雨・・・

2年前の春、
大好きな彼が会社を退職する日、
メールが届いた。

「雨の朝、うっとおしいと思うのも、
　すてきだなと思うのも、
　自分しだい。すべては、自分が満たされているか
　そうでないかの問題で、その自分のありかたを
　管理するのも、自分しだい・・・」
彼は、今日の天気を素敵だと思っているのだろうか？

大雨の朝だった。
自宅を出発して、ワイパーはずっと、フルフルだった。

車での移動が普段からかわらないから、
さほど、雨は気にならない朝。
ただ、他の車もすべて、
普段よりもスローペース。
時間にさえ、余裕があれば、
普段よりもゆったりしていて、わたしは好きだ。

一件目の訪問先で、少し時間があった。
しばらく車で待機していた。
今日一番すごい勢いではないかというくらいの雨。
ほんとにバケツをひっくりかえした様子とはこのこと？
5分とその勢いは続いていないのだけれど、すごく長く感じたな。

ひとしきり降って、静かになった。
訪問先のお宅に入ってからは、
ほんとに静寂があたりを支配する。
鳥の鳴き声しか　聞こえないのだ。
ほんとに山か森にぽつんと1件屋の錯覚におちいるくらい、静か。

こんな日がとても好き。
仕事しながら、こんな時間があることに
ものすごく感謝している。

前述のメールを彼からもらった時、
少しとまどったし、彼と自分を比べれば、
人間として、ぜんぜん余裕がなくて、どうしようもないわたしなんかなって
正直思った。
2年たった今、「かわった自分」とは　いいきれないかもしれないけど、
ささやくような自然の声に耳をかたむけることは
できるようになったと思う。
そして、その「声」が、自分に心地よいと感じる。
雨の日も、とても素敵に感じる自分が　ここにいる。

大好きな彼から、「好きだよ」って言ってもらえなくても、
自分で自分に　「とっても　好きよ」って言える。

ほんとに、最近　自分が好きでしかたない（笑）