ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

擬似(フェイク)ドキュメンタリーというホラー

2007-03-23 | 映画
邪願霊

冒頭、沢田ユカのヌード撮影するカメラマンのインタビューを取り、サラリーマンに人気の居酒屋を取材する女性キャスター。怪我を負い、精神にも傷を負って入院したらしい。

「事故には心霊現象が関係したという噂がありますが……」

テレビ放映されなかったレポート――ある女性アイドルの売り出しキャンペーンに密着すること、しかし、そのレポートは恐るべき結末を迎えるのである。

化粧品「H・P」とタイアップして、新曲「ラブ・クラフト」をプロモートする河西プロデューサー。

その曲は数年前にある女性素人作曲家によって応募された作品で、選に漏れたはずなのに河西が持ち続けていたのだという。取材ビデオに映り込む謎の女性の白い影。それはアイドルの新曲ジャケット写真にも写り込んでいた。そう、まるで赤ん坊を抱く女性というふうにも見えるという。

作曲者の正体を探るうち、山岸というレコーディング・ディレクターから「これを見ればわかる」とVHSテープを渡されたが、直後、山岸は突如爆発した自家用車の中で焼死してしまった。

テープの中身は、個人撮影なのか、ベッドの上で身悶える全裸の女性、嬲るような河西プロデューサーの声、そしてハミングで「ラブ・クラフト」の主旋律が流れている……。

アイドルのPV撮影の日。アイドルに取り憑いた何かが、彼女の腕を逆に折り曲げ、内臓から捻り潰しでもしたか、吐血してそのまま彼女は悶死する。

怖ろしい女の亡霊は、しかし、その顔の輪郭はなんとしてもはっきりしないのだ! 恨みの表情を浮かべているに違いないのに……。

……だいたい、こんな感じのお話。

フェイク・ドキュメントというスタイルとしての完成度はわからないが、作品としては結構満足だった。

「H・P」「ラブ・クラフト」とか、「インスマスにさようなら」とか、実に趣味的だしね。


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