ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

小さき勇者たちの、勇気と友情のリレー!

2006-10-30 | 映画
小さき勇者たち~ガメラ~」を見た。

このDVD、10月27日発売だったのだ。10月27日はわたしの誕生日だ! で、自分への誕生日プレゼントで購入。DTSメモリアル・エディションをチョイス。今日のところは特典ディスクを見るのは先送り、本編のみを見た。

実はわたしは昔からガメラファンなのだ。

「大怪獣ガメラ」は昭和40年11月27日公開だが、さすがにあのモノクロ映画はちょっと遅れて見ている。ガメラ映画初体験は翌春の「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」だ。併営の「大魔神」ともども、魂を揺さぶられた。

その後、同級生たちが「荻窪東映・大映」で、東映動画と混成プログラムのガメラを見ているのを尻目に、「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」は「妖怪百物語」との二本立て、以下、大映純正二本立てを愛して来た。

そして、結局1本も劇場では見なかったのだが、あの平成ガメラ3部作は、わたしにとって指折りの魅惑のシリーズである。

だから! だから!

冒頭1973年という微妙な年を背景に、平成ガメラ風のギャオスを、平成ガメラ調のガメラが自爆で倒すところから、ぐいぐい引き込まれた。

卵から誕生した小亀と透(とおる)少年との出会い、母を亡くした透少年の愛称がトトであり、歩みの危うい小亀に少年が与える呼び名トトの重なり、隣家の少女が難しい手術を控えており、トトの卵の台座のような赤い宝玉をそのお守りとして借り出す設定、1973年の少年が成長した透の父の、港町の定食屋として根付いているさまなど、実に日常が丁寧に描かれる。

もちろんギャオス細胞とトカゲの融合体らしい新怪獣ジーダスは、なるほど、ジラースのもじりかも知れない。透のTシャツに「78」と書いてあること、あるいはジーダスが初めてその顔をぬっと突き出すさまが、大戸島のゴジラ登場シーンを彷彿とさせもする! しかし、強力な長い舌、全身のぬらぬらした生物感、どこか虹色の輝きを思わせる体表の質感が、「悪魔の虹」を放つ「バルゴン」を思わせるじゃないか!

小さき勇者たちという題名は、終盤、「赤い宝玉」の子どもによるリレーによってその意味が明かされる。「トト」に力を! その気持ちのリレーが、トトの勝利と自爆回避を成し遂げさせる。

平成ガメラのリアルの方向とは違う、いわば独自の寓話となりえた本作。お時間のある怪獣ファンは是非ご覧ください。