遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

豪・ターンブル首相来日 日豪関係急接近

2018-01-19 23:58:58 | 中国 全般
 オーストラリアのターンブル首相が来日され、安倍首相との会談他精力的に視察も行われ、安全保障も経済も、一段の接近を進めることとなっています。
 ターンブル首相と言えば、親中のイメージが強く、アボット前首相時代とは日豪関係も、就任当初は距離を置くようなところもありました。
 豪州では、近年親中派政権と親米・日政権が交互に誕生してきていましたが、ターンブル首相の様に、親中から、広角外交に転じる政権は珍しい。
 [ ハワード ⇒ ラッド(親中) ⇒ ギラード ⇒ ラッド(親中)⇒ アボット ⇒ ラッド(親中) ⇒ ターンブル ]


 最大の輸出先が中国であることから、親中派首相が定期的に誕生していたのですが、中国による農地や企業の買収が拡大していること、南シナ海での人口島建設・軍事基地化などの脅威拡大で、一方的な傾斜への歯止めの必要性が生じてきたことによるものなのでしょうか。

 
中国はなぜオーストラリアの農地を買いあさっているのか―米メディア - エキサイトニュース
 豪ガス資源 中国が照準  :日本経済新聞
 中国企、豪ガス企に4億$超の買収提案 - NNA ASIA・オーストラリア・天然資源
 中国がオーストラリアに注目、張裕ワインがキリカヌーンの80%買収 | WINE REPORT
 オーストラリア、外交白書で中国の台頭牽制 連携必要は「日本、インド、インドネシア、韓国」 - 産経ニュース
 【日豪首脳会談】安全保障協力強化で一致 対北圧力の最大化を確認 - 産経ニュース
 

豪州「日本接近」強める 中国が今後攻勢も (1/19 産経)

 日本とオーストラリアの関係が急速に深まっている。日本側は「豪州が日本に接近している」と歓迎する。ただ豪州は、中国との距離感で振り幅が大きく、政権交代が頻繁であることが難点
だ。今後は相互にとって安定的な日豪関係を築けるかが課題となる。

 「日豪は目を見張るような関係になっている。共通の利益、価値観に基づいて成果が達成されている」
 ターンブル豪首相は18日、首相官邸で開かれた国家安全保障会議(NSC)特別会合の冒頭で、こうあいさつした。昭和32年に当時の岸信介内閣が締結した日豪通商協定を「日豪関係を切り開いた」とも表現し、平成19年の「安全保障協力に関する共同宣言」を打ち出した安倍晋三首相をたたえた。
 ターンブル氏にとって今回の訪日は今年最初の外国訪問だ。
来日は、昨年12月に入って豪州側から打診され、一時は2月になりかけたが1月に前倒しされた。日本側は短い調整期間で、日本と安全保障分野を中心とした関係強化に期待を寄せるターンブル氏の思いに応えようと、陸上自衛隊習志野演習場の視察やNSC特別会合をセットして手厚くもてなした


 
日本側の厚遇は、豪州で政治や経済などへの中国共産党の浸透が問題化し、警戒感が高まっていることと無縁ではない。日本としては、「反中国」と「親中国」でぶれる豪州を共通の価値観を持つ日米を含む民主主義陣営にしっかり取り込んでおきたい
ところだ。
 一方で
豪州はもともと「インド太平洋」の地域概念を唱えてきたことから、安倍首相が提唱し、トランプ米大統領も共鳴した「自由で開かれたインド太平洋戦略」に賛同
している。トランプ氏との関係も昨年5月に修復し、同年11月にはフィリピンで当初の予定になかった日米豪首脳会談も開かれた。インドを加えた関係も強化されつつある。

 ただ、豪州にとって中国は最大の貿易相手国であるだけに、今後、中国の激しい攻勢を受ける可能性がある。また、ターンブル政権は盤石ではなく、日本は豪州の野党との関係構築も必要になりそうだ。(田北真樹子)


 
日豪、防衛協定で協議 両首脳、「極秘」特殊作戦群を視察 (1/19 産経)

 安倍晋三首相とオーストラリアのターンブル首相が18日の首脳会談で意見交換した訪問部隊地位協定(VFA)は、締結が実現すれば、日本にとって初のVFAとなる。これまでも豪州との安全保障協力は“初物尽くし”の歴史
で、英国など他の先進民主主義国と協力を進める上で重要なモデルケースになっている。
 ターンブル氏は首脳会談に先立ち、安倍首相の案内で千葉県の陸上自衛隊習志野演習場を訪れ、
特殊部隊「特殊作戦群」の訓練を視察した。テロ対策に関心を持つターンブル氏のリクエストで実現した。「極秘中の極秘」とされる特戦群を他国首脳が視察したのは初
とみられ、両国の強い関係を印象付けた。

 
中国の軍拡と海洋進出という共通の脅威を背景に、「準同盟」関係の土台は着実に強化が進んでいる


 日本は第1次安倍政権時代の平成19年、米国以外では初めて安保に特化した首脳間の共同宣言を豪州と発表。共同訓練などで物資の融通をスムーズにする物品役務相互提供協定(ACSA)も25年、米国に次いで2番目に締結した。防衛省幹部は「VFAも日豪でまとまった後、それをモデルに英国と話を進める流れになるだろう」と語る。
 
自衛隊と豪州軍の大規模な共同訓練も定例化
している。海自は20年から豪海軍主催の多国間海上共同訓練に参加し、陸自は27年以降、米豪合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に部隊を派遣。今年は豪空軍の戦闘機が来日し、空自と共同訓練を行う予定だ。

 豪州はターンブル首相の就任後、次期潜水艦の機種選定で日本提案の「そうりゅう型」採用を退けた。日本が力を入れる初の大型武器輸出案件だっただけに、安保協力に陰りが差したが、防衛省幹部は「数ある案件の一つにすぎない」と語る。 (千葉倫之)


 今回のターンブル首相の来日は、昨年12月に入って豪州側から打診されたというのですが、親中派の認識がありますので、驚きでしたね。アボット前首相とは、蜜月関係のあった安倍政権(「そうりゅう」の輸出は、静音性の機密の詰まった潜水艦なので、輸出への反対が多かったが、両首脳の関係で、輸出要請に応じようとしたが、ターンブル政権への交代で、コンペとなり受注できなかった。出来なかったのは、元々は反対意見が多かったので、結果オーライ。)でしたが、日本としては、勿論、大歓迎ですね。
 豪州国内で政治や経済などへの中国共産党の浸透が問題化し、警戒感が高まっていることや、中国の海洋覇権拡大への懸念の高まりが、日米への関係強化と、安倍首相が提案し、トランプ大統領が賛同し、アジア歴訪時に提唱した「自由で開かれたインド太平洋戦略」に、インドと共に賛同していたのでした。

 日本側も、日本と安全保障分野を中心とした関係強化に期待を寄せるターンブル氏の思いに応えようと、厚遇歓迎したのですね。
 日本は第1次安倍政権時代の平成19年、米国以外では初めて安保に特化した首脳間の共同宣言を豪州と発表、準同盟国の関係にあります。物品役務相互提供協定(ACSA)も25年、米国に次いで2番目に締結していて、今回は日本では初の訪問部隊地位協定(VFA)締結。豪州との安全保障協力は“初物尽くし”の歴史で、英国など他の先進民主主義国と協力を進める上で重要なモデルケースになっているのだと。

 米国との厳しいTPP交渉も、日豪EPAを先行締結して、米国産牛肉より、豪州産牛肉が有利に輸入される環境を構築し、米国にプレッシャーをかけ、妥結に向け交渉を前進させたこともありました。現在進展中の、CPTPPについても、日豪両国は、早期稼働に向け協力しあっていますね。

 最大の貿易相手国の中国との関係と、中国包囲網の「自由で開かれたインド太平洋戦略」への参画で、国内の農地や企業買収を進め侵略してくる中国へのけん制とを両立させる難しいかじ取りを迫られているターンブル首相。
 『「反中国」と「親中国」でぶれる豪州を共通の価値観を持つ日米を含む民主主義陣営にしっかり取り込んでおきたい。』と、記事では表現されていますが、そうした一方的な、相手国に失礼な上から目線ではなく、インドや、EU離脱でアジア市場進出をもくろむ英国も含め、アジア、太平洋、インド洋地域での自由主義陣営の協調・発展が進められていくことを期待します。



 # 冒頭の画像は、首脳会談をおこなった、安倍首相とターンブル首相




  この花の名前は、カンパニュラ アルペンブルー ホシギキョウ




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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交





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