
日経、読売、朝日、毎日が社説で取り上げていました。(産経は1面記事で社説はなし)。
各紙が共通して評価しているのは、中断して議論することです。この機に白紙に戻して考え直せと言うのが、朝日と毎日。長く議論してきた問題で、相変わらず机上論の両紙。翁長氏に、反対に固執することなく、集中協議を機に歩み寄り、より現実的な対応を冷静に検討することを提言するのは読売。沖縄県民に鬱積する気持ちを晴らすために、安倍首相と翁長知事の両トップ同志の信頼関係構築を提案するのが日経です。
辺野古作業中断 事態打開へ知事も頭冷やそう : 社説 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
(社説)政権と沖縄―「休戦」で終わらせるな:朝日新聞デジタル
社説:辺野古工事中断 ポーズに終わらせるな - 毎日新聞
米軍普天間基地の沖縄県名護市辺野古への移設作業を一時中断すると政府が発表した。移設に反対する県との接点を探る狙いだという。わずか1カ月だが、されど1カ月だ。政府と県はこの中断期間を有効に活用し、折り合うための最大限の努力をしてほしい。
移設作業は辺野古沿岸の海底の状況を調べる掘削調査がほぼ終わり、近く埋め立て工事に入る予定だった。対抗して翁長雄志知事は前知事が下した埋め立て承認を取り消す考えを示唆してきた。政府と県が法廷闘争に突入するとの見方が広がっていた。
政府が全面衝突をとりあえず回避したことを評価したい。内閣支持率のさらなる低下を避けるための安倍政権のイメージ戦略の要素もあろうが、話し合いに積極的に取り組むことはよいことである。翁長知事も「工事がストップしたことは前進だ」と歓迎した。
政府は10日からの1カ月を「集中協議」に充てる。日程調整などに時間を空費することなく、濃密な対話を期待する。
双方の立場に距離があることは否定できない。作業はあくまで中断であり、政府は移設先の見直しに踏み込むつもりはない。普天間移設の是非だけを二者択一で問えば双方とも歩み寄りようがない。どうすれば本土と沖縄が将来世代のために手を携えていけるか、幅広い視点で考えるべきだ。
東アジアにおける安保環境が緊迫の度を高めていることを意識する沖縄県民は少なくない。他方、騒音や米兵犯罪をもたらす米軍基地への不満は年々高まっている。政府のみならず本土の住民は、こうした沖縄の複雑な心理にもっと思いを致す必要がある。
本土にあって困らない米軍施設まで沖縄に一方的に押し付けられている。そうした疑念が沖縄県民には鬱積している。それを晴らすにはトップ同士の信頼関係づくりが欠かせない。安倍晋三首相は近く会談する翁長知事と肝胆相照らす仲になれるか。入り口でつまずかないようにしてもらいたい。
翁長氏が知事に当選はしましたが、360,820票で、得票率は、51.7%でした。どう評価するかですが、オール沖縄ではないことは事実です。激しく変化する東シナ海、南シナ海の安保環境を、間近で直接対面している沖縄の方々が、今どう考えているのかが注目されますが、日経は、「東アジアにおける安保環境が緊迫の度を高めていることを意識する沖縄県民は少なくない。」と指摘し、沖縄県民に鬱積している意識を晴らすにはどうすれば良いのかという点に着目しているのです。
陸上戦があり多大な被害と、苦難に遭遇された沖縄の方々のことは、国民が認識を共有せねばなりません。が、上陸作戦で沖縄を選んだのは、米軍です。国内からは、一般市民が徴兵され、片道切符の大和に象徴される様に、救援に向かい戦死した方々がいます。陸戦はありませんでしたが、原爆の広島、長崎、東京大空襲他各地の空襲と、各地でも戦火に追われ犠牲者はでています。つまり、沖縄だけが一身に犠牲を押し付けられたといえるのでしょうか。
4紙の社説では、読売を支持します。「辺野古移設は、その目的を実現するための最も現実的な解決策である。辺野古以外に有力な移設先は存在しない。翁長氏が反対に固執すれば、普天間飛行場の危険な現状が長期化する。他の基地負担軽減策の遅滞も招く」のです。普天間の危険を一刻も早く解消する。地元の辺野古では、キャンプシュアブとの統廃合(新設ではなく普天間基地が一つ減る)を承認されている。海洋覇権拡大で侵略度を強める中国への抑止力を維持する。そうした現実を見つめ進展の成果をあげることが、県知事の義務でしょう。
しかし、翁長氏の言動は、県民全体のことより、私利私欲で動いているとしか見えません。
県知事になりたいが為の、辺野古移転反対だけでの、共産党など野党との共闘に鞍替えしてまでの知事のいす。民主党政権が、政権与党になりたいと言うだけで集まった烏合の衆であったために、沖縄県民の方々を愚ろうした、その繰り返しの末路は見え見えですね。
産経や、地元の有名ブロガー・狼魔人日記さんは、翁長氏の追い詰められた現状を指摘しておられます。
辺野古工事1カ月中断 解決目算なし、安保採決にらむ (産経新聞) - Yahoo!ニュース
翁長知事、一時休戦に安堵!武藤頑張れ!俺が付いている! - 狼魔人日記
政府は対話を通じ、現実路線の実現を説得し、翁長氏を越えて、県民や国民に呼びかけるのですね。メディアが偏向せず、忠実に内容を報道することを望みます。
かといって、翁長氏は支持団体からの突き上げがあり、態度を変えることは、変えたくても変えられません。つまり、翁長氏の私利私欲の政策が無く政局優先の県政に、沖縄県民の方々が、犠牲者になっていくことになるのでしょうか。

この花は、スイセン・オブバラリス
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