今日読みきった本はこれ、『フリーダムライターズ』。
7月に映画も公開されましたね、ヒラリースワンク主演で☆
→http://www.fw-movie.jp/
大分からつくばに帰ってくる最中、飛行機の中でも、高速バスの中でも、ぐいぐい読んでしまいました。ほんとに、感動的な、実話です。
想像以上に、めちゃくちゃ、いい本です!!
本が苦手な人は、映画でも、是非みてくださいっっ
これは1990年代の、アメリカ、ロス郊外の、ロングビーチ(=スラム街)のお話。
当時、白人警察の黒人に対する暴行が無罪になった「ロドニーキング事件」をきっかけに、ロサンゼルス市外で黒人市民による暴動が起こる。
ギャング化したアフリカ系、ラテン系、アジア系…、人種で分かれたコミュニティー間の対立が激化していた。「Drive by shooting」(車から通りすがりに関係の無い人を撃ち殺す)がはやっていたそうだ。
ここのスラムに住む子供は、10歳までに、誰かが銃で撃たれなくなるところを見るという、そんなあれまくった土地だ。
本当に、10数年前のアメリカって、そんな場所があったんだ、と驚いた。
そんな中、ロングビーチのウィルソン高校に新任の英語教師エリン・グリューウェルがやって来る。担当する生徒たちの成績はすべてD以下。「保護観察中」「少年院」などの文字が並んでいる。もちろん、英語が母国語ではない生徒も多く、基本的なボキャブラリーや筆記のスキルもほとんど無い。子供たちの間にも人種間の対立が激化しているから、みんな日々の生活に恐れと空しさを感じていて、生きていくのが精一杯。
新米教師のエリンは、子ども達の悲惨な状況、心の傷に気づき、「寛容の授業」を始める。「アンネフランクの日記」、「ズラータの日記」をはじめ、人権問題、人種問題を取り扱った数々の本を読ませ、子ども達にも、日記を書くということを教える。
子ども達の状況は、ナチス化のアンネ、ボスニア紛争下のスーラダにそっくり。
毎日、命からがら。理不尽な抑圧と制限の中で、身を隠し、自分の身を守るので必死。
途中で、ある子が言う。
「これは、宣戦布告なき戦争なんだ」と。
日記形式で書かれたこの本は、本当に、彼ら、彼女らの言葉。毎日の生活。
兄弟や友達の銃殺、性的虐待、DV、レイプ、服役中の親、ドラッグ中毒、アル中、白人の思い、アフリカ系の思い、ヒスパニック、アジア、移民の思い…。
彼らが、少しずつ「変化」を知る。
その、立ち上がっていく姿が素晴らしい。
なんといっても、行動力のある、夢を持たせる、ミズG(エリン先生)の力がすごい。
アンネをかくまったミス・ミープ、ズラータを実際に高校に招く。
子ども達をワシントンDCに連れて行き、ライリー教育長官に実際に会ってもらう。
150人の高校生全員(高校を卒業出来るとも思われてなかったような不良少年少女たち、家族で大学に行った人なんてひとりもいない、そんな子たち)に、「大学進学」を支援する。
すっげー、先生。こんな夢のような話が、アメリカにもあったんだ…。
自分自身が、変化すること。連鎖を断ち切る。
間違っていることを、間違っていると声を挙げること。
多文化、多様性を尊重する。
寛容を知る。
私自身、なんか色々学ぶことが沢山あった気がする。
間違ったことに対して声を上げ、自分自身が「変化」になること、
これは、私の夢のひとつ!!
さっそくDVDを借りてきたので、映画の方も、見ようと思います^^
あ、現在は、本に出てきた高校生達の多くが大学進学し、教育方面に進んでいる人も多いそうです。
ミスGとフリーダムライターズ(この名前にも、きちんと意味があります。先生の教え子たちがつけました。)は、「寛容の精神」が実現する社会を目指し、教育支援プロジェクトの基金を設立しました。
それが、これです。
→Freedom Writers Foundation
http://www.freedomwritersfoundation.org/site/c.kqIXL2PFJtH/b.2259975/k.BF19/Home.htm