goo blog サービス終了のお知らせ 

遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国のカナダ大手石油会社買収に、米国が阻止活動

2012-08-08 23:55:53 | 中国 全般
 中国による米国企業の買収で、安全保障上問題があるとして議会が阻止に動くことは、これまでにも少なくはありませんでした。それでも中国からの投資は増え続けていて、今年は中国石油化工(シノペック)による米石油・天然ガス開発大手デボン・エナジーのオイルシェールガス資産権益の1/3取得に約25億ドルを出資、米映画館チェーンAMCの買収、ホーカー・ビーチクラフトの買収などをはじめ、製造業や石油・ガスから再生可能エネルギー、航空宇宙、エレクトロニクス、金融まで多岐にわたり、年間の投資総額は過去最高の80億ドルを突破する勢いなのだそうです。
 更に今回は、カナダの石油大手ネクセンの買収計画が発表され、米議会で阻止の動きが強まっているのだそうです。中国とカナダの間の話ですが、米国に上場している会社とは言え、米国の議員が安全保障を理由に阻止に動くところも注目される点です。

 
上半期、中国の海外M&A投資額が対外直接投資の1/3に  [中国証券報]
 CNN.co.jp : 中国企業による米企業買収、過去最高のペースに
 
中国 北米資源に触手 カナダ石油大手買収計画 米で警戒論 新たな摩擦に (8/8 産経)

 【ワシントン=柿内公輔】中国国有企業による相次ぐ北米エネルギー企業の買収が波紋を広げている。中国として過去最大のM&A(企業の合併・買収)となるカナダ石油大手ネクセンの買収計画
を受けて米国内では警戒感が高まり、与党からも「買収を阻止すべきだ」との声が浮上。カナダ国内でも論議を呼んでいる。エネルギー需要が増大する中国は北米市場に貪欲に食い込みをはかるが、摩擦も強まりそうだ。

 「中国に投資する米企業に対して中国側が公平な扱いをすると保証しない限り、看過できない」 米民主党のエネルギー問題の重鎮で中国の通商政策に批判的なシューマー上院議員は先月27日、安全保障上の懸念がある買収案件を審査する外国投資委員会のガイトナー委員長(財務長官)に書簡を送り、中国の海洋石油・ガス探査最大手、中国海洋石油(CNOOC)によるネクセンの買収計画を阻止すべきだと訴えた。
 CNOOCは先月23日、ネクセンを151億ドル(約1兆1800億円)で買収すると発表した。ネクセンは北米で資源開発の権益を多く有し、米国でも上場している。昨年には中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)が次世代エネルギーと期待されるオイルサンド(油砂)でカナダの開発会社を買収するなど、中国国有企業が北米での資源開発投資を活発化している。
 米側には、エネルギー安全保障における警戒感に加え、補助金や非関税障壁で自国企業を手厚く保護する中国の通商政策への不満も強い。太陽電池など米中が激しく競う産業分野で、官民挙げて中国企業の輸出を後押しする一方、国内の市場開放に消極的なためで、シューマー氏も「米企業の市場アクセスで中国が約束してきたことに責任を持たせるよい機会だ」と、オバマ政権の尻をたたく。
 一方、
カナダ政府はこれまで米国に依存してきたカナダ産石油の市場分散
を進めており、ハーパー首相は2月にトップセールスを兼ねて北京を訪問。だが、野党は「中国が利益追求のためカナダの資源を買いあさっている」と批判を強め、首相の属する保守党にも同調する声が上がり、ネクセン買収についてはハーパー首相も「徹底的に審査し、承認するかどうか判断する」と慎重な言い回しだ。
 成長に伴うエネルギー需要が急増する中国は石油の海外依存度が5割を超え、発展途上国で開発を拡大する一方、政情が安定した欧米でも権益確保に熱心だ。米国が新型天然ガス「シェールガス」の開発ブームに沸く中、「揺れ動く米国のエネルギー戦略の間隙(かんげき)を突いた」(米エネルギー業界関係者)中国のしたたかさを指摘する声もある。



 米国の動きに押されて(?)、カナダ政府までもが同調に転じているのも微妙です。
 中国国内での外資の活動が制限されているのだから、中国企業のこちらの国での活動を制限するという理由も重要です。
 軍の覇権拡大行動による拒否理由より、片務的な貿易不均衡の是正を求めての阻止とている点にも着目が必要ですね。
 
 日本国内では、水源地や自衛隊・米軍基地の近隣地、更には大使館の土地について、ようやく一部の方々やマスコミが取り上げるようになってきたところですね。
 
 シェールガスの話ですが、埋蔵量の世界一は中国で米国は 2位なのです。ちなみに、3位はアルゼンチンで、4位がメキシコですね。
 
諸外国におけるシェールガスの調査・開発動向等 - 環境情報の総合サイト:エコロジーエクスプレス
 中国、シェールガスの可採埋蔵量は25.08兆立方メートル | ワールド | Reuters

 世界一の埋蔵量を誇る中国が北米のシェールガスを買いあさる理由は何でしょう。
 自国の資源は温存し、先に外国の資源を消費するのか、採掘・液化加工技術を習得する為なのか、その両方なのか。

 カナダは、販路が米国に偏っている現状を分散化したい。中国だけでなく、日韓へもアプローチしていて、三菱商事がカナダの天然ガス大手エンカナとの間で共同開発を始めています。米国が、自由貿易締結国を優先し、日本には門戸を閉ざしている現状では、中国向けを制限することになったカナダと日本とのパイプを太くする機運が整ってきているとも言えます。遊爺が気づくことなど、最先端の商社ではとっくに動いておられることでしょう。
 
 ビジネスと国益をきちんと連動させる米国やカナダの政治と民間企業の連携は、是非日本も見習わねばならないところです。
 日本国内の土地もそうですが、資源の購入先も企業と国が一体となり、戦略に基づく行動が必要です。
 話が逸れますが、いつも遊爺が唱える、ロシアからのLNG購入はその典型で、極東や北極のガス田開発支援と併せて、北方領土の返還を条件として進めるべきというのは、国益と企業活動を連動させる典型例でしょう。

 民主党の崩壊は時間の問題となってきましたが、軽率な動きの自民党には政権与党の落ち着きや大局観がなくなってきています。国政には全く実績も、政策も示していない橋下・維新の会にも、素人民主党と同じ失敗(党内分裂はないが)を繰り返すリスクは大きい。
 政策で動く議員や政党の誕生を願っています。



 # 冒頭の画像は、三菱商事とエンカナが、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州モントニー地域で共同開発するシェールガス
 


  この花の名前は、ユキグニミツバツツジ



↓よろしかったら、お願いします。






民主党の正体  矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)
民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国会 全党が政局に没頭 原... | トップ | 8月8日(水)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国 全般」カテゴリの最新記事