランプリチャンピオンは、チャンピオンレーサーのFLゲーム版といった内容。


 ゲームのジャンルとしては、縦型のシューティングゲーム。残念ながら、背景が無いのでスクロールはしない。ゲームの内容的には、あまり特筆すべき点はないが、筐体のデザインは流れるような流線型でえらくかっこいい。 


 操作系は、左右への移動レバー(アクションスティック)とファイアー(攻撃)キー、電源スイッチを兼ねたHIとLOWのレベル切り替えスイッチと至ってシンプル。蛍光表示菅は電力の消費量が大きいためか、電池のみだったこれまでのLEDゲームとは異なり、ACアダプターも使えるようになっている。
 

 バンビーノや学研のような、お洒落感はないが、バンダイらしい玩具的なかっこよさがある。細部に、実用には意味のない様々な装飾も施されていて、デティールも凝っている。どこかガンプラっぽい気もしますな。HIとLOWのゲーム切り替えスイッチが、レバーっぽくなっているところなんかもイカス。


 81万番台と桁違いだったベースボールにはとても及びませんが、5000番台だったサブマリンに対しては6000番台と健闘している。出始めの頃の蛍光表示菅のゲームということで、7,000円~8,000円ほどはして高価だった筈ですが。


 電池は単3電池を4本と、この頃のゲームの標準型。筐体が大型化してくるにつれて、蛍光表示菅ゲームでは単2電池が標準になっていきますが。初期のFL機は、どれもスリムなものが多かったので、こういった選択になったのでしょう。


 ゲーム画面はこのような感じ。下に見えるのが、自機のミサイル基地。左右に3コマしか動けません。敵機は、画面上方より来襲。上からやってくる敵機の軌道上にミサイル基地を移動させ、ミサイルで迎撃します。単純ですが、結構やってくる敵機の数が多くて攻撃も激しいため、意外と熱くなる。


 ゲームのイメージとしては、こんな感じ。ひたすらやってくる敵機を、制限時間内で延々と迎え撃つ。



 単純なんだけど、敵機やミサイル基地の造形もよいし、スリムな筐体のデザインも良い。すごく面白いというわけではないけれど、捨てがたい魅力はある。これが、FLビームギャラクシアンやFL機動戦士ガンダムに繋がったと思えば、初めての蛍光表示菅ゲームということで、技術者のケーススタディーとしては上出来なんじゃないでしょうか。バンダイ流のUFO MASTER BLASTER STATIONという気もする。


 LEDにフイルムのオーバーレイを掛けてキャラクターを表現していたLDEゲームから見れば、表現の繊細さはやはり蛍光表示菅が上。ネオン管の一種なので、押入れや布団の中など暗闇で輝く様は、今のゲーム機でも替えが効かない独自性がある。この後、しばらくはFL機が市場の中心となる時期が続きますが、任天堂のG&W以降は液晶に主役の座を奪われてしまい、ゲーム用途としては1985年を最後に終焉を迎えた。


 個人的な思い出としては、LSIベースボール、LEDのサブマリン、コンバット、ゴルフコンペ、ミサイルベーダー、チャンピオンレーサー、FLビームギャラクシアン、FLクレイジークライマーなどは知っていたのだが、なぜかこのシリーズだけは当時知らなかった。情報源がコロコロコミックや学研の科学と学習の折り込み広告、少年ジャンプや少年チャンピオンなど雑誌の広告くらいしかない時代なので、デパートに行ってみて初めて新製品を知るということも多かった。ということで、これが発売されていた時期に、デパートで遭遇する機会はなかったのでしょう。ヒットした玩具以外では、生産分を売り切って終了ということも多いので、巡りあう機会も一期一会みたいな部分があります。


 ということで、スリムでお洒落なバンダイの蛍光表示菅ルーキーLSI Portable Game FLバトルビーム BATTLE BEAMでした。



参考:Handheld Antique、FLグランプリチャンピオン、FLバトルビームの項、Nostalgia バンダイの項


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