追憶

2010-06-23 23:49:41 | 恋愛
午前の患者さんにキャンセルが出た。
10時から13時までの予定がなくなる。

すぐに営業フォローとして
今 お休みの患者さん宅を訪問する。
「もう けっこうです」もあれば「来週からお願いします」もあり。
結構 根気のいる仕事だと改めて感じた。
車は 近所のスーパー銭湯駐車場におかせてもらった。

予定していた訪問が一区切りついた。
もう 汗だくだ。
ちょっと「水筒休憩」と思い、
「佐太天満宮」に出向いた。
樹木がうっそうとしげる森の中に その神社がある。
平日の昼前なので、まったくだれもいない。
ただ、おおきな正面玄関をくぐると
国道1号線を走る車の音が消えた
そして、ひんやりとした空気が 体を包む。
枝葉についた 雨のしずくが 風にあおられて
おちてくる。
ほんとに 同じ空間にいるとは思えない 不思議な世界。
ゆっくりと敷地内を歩いた。
どんどん 記憶が押し戻されていく。
4年前、この仕事をスタートした時は
佐太天神近くに4軒 患者さん宅があった。
今は 亡くなられた方、老人介護施設に入所された方・・・
それぞれに また違う時間を過ごしているだろう。
その頃歩いた道、そして 過ごした季節の景色や香りを思いだした。
ほんとに心の余裕がなくて、おどおどすることばかりだった。

そんな時を 支えてくれたのが 大好きな彼だった。
佐太天神のこの空間にとどまった時、
その時の彼がそばにきてくれた。
2人で あの頃のことを思い出していた。
肩をかして歩いた道は、今もあるし、
その時咲いていた花は、今も咲いている。
お互い、誰よりも 何よりも 頼りあっていた時間。
たった3ヶ月間・・・ほんとに 時間をありがとう。
ずっとそばにいて欲しかった・・・
その頃の彼に、ずっとそばにいて欲しかった。
・・・あいたくて、涙が出た・・・
その瞬間・・・ふっと いなくなった・・・。

もう、あきらめたのだから。

そんな今日の午前だった。

確実に時間が流れ、
心の傷も癒えるはず。
振り返らずに、ただ 前だけみていよう。
ぜったい ふりむかないで、前だけみていればいいから。
ずっと 自分に言い聞かせた。

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