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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

2014年元旦の主要各紙の社説

2014-01-02 21:52:03 | 日本を復活させる

 あけましておめでとうございます。
 恒例化しつつある、元旦の各紙社説の読み比べを、一日遅れですがしてみます。
 読売、日経、産経(例年通り主張はお休みで今年は樫山論説委員長の「年のはじめに」)は、今年の見通しについて述べていて、重点の置き方に差はあるものの、アベノミクスの見通しと、中国を対象とした安全保障をとりあげていましたね。毎日、朝日は民主主義の話で、ねじれを解消した自民党政府へのやっかみ。特に、毎日が「あらゆる政策を、賛成する側と反対する側に分け、多様な世論を「味方か」「敵か」に二分する政治。対話より対決、説得より論破が、はびこってはいないだろうか。」と書いているのは、それは貴紙のことでしょうとそのままお返ししたい表現でした。

 
日本浮上へ総力を結集せよ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 変わる世界に長期の国家戦略を  :日本経済新聞
 【年のはじめに】国守り抜く決意と能力を 論説委員長・樫山幸夫 - MSN産経ニュース
 (社説)政治と市民 にぎやかな民主主義に:朝日新聞デジタル
 社説:民主主義という木 枝葉を豊かに茂らそう - 毎日新聞

 遊爺の独断で、最も格調高いと評価したのは日経で、福沢諭吉の次の言葉を引用(意訳)し「日本人が今の国力に、今の生活に満足し、文明の進行を止めてしまっても後悔しない民族だとは、自分は信じることができない」、今に通じることばでありたいと結んでいました。同感です。

 産経は、故ジョン・F・ケネディ大統領の著作「英国はなぜ眠ったか」を取り上げ、当時の英国首相、ネビル・チェンバレンのような宥和(ゆうわ)主義の陥穽(かんせい)にはまった政治家の存在や国民自身が宥和政策を支持し、必要な軍備増強を嫌ったが故にナチス・ドイツの台頭を許したとの論を引用し、現在の日本にとっても示唆に富んでいるとし、英国の教訓に学べとしています。
 日経の論調と通じるものがありますね。

 アベノミクスの経済見通しと、対中国の安全保障をもっとも浮き立たせているのは読売ですね。
  

日本浮上へ総力を結集せよ (1/1 読売朝刊 社説)

<前略>
偶発的衝突の恐れも
 アジア太平洋地域では、中国が力による現状変更を試み、周辺国との摩擦を強めている。
 中国の
習近平政権は、「中国の夢」と称する富国強兵路線を掲げて、西太平洋での艦隊・航空機演習や南シナ海の実効支配強化の動きを活発化させている。米軍への接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略が実を結ぼうとしている

 日本には、尖閣諸島周辺での公船常駐化と領海侵入、無人機の海上飛行を繰り返し、さらには尖閣を含む東シナ海上空に一方的に防空識別圏を設定した。
 中国は、
識別圏内を飛行する全航空機に飛行計画の提出を求め、従わないなら「防御的緊急措置」の対象だと警告している。領空のごとく扱うのは極めて問題だ

 このままでは
日本が武力衝突の当事者になりかねない
。自衛隊と中国軍との間に、不測の事態を回避する連絡メカニズムを構築することが急務となる。
 安倍首相の靖国神社参拝が、中国側に対話を拒む口実に使われることがあってはならない。
 
日米同盟の深化によって、中国を牽制けんせい
することも重要だ。
 米国は尖閣諸島に対し、日米安保条約の対日防衛義務を定めた条項が適用される、という立場を変えていない。この条項が確実に機能するよう、
米国との間で日本の役割も増強
しなければならない。
 安倍政権が今年末に、日米防衛協力の指針(ガイドライン)を見直すのは時宜にかなっている。
 平時から有事へ、危機の拡大に応じた継ぎ目のない日米共同対処ができるよう、自衛隊の米軍支援の拡充、尖閣など離島防衛での米軍の関与拡大を打ち出したい。
 
集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の変更
に踏み切ることも、避けて通れない。
 政府・自民党は、自衛のための「必要最小限の武力行使」に、集団的自衛権の行使も含める、とする新しい解釈を検討している。
安全保障環境の悪化を受けて「必要最小限」の範囲を広げる
のは、十分理解できる。
 集団的自衛権とともに、個別自衛権の議論も深めたい。例えば、偽装漁民による離島占拠という武力攻撃に至らない段階で、自衛隊は、どう対処するのか。こうした
「マイナー自衛権」の武器使用の問題
も詰めておく必要がある。

地域の安定に寄与せよ
 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題は、進展を見せている。仲井真弘多知事が名護市辺野古の公有水面埋め立てを承認したことで、1996年以来の日米間の懸案が解決に向かいつつある。
 辺野古への移設が実現すれば、沖縄の基地負担軽減と、抑止力の向上に大きく貢献するだろう。
 昨年12月に初めて決定された国家安全保障戦略は、中国に、地域の平和と安定、繁栄のために責任ある建設的役割を果たすよう促すとともに、力による現状変更の試みには、冷静かつ毅然きぜんとして対応していく、と記している。
 
中国は、少子高齢化が進行し、労働生産人口が減少し始めた。経済成長はどう鈍化していくのか。米国のアジア重視はいつまで続くのか。日本の安全保障や経済にどう影響を与えるのか。

 情報を分析し、
戦略的な対中政策を練り上げねばならない
 中長期的には、日本が地域の安全保障に寄与することが肝要だ。米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)などと連携し、中国に対し、国際社会の一員としての責任を自覚して行動するよう説得し続けることが日本の責務である。


 中国の軍拡を支える経済成長の成り行き、国内問題に追われ内向きになる米国の世界戦略の行方、日本には自立の戦略が求められるのですね。先日書いた「防共回廊21世紀版」等も戦略のひとつの候補に挙げられるでしょう。
 
中国の海洋覇権拡大の抑止大戦略が必要 - 遊爺雑記帳

 日米同盟においても、アジアや世界の国際社会の一員としても、一定の役割を果たし期待に応え信頼を得る国になることが、今年の日本に求めれることですね。
 
 中国の対米接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略での東シナ海、南シナ海、ひいては西太平洋の制海・空権確保に向けた体制は一段と強化されています。
 
中国軍、有事即応型に…陸海空を統合運用 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

  今年の日本の課題は、アベノミクスの経済成長戦略の具体的な施策実現と、中国の覇権拡大戦略への対応です。経済の力を取り戻すこと、諸国と連携して中国への抑止力を強めることが必要です。




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三分 (RYU)
2014-01-02 22:30:07
あけましておめでとうございます。

特定秘密法案など、雲行きの怪しげな動きもありますが、民主主義の深化という意味で、ネットと政府との距離をどのように取って行くかが課題となるでしょう。
政府首脳部の考えでは、政論を持たないデモを煙たがっているものの、本当は、それらノイジーマイノリティの跋扈を歓迎しているように思えますね。FBなどでの呼びかけをきっかけとして、集まった、と言われますが、それらのノイズというのは、日本の歴史的に倒閣運動の主役となる事はできないのです。
自身を倒される可能性があるのは、政論ありきのしっかりした意見者であり、特定秘密法案が、ブログまでをも標的としたというのは騙し討ちに他なりません。
自民党は、「衆愚観」だけはしっかりしている、というもので、野放しにする事を看過する事は、敵対政党の支持層を、そのまま「対話不能の敵」のままで、居させるという事です。

ナチドイツの台頭には、英仏が国内での拡張を看過した事実がありますね。日本の軍国主義とは、異なるもので、権力の上位者が、統制主義を操縦して、下位である若手軍人や将校ら、皇道主義を弾圧した事実があり、そうした「全体統制への動き」が無ければ、言い方は変ですが、もっと自由な破綻国家へと、日本は歩を進めたと思います。だから、今の動きは、政治家が官僚化して、その権力を強め、機構を大きくするところで、戦前と似たるものがあります。
橋下氏ではありませんが、ナチの台頭に対して、これだけ情報化が進んだ社会と時代で、無法な暴力主義が蔓延する事はない、というのも一理ありますが、それは日本人の内面の話ですね。

日本に対しては、アメリカも中国も属国主義を取って来ると思います。つまり、日本が国防と自衛の意志を挫き、娼婦の如く大国へ向けて開国する世論を昂じさせる事でしょう。
共青団の舞台であったかつての中国とは違い、赤いフラッグを掲げさせ、日本を対米のパートナーとするのではなく、米中両国にとっての市場とする動きが出てくると思います。尖閣諸島への侵犯はそのためのブラフでしょう。
返信する
Unknown (キン坊)
2014-01-03 01:46:27
2013年1月1日~12月31日、沖縄タイムスのオピニオン面に掲載された一般投稿は計2323本(「主張、意見」1557本、「論壇、寄稿」409本、「茶のみ話」357本)です。

投稿者年齢別の投稿数
10代  29  1.2%
20代  25  1.1%
30代 127  5.5%
40代 238 10.2%
50代 216  9.3%
60代 730 31.4%
70代 710 30.6%
80代以上 239 10.3%
記載なし    9  0.4%

平均年齢は63.8歳、中央値は68歳、標準偏差は15.1。
10回以上掲載された人は、54人です。

掲載回数の多い方(敬称略)
第1位 渡真利善朋(45)豊見城市 41回
第2位 高安哲夫 (41)那覇市  38回
第3位 知念勇一 (72)嘉手納町 36回
第4位 仲村直樹 (42)宜野湾市 34回
第5位 阿部仁  (31)大阪市  33回
第6位 比嘉寛  (83)那覇市  32回
第7位 岸本定政 (66)糸満市  30回
第8位 幸地忍  (69)八重瀬町 28回
第8位 町田宗順 (72)沖縄市  28回
第10位 山根光正(69)那覇市  27回
第11位 池辺賢児(36)宜野座村 25回
第11位 上治修 (50)福岡市  25回
第11位 鳩間用吉(75)那覇市  25回
第14位 大嶺よし子(69)豊見城市24回
第15位 長濱清信(76)うるま村 23回
第16位 前田孝信(77)那覇市  22回
第17位 瀬良垣宏明(73)那覇市 21回
第17位 知念正行(75)伊江村  21回
第19位 田場ヨシ子(70)那覇市 19回
第19位 長浜ヨシ(86)読谷村  19回
第19位 宮平亀一(94)西原町  19回

返信する
Unknown (Unknown)
2014-01-03 08:47:54
新聞?読む価値あるの?
どこも押し紙(捨てるためにすっている)の
捏造構造。
ましなのは、日本経済新聞ぐらいか。
特に、1悪・産経新聞、2悪・毎日新聞は
50%以上、押し紙。
この二つは、便所紙。
特に、産経はフジTVより年間50億円
ゆすっている、ゾンビ新聞。
早く、処刑!





返信する
運命じゃない人 (RYU)
2014-01-03 15:30:35
>Unknownさん

変態新聞は読売・朝日の三大紙から座を奪われて、にっちもさっちもいかないですからね。
華奢なイメージはありませんが、報道関係者の戦地で事件に巻き込まれた被害者数は、中東・阿弗利加などの独裁権力から、報道が憎まれている事を証するもので、ジャイアントキリングの報道の時代は、調査や取材をする基礎能力が要されているもので、新聞社からの海外への派遣記者がもたらす情報は、記事に出る以上の成果があると思いますよ。
例えば、事件が起きているにしても、今は小さな事件であれど、将来その国が策源地となる可能性だってあります。狂犬、リビアのカダフィ大佐などは、イラクのフセインを倒す時に、ブッシュ大統領に譲歩をして、核放棄を実現し、難を逃れましたが、その時に得られた情報が、後々に、カダフィがクーデターを起こされ、群集の中で蹴り倒される映像が流れましたが、そうした現地民衆の社会にメディアが入り込めたり、現地人が撮った映像や記事を得られるのは、現地で活躍する日本人のジャーナリストの積み上げが重要だと思います。

堀江貴文さんは、ネットと大メディアの融合を提唱しましたが、他の、新聞やメディアとの融合は、遊爺さまの記事にあるように、ジャーナリズムやサブカルの世界では、今や常識と言えるでしょう。国際感覚、世界での仕事など、求められない人材も居れば、求められる人材も居るわけで、公に資するには、コネクションが全てと言って過言ではないでしょう。
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