APEC開催で一時控えた中国の海洋進出は、予想通り元に戻り傍若無人な侵略をエスカレートさせています。
南シナ海、東シナ海での覇権拡大に歯止めをかけるにはどうすればよいのか。国際社会に問われる課題として、関連各国が認識を新たにする年となっていただきたい。
結論から言うと、これまでも述べさせていただいている様に、関連諸国が連合して抑止力を高めるしかないのですが、その第一歩は、中国の行状を世界に向けて発進することです。世界世論が怖いから、APEC開催時には行動を控えたのですから、世界が注目する状況をつくりだせばよいということになります。
世界に中国の行状を知ってもらうには、政府任せにするのではなく、メディアが連携して中国の蛮行を世界に向けて発進していただくのが一番です。 . . . 本文を読む
行く今年は、日本では安倍長期政権が決める政治を進めるべく奮闘していただきました。朝日新聞が慰安婦強制連行の誤報を認める捏造された歴史が正される快挙がありましたが、仲井真知事が普天間基地のキャンプシュアブへの統廃合の決断をしていただきましたが、名護市長選でつまずいた自民党の立て直しが出来ない流れがつづいて、県知事選では仲井眞知事が破れてしまいまう、痛恨の事態もありました。
世界に目を転じれば、2013年のシリアの化学兵器使用疑惑への優柔不断な対応で世界の信頼を失ったオバマ大統領は、ますます混迷を増すばかりの政治で、中間選挙では、大きく敗退してしまいました。
一方、失墜が進んだオバマ政権と反比例するように、ロシアと中国が力による現状変更を進めた年でもありました。 . . . 本文を読む
台湾の馬英九総統は、11月29日の統一地方選で与党・国民党が大敗した責任を取り、党主席を辞任しました。
予想以上の大敗で、中国・習近平の覇権を強める姿勢や経済面での吸収・併合への強圧的な姿勢は、香港の学生等への妥協を示さない、一国2制度の崩壊をさせる姿を間近で見せたのは習近平政権の大失政によるもので、台湾国民に及ぼした影響は大きかったのですね。 . . . 本文を読む
世界の西では、ウクライナに侵略を進めるロシア。東には東シナ海、南シナ海で侵略を進める中国があります。
中国と対峙する日本の安倍政権は親露に傾き、ウクライナ問題でロシアと対立する欧州では、ロシアには厳しいが、中国には緩い傾向が見られます。
欧州では、遠い東で起きている出来事より、かつて戦火を交えたロシアの方に脅威を感じるというのが人情のような気がしますが、日本の情報発信の足らなさや、中国での力づくの覇権拡大内容が知られていないからとしか考えられませんね。 . . . 本文を読む
小笠原諸島や伊豆諸島に出没していた、中国からのサンゴ密漁船団に対し、海上保安庁は従来の進入阻止の方針を転換し、積極摘発することとし、巡視船の追加投入をすることとしたのだそうです。21日には早速領海内で違法操業をしていた中国人船長を外国人漁業規制法違反(領海内操業)容疑で現行犯逮捕し、取り調べのため横浜海上保安部に移送したのだそうです。
海保に併せて、水産庁も、漁業取締船を同諸島に重点配備する方針を明らかにしたのだそうです。 . . . 本文を読む
安倍首相は16日、米国のオバマ大統領、豪州のアボット首相と、豪ブリスベーンで第1次安倍内閣当時の2007年9月以来、7年ぶり2度目の日米豪首脳会談を行い、安全保障と経済両面での3か国の連携強化を掲げた「共同記者発表」を行いました。
オバマ政権の、アジア太平洋地域を重視する「リバランス(再均衡)政策」について、日豪が後押しすることを鮮明にしたのだそうです。 . . . 本文を読む
オーストラリアと中国とのFTA交渉は2005年に始まっていたのですが、中国国営企業の進出を懸念する豪側が慎重な姿勢を示し続けていて、アボット氏も野党時代は中国との交渉に批判的だったのですが、昨年首相に就任すると、FTA推進派に転じたのだそうです。
オーストラリア政権は、親日派のハワード首相から、労働党で親中派のラッド首相に変わった後、震災での原発事故の風評にさいなまれていた東北をいち早く訪問して払拭に助力いただいたギラード政権、再のラッド政権を経て、ハワード首相と同じ自由党のアボット首相へと変遷してきたことは諸兄がご承知の通りです。
アボット首相誕生で、ラッド首相時代の様に日豪関係のパイプが太くなることが期待されて、日豪EPA成立や、2+2協議開始など関係強化が進んでいて、日本の貴重な極秘技術とされる潜水艦技術の提供も、周囲の懸念を安倍首相が抑えて踏み切るところまで至っていますね。 . . . 本文を読む
APECの主催国として世界へのイメージアップを図った中国。日中首脳会談という注目のイベントがありましたが、米中首脳会談では、太平洋を米中で分け合おうとG2構想を飽きずにまたも持ち出すなど、自己主張をしっかり貫き、世界の大国であることの宣伝に努めました。
続く、EASやASEAN+3会議でも、中国の海洋覇権拡大に対する行動規範での法規制を、日米他の国々が画策しましたが、むしろその道は遠のく印象さえ感じられる様相を呈してきたと思うのは、遊爺だけではないようです。 . . . 本文を読む
中国の南シナ海での海洋覇権拡大に、フィリピンとベトナムが果敢に抵抗していることは諸兄がご承知の通りです。
懸案の南シナ海の行動規範交渉も、中国の優柔不断な姿勢で一向に進展する気配はありません。一方で、中国による実効支配の為の実績造りは、着々と進展し、埋め立てによる島の出現・拡大とその基地化が実現しつつあります。
フィリピン、ベトナムは、ASEAN諸国との連携での対中交渉の他に、日米豪印などの支援を仰いだ抑止力に努めていますが、国際仲裁裁判所提訴にも踏み切っていました。
先行して提訴したフィリピンの審理は既に始まっていますが、産経が、判決はフィリピンの勝訴になるとの予測があると報じています。 . . . 本文を読む
全方位外交を基本とするインドで、モディ新政権は、国内で反対の声があるにも関わらず、日米に接近する姿勢を打ち出していることには、以前に触れました。
モディ首相の訪米により実現した両国首脳会談について、中国、インド、米国のメディアの評価を報じる記事がありました。
中国では、インドは米国の思惑通りに操られることはないとインドの自主性に期待し、米印首脳会談の内容を無視する姿勢。 インドでは、共同声明に中国を意識した南シナ海の領有権や米国が提唱する「インド太平洋経済回廊」の構築に言及の文言を入れたことを評価し、新たな印米関係を歓迎する論調。
米国でも、インド国内の制度改革、人権問題といった課題はあるものの、中国への牽制にもつながる、安全保障面と経済面での新たな関係に期待を寄せる姿勢です。 . . . 本文を読む
軍事大国となった中国に、伍して譲らないベトナム。そこには、イデオロギーよりも、生き残りのための国益リアリズムを重視するベトナムの、頭に「超」のつくウルトラ現実主義外交があると説くのは湯浅博論説委員。
ベトナムの指導者は、巨大な軍事力をもつ中国に対する屈服を拒否するのは、自らの力が強いときか、もしくは、中国を抑止できる別の大国が利用可能なときと心得ているのだそうです。 . . . 本文を読む
インドはロシアとの間に、長期的友好関係をうたった「戦略的パートナーシップ宣言」を交わしていて、武器購入もしていますし、合同軍事演習も行っています。最近では、BRICS首脳会議で合意に達した、欧米主導の国際金融秩序への挑戦と言われる「新開発銀行」の初代総裁の座を占めたり、中国、ロシアが主導する上海協力機構(SCO)への加盟を申請するなど、その外交姿勢は、多彩です。
新首相のモディ氏が精力的に主要国首脳との会談を実現させていることは諸兄がご承知の通りですが、その外交姿勢は、伝統的な全方位外交から、一歩踏み出したものだとの評価がなされているのだそうです。
つまり、中国には強い姿勢で臨む一方、日米との関係を深化させようとする意図が顕れていると。 . . . 本文を読む
米国とインド及びモディ氏との間には冷えた関係がありましたが、モディ氏が首相に就任するや、オバマ大統領がモディ氏への査証問題に区切りをつけ、訪米を招待し首脳会談を実現させました。
モディ首相は、就任後最初の訪問国を日本と定めていましたが、中国への配慮から、ブータンを挟んで日本を訪問していましたが、習近平の訪印を経ての訪米では、対中国と対米国との関係に明らかな差をつける姿勢を示しました。
更に驚いたのは、米印首脳会談なのに、第三国の日本を交えた、日印米の3国の外相会談開催を発表したのです。 . . . 本文を読む
インド・モディ新首相が来日され、安倍首相との会談も終えられました。
来日前から、両国の関係強化と対中牽制との期待が盛り上がっていました。会談が終わって、その期待は確信へ近づいたと同時に、楽観論ではなく、乗り越えねばならない壁もあることもクローズアップされる様になりました。カースト制の身分差別、貧富の差、近年の労働争議などインドの持つ課題は以前からあげられていましたが、ここにもスポットライトを浴びせていくことができてきつつあるのは、単なるブームではなく、実行への現実味を持った両国関係深化のスタートがなされたと歓迎します。
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ASEAN外相会議は、南シナ海での中国の覇権拡大が大きなテーマとなり、フィリピン、ベトナムが主導する中国への行動規範遵守を求める動きと、中国のASEANの分断を狙った札束攻勢に屈した国々の中国びいきの攻防が予想通りに展開されたことは、諸兄がご承知の通りです。
2012年のカンボジアが議長国の時は、外相会議の共同声明が発信できない事態に陥りました。今回は、初めての議長国となったミヤンマーでの開催で、親中派と行動規範策定派の対立が色濃くなってきている現状で、カンボジアと同様の懸念もありました。しかしながら、難航しながらも共同声明が出せたことは、内容はともかくとして、議長国のミヤンマーも、ASEAN各国も成長があったかなと遊爺は評価しています。
事態は、中国のかたくなな自国の利益追求で深刻化していますが、深刻化するぶん、関係各国が真剣に考え始めてきている。そんな印象を抱き始めています。 . . . 本文を読む