ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

呪いは実在する! そう、間違いなく「ノロイ」は呪われている!

2006-10-22 | 映画
ノロイ」を見た。呪われた作品だ、こいつは。

どう、呪われているか? 松本まりか、その後仕事あるんだろうか? そういう心配をさせるほどに、名前そのまま出しで、頑張るほど困っていたのだろうか、松本まりかは? そういう点が呪われているのである。

このDVDに先駆けて、昨年の劇場公開のころに「ノロイ―小林雅文の取材ノート」(林 巧 角川ホラー文庫)を読んでいた。だから、概略の筋立は知っていたのだ。

「杉書房」という架空の会社が出したという怪奇実話作家「小林雅文」の遺作「ノロイ」がまるまる含まれているという構成の、フェイク・ドキュメント・ホラー作品だ。

隣家から聞こえる、いないはずの赤ん坊の声。狂気を漂わせるその隣人、石井潤子。彼女の家にはなぜか鳩の死体が転がっている。

超能力小学生を発掘したテレビ特番。密閉したフラスコの中に、湖沼の水と新生児の毛髪と思しきものを実体化させた少女加奈は、その後謎の失踪を遂げる。

お蔵入りになった心霊番組。その気がかりなテープを持って小林との怪談トークに参加した松本まりか。彼女を透視すると招かれた堀光男という霊能力者は、狂気に捕らわれているとしか思われない言動を繰り返す。全身をアルミ箔に覆い、霊体ミミズの攻撃を避けるのだという。

これら、パラレルの事象が、ひとつの形象を描き始める。ダムに沈んだ村。「禍具魂(カグタバ)」「鬼祭(キサイ)」……。石井潤子は「鬼祭」の寄代を務めたことがあったのだ……。

うーん。こうして荒筋らしきものを書きとめていると、結構面白そうなのだが、この作品、まったくダメダメなのである。面白いのはラスト五分だけ!

しかし! その五分を楽しむためには、だるーい、だるーい、それまでを我慢して見るしかない!

変な「怪奇実話」の演出って、やっぱり嘘臭いなぁ、と思う人! ぜひご覧なさい。そして、笑って許してあげましょう。ね。