作品を語る者

映画、ゲーム、アニメ、小説について語る。

赤い指

2012-02-28 15:31:30 | Weblog
    加賀シリーズ第7弾!もう名作という簡単な言葉では終わらないほど心に残しておきたい作品でした。

    社会が便利になればなるほど薄くなる家族との絆!平凡な前原家に起きた最悪の日々。

    今回は加賀シリーズの集大成といった感じもありました。卒業にも登場した加賀の父 隆正の妹の子供

    松宮刑事が初登場!今回の恭さんは相変わらずの鋭い観察眼に加え、松宮に良い刑事になって

    もらいたくてさりげなく導いたりと大活躍でした。在宅介護の厳しさが前半で綴られておりましたが

    こういうのは感受性の高い中学生、高校生の時にこそ勉強するべきものだなと感じました。

    いまでは先人達の書いた本がたくさん出ているので自分も一冊ぐらいは持っておくべきだと思いました。

    ちなみに2階建ての家って自然と会話が少なくなるような印象があるんですけどそういう研究とかも

    されてるのかなと少し興味が沸きました。前原家の息子 直巳の犯罪は永久に許されるものでは

    ありませんが、いじめという深い問題にも考えさせられる所があり、社会問題に深く切り込んだ

    ノンフィクションの東野作品も読んでみたいなと感じました。ちなみに名言も有りまくりなんですが

    聞き込み捜査の時に加賀が他の家に気を使いながら捜査する件が印象的で恐らく今の刑事でこういう事を

    考えている方はごくわずかなんだろうなと思いました。次はついに新参者です!

嘘をもうひとつだけ

2012-02-27 18:48:17 | Weblog
   加賀シリーズ第6弾にしてシリーズ初の短編集!これまでが難事件ばかりだっただけに今回は

  登場人物達の事件を起こしてしまうまでの感情に焦点が当てられていてどの短編も

  切ないものばかりでした。

   嘘をもうひとつだけ:眠りの森以来のバレエ団の話、犯人の殺意に至るまでの理由がプロ意識の

              高さを感じられました。

   冷たい灼熱:世のお父さん方が家はこんなことないよと思いたくなる話。

   第二の希望:自身の夢を娘に押し付けてしまった母の末路。

   狂った計算:夫に人生を縛られた主婦の話、やはり見栄やいきおいだけで結婚するのは駄目ですね。

   友の助言:まさかの奥さんがあっち方面の方ですかー(笑)子供がかわいそうー(悲)
        加賀のクールに見えて実は熱い友情にグッときました。

   どの短編も読み応えがあり電車の中や休日にさらっと読める良作でした。

ドラゴン・タトゥーの女

2012-02-26 20:58:40 | Weblog
   セブンを思い出す圧巻のOPから始まるドラゴン・タトゥーの女 原作、オリジナル版は未見の為、比較は

   出来ませんが、印象としてはレベルの高い火曜サスペンスといった感じです。とにかくリスベット役の

   ルーニー・マーラが体当たり演技を魅せ付けてくれるのが見所です。ミカエル役のダニエル・クレイブも

   普通の記者なんですがボンドをやっただけ有り、日常のさりげない仕草がイケてる男といった感じで

   こちらも見所です。てっきりハリエットの謎は次回に持ち越しかと思っていたらきっちり最後まで

   やってくれて、万が一続編がなくても一本の上質映画として成り立っております。

   ただきついSEXシーンがあるので万人受けしない所がアカデミー賞作品賞にノミネートされなかった

   原因かなと感じております。ヴァンゲル家の人間は共感は出来ませんが、

   私利私欲に溢れながらも本能に生きてるある意味人間的な一族の印象がありました。

   あらすじ

   実業家・ヴェンネルストレムの不正を報道した、雑誌『ミレニアム』の発行責任者の

   ミカエル・ブルムクヴィスト。だが、名誉毀損の有罪判決を下され、

   『ミレニアム』から離れることを決める。それでもミカエルは、ヴェンネルストレムの

   違法行為を確信していた。

時を同じくして、大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが、弁護士フルーデを通じて、

ミカエルの身元調査を依頼していた。調査を担当したのは、背中にドラゴンのタトゥーを入れた、

少年と見紛うような小柄な女性、リスベット・サランデル。

リスベットの調査から、ミカエルを信用に足る人物だと判断したヘンリックは、ミカエルにある仕事を依頼する。

それは、36年前に一族が住む島から忽然と姿を消した少女ハリエット・ヴァンゲルの失踪事件の調査だった。

ヘンリックは36年経った今も尚この事件に頭を悩まされ続け、一族の誰かがハリエットを

殺したのだと信じきっていた。法外な報酬と、事件の謎を解決すれば、ヴェンネルストレムを

破滅させることもできる証拠を与えるという条件から、ミカエルは、この如何にも難解そうな

依頼を引き受ける。

調査は予想通り難解を極めるが、36年の時を経て、ミカエルは新しい手がかりを発見する。

助手が必要となったミカエルにフルーデが紹介したのは、あのリスベットだった。やがて明らかになったのは、

恐るべき連続殺人の真相とヴァンゲル家の繋がり、そしてハリエット失踪事件の顛末だった。


灼眼のシャナⅢ-FINAL 第20話 「世界の卵」

2012-02-25 17:47:14 | Weblog
    シャナも残すところ4話!最終回イベントも決定しいよいよグランドフィナーレにまっしぐら。

    久々登場のフリーダー君は『導きの神』“覚の嘨吟”(かくのしょうぎん)の眷属ロフォカレに依頼し

    シャナがザナドゥに何をしようとしているのかを徒に知らせようとする。まさに悠二の願いとシャナの

    想いが雌雄を決しようとしている最中、ヴィルヘルミナはフィレスに想いが届かず戦意を失いかけていた

    所をシャナとマージョリーがナイスフォローもう、さりげない感じで非常に心にきました。

    悠二の自在法「グランマティカ」はシャナとの共闘で見てみたい感じでした。

    とりあえずトーガにちょこんと乗るシャナが可愛すぎたので大満足です(笑)

    あらすじ

    楽園『ザナドゥ』創造を担う「世界の卵」を背にシャナと戦ってた悠二の横に、

    バル・マスケ三柱臣の一柱、シュドナイが並び立つ。と同時に、シャナの横にもマージョリー、

    そしてヴィルヘルミナが現れた。その頃、“紅世の徒”に神託を伝播する力を持つ眷属・ロフェカレを捕らえ、

    戦況を少しでも変えようとしていたフレイムヘイズたちは、ロフェカレから意外な事実を知らされる。

    ロフェカレがシャナの計画を伝播できない理由とはなにか……。また、宝具『ヒラルダ』の発動によって現れ、

    吉田一美を連れ去ったヨーハンとフィレスの行き先とは……。

    

私が彼を殺した

2012-02-23 21:09:07 | Weblog
   加賀シリーズ第5弾!やはり順番に読んできて良かった。いきなりこれから読むと完全に挫折してました(笑)

   今回は再びの読者推理物、前回よりさらに推理の部分に重点が置かれているため初め登場人物の視点が

   コロコロ変わる構成に馴染めなかったんですが、読み終わって見ると推理に、読み返すのにも便利だし

   今回は登場人物達の人物像が最低限の描写であるような印象だったので流石、東野圭吾!

   加賀は今回、これまでの事件で培った経験の集大成という感じで感慨深いものがありました。

   神林貴弘が本の話題に触れた時、加賀がこっちもお勧めですよと言っていた時には、あれそんなに

   読書家だったけ?と思いましたが前回の悪意で犯人が作家の設定だったので

   影響されたのかなと感じました(笑)

   今回の犯人は恐らく駿河直之ですね、カプセルを入れるケースを入れ替えられたチャンスがあったのは

   恐らく彼なので。次は短編物という事でまた違った恭さんが見れると思うと楽しみです。

127時間

2012-02-19 11:21:49 | Weblog
    この作品と言うか実話は映画と小説とセットで楽しむと感動がより一層深まりました。
  
    一人アウトドアを楽しむ27歳のアーロンその時ばかりは誰にも行き先を告げることなく一人バカンスを

    楽しんでいた。映画だけ見ると自分勝手な若者が岩に挟まれた事で自分を見つめ直し悔い改めるみたいな

    感動的な仕上がりでこれも凄く良いのですが、アーロンの経歴を見る限り彼なりに一生懸命生きているので

    原作小説を読んだ事でまた別の印象を感じました。人は生きていく上で必ず誰かと繋がっている

    だから危険性を感じる場所に行く時には行き先を伝える必要があるし義務がある。

    ただ命は必要以上に保護すると腐る、社会のシステムに生かされている我々にとって生きるとは命という

    石を削り磨き上げる事をしなければ生きているとはいえないという事です。

    アーロンは命の淵に立ちながら生きるための手段、死ぬとしてもどのように死ぬのか

    常に考え行動していました。ちなみに小説は彼の両親や友人などが彼の捜索を決める過程や

    救出後のリハビリの辛さも描かれてますので映画と原作小説セットで楽しむのがおススメです。

    勇気は愛であり行動することだと学びました。

灼眼のシャナⅢ-FINAL 第19話 「彩飄がよぶもの」

2012-02-18 17:18:37 | Weblog
   ザナドゥの在り方を変革しようとするシャナに、己の目的や理論で立ち向かおうとする悠二についにシャナが
 
   一撃を加える。久々の「悠二のバカー」という可愛すぎる台詞と共に、ザナドゥ創造に悠二の想いが

   足りていない事を感情で指摘しているようで見ていて爽快でした。ヨーハンの愛をなめてるんだなという所は

   凄く痺れましたが、その他の戦略の説明や映像描写が明らかに足りていないのでもっと話数増やして下さい(笑)

   あらすじ

   楽園『ザナドウ』を求め集まる幾千幾万の”徒“と、その前に立ちはだかるフレイムヘイズたち。

   御崎市を覆う封絶の至る所で繰り広げられる戦い。その中心に、漆黒の炎と紅蓮の炎があった。

   『星黎殿』が変形し生まれた要塞・真宰社(ルビ:?)上空で太刀を合わせるシャナと悠二。

   互いの思いを知りながら、異なる道を歩む相手を止めるために対峙する二人。
 
   その戦いを見つめていた吉田一美はある思いを抱く。「自分が、相手が望まない、すれ違いも愛」。

   そして、その胸に下げられた『ヒラルダ』に手を添える。

   次回「世界の卵」

悪意

2012-02-18 15:54:40 | Weblog
  加賀シリーズも折り返し地点の第四弾!ただただ結末に震える作品という印象もありますが、加賀シリーズを

読み続けて感じた事として他人の本質は良い意味でも悪い意味でも本当の所は誰ににも見抜くことは出来ない

  という事です。卒業から悪意までは殺意に至るまでの人の闇の部分、赤い指以降は映像化された

  物しか見てませんが比較的人の良心の部分を多く描いた所が多く時代の流れなのかなと感じました。

  取り分けこの悪意に関しては男同士の関係を描き、男女の痴情の縺れなどではなく、

  ただ感情のままに悪意を持ちそれが死の間際となった事で封印が解かれ情け容赦ない闇に震えました。

  それに加え加賀の過去が明らかにあの出来事があってから刑事となり今に至る彼はあまりの絶望に刑事という

  客観的視点から世界を見る事で己の本質に辿り着きたいのではないかと勝手な想像も働くぐらいこの作品には

  脱帽しました。

どちらかが彼女を殺した

2012-02-16 12:49:55 | Weblog
    加賀シリーズも3弾目まで終了しました。今回は意外や意外犯人当て物。殺された妹の兄 康正と加賀が

    犯人に迫るW主人公制度みたいな感じでまたもや楽しめました。ただ犯人に復讐したい康正にとっては

    加賀は協力者でも有り敵でもある。加賀も康正は事件解決の為の最大の協力者でもあり、復讐を

    阻止しなければならない人でもある。どちらかが彼女を殺したというタイトルどうり実は三人目がという事も

    なく徐々に明らかになる真実と唯一の肉親である妹を想いながらも最後まで警察官であった康正の志に

    感服しました。ちなみに犯人は男の方で合っているのでしょうか?映像化希望です

眠りの森

2012-02-15 09:24:49 | Weblog
   加賀シリーズ第二弾! 教師の道に進んだ加賀が何故刑事になったのか疑問でしたが、

   どうやら加賀が子供達の為と信じた教育指導が受け入れられなかった為に刑事という道を選択したようです。

   舞台はバレエ団 普段興味がない私にとってはとっつき難いかなと危惧しておりましたが、そこは加賀シリーズ

   前提に単純な殺人をもってくるのではなく、正当防衛を主張する容疑者という奇抜なアイデアで加賀登場まで

   引っ張り、加賀が登場してからは未緒とのやりとりや事件の真相に迫る地道な捜査で

   読破まであっと言う間でした。相変わらずそれぞれの登場人物の仕事に対するプロ意識の高さを描かせたら

   東野さんは巧いなと感じつつ第三弾も楽しみです。