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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ギリシャ危機 中露がEU侵略の突破口に

2015-06-23 23:51:47 | my notice
 欧州の各国が、南シナ海の出来事に関心が薄く、AIIBに参加して中国のバブル崩壊リスク負担分担と、「中華民族の偉大なる復興」を目指し習近平が掲げる「中国の夢」実現の覇権拡大に加担していますが、その具体的政策の柱の「新シルクロード(一帯一路)構想」は、覇権拡大を欧州にも及ぼすというものです。
 ロシアと地中海で合同訓練を実施するに至り、衣の下の鎧の一端が垣間見られていることは、諸兄がご承知の通りです。
 一方、ロシアもウクライナへの侵略でEU諸国をはじめとする国際社会の制裁と対立しています。
 その中露が、ギリシャ危機を突破口にEU侵略を伺っている様なのです。
 

ユーロ圏首脳会議 ギリシャ支援 思惑交錯 EU「結束守る」 中露「欧州浸透」 (6/23 読売朝刊)

 
【ブリュッセル=工藤武人、アテネ=青木佐知子】ギリシャへの金融支援を巡るユーロ圏首脳会議が22日に開かれ、交渉は最終局面を迎える。ギリシャに構造改革を求めつつもユーロ圏離脱を防ぎ、結束を守りたい欧州連合(EU)に対し、欧州への影響力を増したいロシアと中国が、ギリシャを足がかりにしようと手を打っている。

■ドイツの苦渋
 
ギリシャを見限るか、それともユーロ圏にとどめるのか――。最大の経済力を背景にユーロ圏の意思決定に強い影響力を持つドイツのメルケル首相は18日、独連邦議会(下院)での演説で「ドイツはギリシャをユーロにとどめるための努力を続けている」と訴えた。独国内では政権与党や世論からギリシャのユーロ圏離脱を容認する強硬論が日増しに強まる。メルケル氏は、ギリシャに構造改革を求めつつもユーロ圏残留を優先する立場
を維持している。
 「
ユーロが失敗すれば、欧州は失敗する」と繰り返してきたメルケル氏が懸念するのが、第2次大戦の荒廃への反省から始まった欧州統合運動が60年余の歴史で、初めて後退する
事態だ。
 EUは、1952年設立の欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が起源だが、加盟国は6か国から28か国に拡大。ユーロも1999年の導入以降、19か国に達している。

■遠心力
 ギリシャが離脱すれば、EU内部の「遠心力」も強まる恐れがある。2012年に債務危機に陥ったスペインでは、緊縮財政に反対する新興の左派「ポデモス」が、5月の地方選で躍進した。英国ではキャメロン政権が、EU加盟継続の是非を問う国民投票を17年末までに行うと表明している。
 ユーロ圏では加盟国の離脱を想定しておらず、手続きが定められていない。ギリシャが離脱の初の事例になれば、「統一通貨」としてのユーロの信頼性は大きく揺らぐことになる。

■接近
 ギリシャがEU内で孤立する中、
ウクライナ危機でEUと対立するロシアが接近を強めている。AP通信によると、プーチン露大統領は19日、ギリシャのチプラス首相との会談後、記者団に「債務返済を望むなら、EUはギリシャの経済成長に関心を持つべきだ」と、緊縮路線の堅持を求めるEUの姿勢を批判。同日、両国のエネルギー相は、ロシア南部からトルコを通り欧州にガスを供給する新パイプライン計画にギリシャが参画することで基本合意した。建設に伴う雇用創出や、将来的な通過料収入といった実利をギリシャにもたらす姿勢を示した
ものだ。
 
中国もギリシャを足がかりに欧州への浸透を図っている。中国の国有海運会社がギリシャ最大のピレウス港が民営化した後の株式取得を目指しているほか、鉄道網の整備でも巨額の投資を行っている。


 EUのユーロ導入で大きなメリットを得ているのは、輸出立国のドイツであることは、衆知のことです。独単独通貨のマルクであれば、とてもユーロレベルの為替相場にはならず、マルク高で輸出競争力は大幅にダウンするのですね。
 そして、EUのリーダーシップを握るのは、独・メルケル首相。
 ギリシャを救済するのに、独国民の税金を何故使うのかとの国内世論が強くても、独経済の為には、為替相場で有利なユーロを維持せねばならない性を背負っているのですね。

 そこで、独・メルケル首相は、ギリシャ切り離しに踏み切れない。
 更に、スペイン、英国(ユーロは関係ありませんが)の対EU遠心力がある。
 その辺りを追い風に、EUの圧力に抵抗するギリシャ。独に戦時補償をぶり返したりする姿は、EUの韓国(戦後継続して日本のスネを齧り続けている)と揶揄する声も聞かれます。

 この軋轢に目をつけているのが、力で現状変更を始めている中露の二国。
 「中華民族の偉大なる復興」を掲げる習近平、ソ連時代の覇権、更には「帝国シンドローム」を夢見るプーチン。
 このふたりが、ギリシャ危機を突破口に、EU切り崩しを目論んでいる。欧州各国は、ロシアは意識しても、中国まで思い及んでいるのでしょうか。

 第一次大戦以前の混沌とした情勢に戻りつつあるとの声が聞かれる現在の世界情勢。
 日米、EU諸国、中露、自称イスラム国等のテロ集団といった塊が絡み合って揺れています。
 日本の国益の為の外交への期待が、安倍政権にかかりますが、世界を俯瞰しての積極的行動に、かつての日本の首相には見られなかった期待をもつのは、遊爺だけではないでしょう。



 # 冒頭の画像は、ブリュッセル入りしたメルケル首相






  ツルマサキ


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Fotolia


中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!




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